黒田晴美の子育てとコーチングと「わたし」

神戸でコーチをしている黒田晴美です。子育て中のママや夢に向かって一歩踏み出したい方のサポートをしています。

あなたに金メダル。

2010年02月24日 | はるの成長日記
ここ数日、クライアントさんからの嬉しい報告が相次いでいます。
私もうれしいっ

ある人は、ご主人とのコミュニケーションがうまくいった報告をしてくれた最後は、
「はるさん、ありがとう」と結ばれていました。

ここで、しばらく考え込んでしまいました。
なんで、私にありがとうなんだろう???
でも、まぁ、ありがとうといわれて悪い気はしないので、
ありがたくいただいておくことにしました(笑)

私は何もしていないのです。
そのクライアントさんに、何らかの変化があっただけなのです。
コーチが偉いんじゃなくって、クライアントさんが成長したのです。
なのに、人から「ありがとう」といっていただける、このお仕事、
やっぱり好きだなぁと思います。

あ、これって、今やっているオリンピックでもいえることなのかも。

じゃあ、私から、あなたに金メダル。

★幸せのおすそわけ[ 3 ] BLUEBERRY JAM

2010年02月24日 |  青い鳥が運んできた90のストーリー
★幸せのおすそわけ[ 3 ] BLUEBERRY JAM

私が以前勤めていた店は、神戸の中心街の駅前にあって、
多い時には一日1000人を超えるお客様に来店していただいていた繁盛店だった。
立地の良さとちょっと凝ったモーニングメニューが人気で、
開店前からお店の前にはお客様の列ができていて、開店と同時に席が埋まっていく。
朝のお客様は、出勤前の方が多いのもあってほとんどが常連のお客様。
「いつもの」という言葉すらなく、「おはようございます」の言葉と共に、
“いつもの”メニューが目の前に置かれる、
そんなお付き合いをさせていただいているお客様が多かった。

壁際の一番はしっこの席が指定席のおばあちゃんもその一人。
ご注文はいつもトーストとジャムとゆで卵がセットになったAセットとコーヒー。
うちのお店では、毎日来店していただくお客様にも飽きがこないようにと、
ジャムはイチゴジャムと、ブルーベリージャムと、マーマレードを用意して、
ランダムに提供していた。

あるとき、そのおばあちゃんがバッグにそっとジャムを入れるのをみて、
「ジャムはお召し上がりにならないんですか?
もし、お嫌いなお味でしたら他の味にお取り換えしましょうか?」と声をかけた。
すると、おばあちゃんは顔をくしゃっとさせて、
「ええねん、違うねん。うちの息子がこのブルーベリージャムが好きでね。
持って帰ってやろうと思って。」

そうだったのか!
それから、他のスタッフにも伝言して、
そのおばあちゃんのモーニングには、毎日ブルーベリージャムをつけるようになった。
新人さんが入ったときなど、知らずに他のジャムがでてしまっていたときには、
こっそりと「お土産♪」とブルーベリージャムをお渡ししたこともあった。

いつもはおひとりでご来店だったのだけれど、
あるとき、お連れ様を連れていらした。
一目見て、息子さんだとわかった。
息子さんといっても、おばあちゃんの息子さん。
年の頃は40代半ばという感じ。
「今日は何になさいますか?」
ふたりでいつものモーニングを召しあがった。
添えてあるジャムは、もちろんブルーベリー。
その日は、おばあちゃんもジャムトースト。
特に声はおかけしなかったけれど、言葉少なに向かい合っていたふたり。
“あの息子さんですね”“そうなのよ”と目で会話をした。
当時の私にとったら“おじさん”といえる年代の息子さんと
ブルーベリージャムの取り合わせが何だか可愛く思えた。

もしかしたら、
息子さんはこの店ではいつも
ブルーベリージャムがセットになっていると思われているかもしれない。
もしかしたら、もしかしたら、
いつもブルーベリージャムを持ち帰ってくるお母さんのことを、
恥ずかしいとか、そんなことしなくていいのに、とか思っていたかもしれない。


時が流れ、私も母になった今、
あのおばあちゃんを思い出すと、
毎日毎日、ささいな日常の合間にも息子さんを思っていらした、
母の愛を感じて、とても心が温かくなる。