自己内観ブログ


2024年秋分を経て太陽からの強いエネルギーを浴び心身の変容を感じ共感の輪を広げるべく様々な閃きを綴ります。

ある噂(上)

2018-10-14 16:26:00 | 物語
わりと豊かなある地域で、ある野菜の値段が上がると誰ともなく言い始めました。

それまでも、この野菜のそういった噂は、度々、流れましたから気にせずにいる人が多いようでした。

この野菜は、珍しいものでもないのですが、多少好き嫌いがあるようでした。

米などのようにどうしても無くてはならない訳では、ないのですが、何故か?時折、とても注目されるのでした。


この地域では、この野菜の値上がりの噂の反応がいろいろでした。

このような噂が噂で終わるのか終わらないのかに非常に興味を持ったある大学教授が、学生を使い「意識調査」を行いました。その結果をグループ別にするとこのようになりました。

Aグループは、またこんな噂が出ても、すぐ元通りになるさと平然としている。

Bグループは、野菜の値段などに興味がなくそのような噂が流れていることすら知らない。

Cグループは、その野菜で商売をしていましたから、値上がりしないようにと願っている。

Dグループは、その野菜の値上がりが他の野菜にも影響を与え、次第に食べ物全体に連鎖して、食べ物以外の物にも影響が出るのではないかととても不安になる。

Eグループは、ベジタリアンで値が上がっても食べられるようにその野菜や他の野菜も含め、生産者から定期購入の契約をする。

Fグループは、これを機会に野菜そのものの価値や生産方法などが改善されたら良いと願いました。

Gグループは、またこんな噂を流し地域の人を混乱させようとしている臭いを感じ嫌な気分になりましたが、客観的に眺めている。

このグループの割合は、次のようになりました。

A→20%
B→20%
C→10%
D→30%
E→10%
F→5%
G→5%


しかし、このようなことを行っているもっと大きな組織があり、ある場所で秘密裏に調査していたことは、誰も知る余地がなかったのです。

何故そのようなことをやっているかというと、この地域をひとつのモデルケースとして捉え、その結果を基にもっと大きな地域やたくさんの地域に当てはめ、その地域を支配することが目的でした。
つまり、この噂の出所はこの組織に他ならなかったのです。

ところが、以前この組織内の末端で勤務していた知人から、このような内容を聞いていたYという人を中心とする仲間達がいたのでした。

この噂が再来した時のために数年前から準備をしていたことがありました。

そして、その噂で地域がどよめく最中にあえて大きな広場にスポーツや音楽や動物達と楽しめるイベントを開催したのでした。
この広場は、丘陵地帯にあり自然豊かで夜間は、満天の星空を見ることができました。

すべてのイベントは、無料で各部門に詳しい人が、ボランティアで運営していました。


続く














コメント
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