【紹介文】
はじまりは小さな町ドゥーリングの女子刑務所だった。受刑者たちが眠りにつき、白い繭に覆われていく。女性だけが眠りに落ち、目覚めなくなるこの奇妙な現象は「オーロラ病」と名付けられ、やがて世界中に発生する。恐怖でパニックに陥る人々。しかし、病を恐れる様子もなく静観する“謎の女”がいた。キング親子が贈る、SFホラー巨編。(白石 朗:訳)
【総合評価】 ☆☆☆★★(満点は☆5つ)
ドラマ性 ☆☆★★★
独創性 ☆☆☆☆★
読み易さ ☆☆☆★★
【西京極の読後感想】
キングの次男で父と同じく小説家のオーウェンとの共作長編。過去の父キング作品同様、設定は面白い。老若関わりなく女性だけが発症する“眠り病”。それによって起こる男社会と女社会の分断。コロナ禍発生前の2017年に発表されたのだからある意味予言の書っぽくもある。読み進めていくといかに男だけの社会が暴力的で不寛容であるかを思い知らされます。(とはいえそれはアメリカ社会の事であって、我が国日本で同じ結果に至るかはかなり怪しいですが…)ラストへの展開は若干盛り上がりに欠け、納得しづらい点もありましたが、父キングのファンなら楽しめると思います。