Return To Zero

写真：ライブ後の記念撮影風景。（天野月子公式ブログより転載）

2008年11月24日、東京・品川ステラボール。
天野月子のライブ、Ｒ.Ｔ.Ｚ.―Return To Zero―へ。

ホラーゲーム「零」のイメージソングで彼女を知り、
その独特のメロディラインと歌声に魅せられて
ベストアルバム「デラックスカタログ」を購入、
俄（にわか）ファンになった。
その彼女が年内でミュージシャン“天野月子”としての活動を休止すると発表。
今回のステラボールがラストライブ。
僕にとっては最初で最後のライブとなる。


写真：雨のステラボール前のアシカ(？オットセイ？）のオブジェ。寒い…

当日の東京は雨。
にもかかわらず開場の１時間前から雨の中入場を待つファンの列。
僕もサンガの応援で入場待ちしているから気持ちは良く分かる。
もう気持ちが抑えられないんだよネ、分かる、分かる。



ライブ会場はオールスタンディング。
ステラボールはライブ会場としては結構広い会場だが満杯。
写真はライブ開始前に二階席から撮影したものだが、
人間の頭で地面が埋まった光景は異様だった。
それが全員一人のミュージシャンの姿と歌を聴く為に集まったのだと思うと
身震いする様な感動を覚える。

開演に当たってのＭＣが流れる。
なんとＭＣは天野月子本人。
「開演中の携帯電話の使用やカメラの撮影は禁止です。
　ケータイの電源はブチ切っちゃってください！
　ライブの思い出は目と心に刻むんだよ♪」
なんて素敵なＭＣ。
こりゃ携帯の電源切らん訳にはいかんでしょう。
他ならぬつっこサンの頼みなんだから。

そしてライブ。
『菩提樹』から始まり、
時に激しくシャウトし、
時に語りかける様に歌い、
会場からの声援にリアクションするＭＣ、
ユルくもアットホームな雰囲気のまま
２回のアンコールを経て、ラスト曲『Jam Tomorrow』へ。
４時間余りの超ロングライブとなって幕を閉じた。

特に感傷的になるでもなく、
淡々と歌う方も聴く方も楽しんだ４時間で
ミュージシャン“天野月子”はステージ袖に消えた。

ライブの途中、活動休止を決めてから書いたという曲『糸電話』でグッときた。
最後にその『糸電話』の歌詞の一部を書いておこうと思う。
今の僕の気分に相応しい気がする…

　その手が その髪が
　わたしを引き止める糸で
　行ってはいけないと 越えてはならぬと
　何度も振り向かせた
　結んだ糸の先で ささやくあなたの言葉は
　光にあふれてた
　濁った景色を 濾過した紙コップ

ありがとう、つっこサン。
さよなら、つっこサン。
でも、きっと戻ってくると信じてるよ、俄ファンだけど。

Return To Zero ―