さくらんひめ東文章

指折って駄句をひねって夜が明けて

市川海老蔵第二回自主公演 ABKAI2014

2014年08月08日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎




秋立ちて空這う雲はおろちかな



昨日、新橋演舞場の夜の部に向かう時の空の雲はまるで八岐大蛇の鱗のように凄かった。






海老蔵丈、自主公演の2回目。


「義経千本桜 河連法眼館の段」と「新作舞踊劇 SOU~創~」


海老蔵丈の「義経千本桜」は2010年に拝見しているが、


個人的には狐忠信は前回の方が良かったように思ってちょっと物足りない気持ちで幕間になったが、


宙乗りの海老蔵丈に観客は充分楽しませてもらっているようで


お囃子と狐に合わせて場内から手拍子がおきた(笑)





「新作舞踊劇 SOU~創~」が実に素晴らしかった。


作・演出も良くできていて、作曲も振付も迫力があった。


そして須佐之男命の海老蔵丈が活き活きとしていて成田屋ならではの荒事も魅せてくれた。


「SOU」を観ながら思ったことは、市川宗家の海老蔵丈の中に、


若き日の猿之助(現猿翁丈)やとにかく観客を楽しませてくれた勘三郎丈と同じ熱情が溢れている。


そして海老蔵丈自身が世界に冠たる日本文化に魅了されていて、


それを広く世間に知らしめる意義と責任感に燃えていることが何より嬉しい。



義経とSOUの山城城主の亀三郎丈が光る。



カーテンコールの八岐大蛇君がカワイイ♪







海老蔵丈と歌舞伎を干菓子で表現した和菓子がなかなか美味である♪



関西・歌舞伎を愛する会 七月大歌舞伎 夜の部

2014年07月05日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎



「身替座禅」


涙を誘う松王丸から夜の部はうって変わって妻をだまして愛人のもとへ行く大名右京の仁左衛門丈


薬玉模様の浅葱色の艶やかな衣裳がこれもまた素晴らしくお似合いなのである!


この右京の演処は、花子のもとへ急ぐ花道の引込みから、酒に酔って帰ってくる二度目の出。


仁左衛門丈の右京はこのところに品格があって、さぞ花子と楽しい時間を過ごしてきたのだろうと


観る者に感じさせる可愛らしい男の色気がある。


翫雀丈の奥方も一途に夫を慕っている妻の可愛らしさがあった。


橋之助丈の太郎冠者も主に翻弄される様が愉快で実に楽しくていい。


千枝・小枝の梅枝丈と児太郎丈がきれい!





「伊賀越道中双六」


藤十郎丈の十兵衛・翫雀丈の平作・扇雀丈のお米


お約束通り客席に降りてこられた時にも、そのような会話があったが、


親子なのに、歌舞伎を知らない人が観たら、藤十郎丈が一番若いと思うだろう(笑)


藤十郎丈の不変の瑞々しさにはいつも脱帽!


翫雀丈の平作が上手い!


前半は、こってりと藤十郎丈ならではの上方和事の十兵衛で平作とのやり取りに笑わされ、


その後、たっぷりと泣かされた。


残念ながら新幹線の時間があるので、二演目残してここで松竹座を後にした。












関西・歌舞伎を愛する会 七月大歌舞伎 昼の部

2014年07月04日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎




仁左衛門丈の松竹座の初日を拝見するため日帰りで大阪へ


夜の部は「身替座禅」までで劇場を出たが、


朝6時半に家を出て帰り着いたのは23時半、17時間の強行軍だ。


正直身体に不安があったが、おかげ様でなんとか無事に帰ってこられて


目的が仁左衛門丈なら身体中の細胞が活性化されるようだ(笑)



元来ウルトラ晴れ女であるが、西に進むにつれ雨になり、地下鉄なんばの駅をでるとどしゃぶりだった。







「寺小屋」


「待ってました!」「松嶋屋!」沢山の大向うから幕開き前に声がかかった。


いろいろな方がなさる松王丸、前の歌舞伎座から6年ぶりということであるが、


私の中の松王丸といえば仁左衛門丈がすぐに浮かぶので、そんなに年月がたっているようには思えなかった。


五十日に病鉢巻・黒綸子雪持松に鷹繍着付の衣裳は仁左衛門丈が一番似合って


しばしばの咳や病み呆けた風情がまたまたセクシーなのである。


そして何と言っても役の人物に関しての深い研究からくる所作など全てに説得力があり迫力がある。


前半、源蔵夫婦・玄蕃に相対する松王丸、相手に気取らせずに


我が子を犠牲にして忠義をたてる松王丸


その胸に秘めた悲しさ・辛さがさすが!である。


そして後半は、犠牲となった我が子への愛・兄弟への愛に溢れている。


時蔵丈の千代も良いが、ベテラン勢の中、菊之助丈の戸浪が健闘、秀太郎丈の園生の前は主である格調が光る。



「天保遊侠録」


橋之助丈と国生丈親子が叔父甥の関係である小吉と庄之助を軽快に演じていて、


とくに橋之助丈が後の勝海舟の父・勝小吉の正義感や哀感を上手く醸し出している。


孝太郎丈は先月に続けて真山青果作の芝居で、堀の芸者八重次を演じていて


小吉への想いと堀の芸者としての意気地がみえ、



ご自身のブログで舞台稽古から替わったという衣裳が良く似合って本当に美しかった。



お祖父さまと共演されておられたころはまだお小さかったのに


国生丈がもうご立派な青年になられているのも嬉しかった。



「女夫狐」


この舞踊は初めて拝見した。


「四の切」が題材のようで、「四の切」と比べてしまえば狂言としての面白味にかけるが、


舞踊としてみると、宮廷の年中行事などを舞ってみせたり、


花道での女夫狐の所作が面白く楽しめる。


翫雀丈・扇雀丈・菊之助丈それぞれに良かった。



平成26年度全国公立文化施設協会主催中央コース松竹大歌舞伎 千穐楽

2014年06月27日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎



公文協主催の猿之助丈と中車丈の襲名披露松竹大歌舞伎も今日で千穐楽。


おめでとうございます。そしてお疲れ様でした。


5月31日から地方都市24会場をまわられるのに、お休みは4日だけ、


1日2回公演もあったようであるから右近丈もお疲れがたまっていたのではないだろうか?


一日も早い御快復を願っております。


でも口上では、秀太郎丈をはじめとして、竹三郎丈も寿猿丈もとてもお元気そうで


松嶋屋・音羽屋・澤瀉屋の深い絆についてお話されていた。






「太閤三番叟」


翁の北政所を笑也丈が厳粛に格調高く舞われ、


千歳の淀の方を本来は笑三郎丈の代役として笑野丈が古風な雰囲気の中にも艶やかに舞われた。


そして三番叟の太閤秀吉の右近丈の代わりに笑三郎丈が


残党たちと立廻りを見せながら舞う所作ダテが素晴らしく気迫に満ちていて見事であった。



今回一番の楽しみだった「一本刀土俵入」


猿之助丈のお蔦と中車丈の茂兵衛の顔合わせであるから、


東京近郊の歌舞伎ファンが沢山つめかけていた。


安孫子屋の前の場がしみじみ良かった。


神谷町からしっかり習ったという猿之助丈のお蔦は、


世を拗ねて酒に溺れてなげやりに生きている酌婦の哀感が漂っていてさすが!


特に後ろ向きで三味線を爪弾きながら小原節を口ずさむところなど七世を彷彿とさせた。


中車丈は博徒になる前のいつの日か横綱になる!ことを夢見る茂兵衛がいい。


大詰 布施の川べりの竹三郎丈の老船頭が絶品!


清大工の寿猿丈とお互い歳をとってもまだまだという感じの味わいのあるやりとりが微笑ましかった。


儀十やその子分たちでは、やはり月之助丈がキラッと光る存在感。





会場は川口リリアメインホール。


川口といえば私たち世代には吉永小百合さんの「キューポラのある町」が浮かぶが、


初めて降りた西口駅前は超高層マンション群が立ち並ぶ近代都市と云う感じであった。



渋谷コクーン歌舞伎 三人吉三

2014年06月20日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎



私の中ではついこの間のように記憶に残っている「東海道四谷怪談」から


コクーン歌舞伎もはや20周年を迎えることにあらためて驚く。


十八世亡き後のコクーン歌舞伎、今回から「第二期コクーン歌舞伎」となったそうであるが、


なるほど、それまでのものと比べると串田色が色濃くなった。





因果応報たまたまのめぐり合わせで悪の道に迷い込んでしまった三人の若者の連帯感や絶望感がより際立って


ラストは「俺たちに明日はない」のような哀感が漂っていた。








七之助丈も松也丈も良かったが、なんといっても勘九郎丈が群を抜いて素晴らしい!


ところどころに歌舞伎???を感じるところがあるが、


ひとたび舞台に勘九郎丈が出られると、きっちり「歌舞伎!」に軌道修正されるような感じがあった。





また笈田ヨシさんの堂守源次坊が絶品であった。



個人的な好みで言わせてもらえば、黙阿弥の名セリフはやはり本来の歌舞伎で聴きたいし、


歌舞伎の悪のヒーローは派手に明るくが良いと思うが、


勘九郎丈・七之助丈・松也丈が実に良く現代の若者のようなリアリティー感で演劇として成功しているので


不必要に観客の笑いを取るような部分を削ってもう少しスッキリさせた方がいいようにも思った。


でも、木挽町の松嶋屋の話題は嬉しかった!(笑)






今回のコクーン歌舞伎はチケットをとったつもりのうっかりミス。


最近認知症ぎみでこういうことが多くなった(笑)


気がついた時には完売で、久しぶりに当日券に並んで拝見した。








明治座五月花形歌舞伎 昼の部

2014年05月16日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎



神保町で文楽の写真展を拝見してからだったので


「邯鄲枕物語 艪清の夢」だけを拝見した。


「釣女」が始まって5分ぐらいであったが、


私は小心者なので幕が開いてからの途中入場がどうしてもできないので


2階のラウンジで和風サンドイッチを頂きながら時間をつぶした。






「邯鄲枕物語 艪清の夢」


両魂病の善右衛門を歌六丈がされておられるのがご馳走♪


清吉のようなキャラクターを演じさせたら染五郎丈は上手い♪


「吉田屋」のパロディもおちょうの壱太郎丈とともにラメの入ったお衣裳で


なかなか良い感じだったので、お二人の本来の「吉田屋」も観てみたい。


鳥追いお七の米吉丈もほんのりと大人の女の色気を感じた。


昼夜様々な役を演じておられる亀鶴丈が実力のあるところをみせて、


とくに盗賊唯九郎が良かった♪





明治座五月花形歌舞伎 夜の部

2014年05月06日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎



昨日染五郎丈の「伊達の十役」を拝見に明治座へ。


ベテラン勢のハラのある重厚な芝居も良いが花形やそれより若い年代の俳優らによる


発展途上でもエネルギー溢れる芝居もやはり歌舞伎の醍醐味♪♪♪





染五郎丈が初日を迎えるにあたって


「すべてを出し切ることが大事。格好悪いくらい、へろへろになるまでやり切るつもりです。」


と語っておられたが、全身全霊!体当たりで取り組んでおられる情熱が伝わってくる舞台であった。





初日から4日目、舞台進行や早替わりの際の出入り・衣裳の着付けなど、


注文をつけたい箇所も若干はあったが、十役のキャラそれぞれメリハリがしっかりとしていて


その中でも政岡と仁木が特に良いので見ごたえがあった。


もちろん早替わりの巧みさも重要ではあるが、イリュージョンを観に行っているのではないのだから


早替わりの妙だけでは歌舞伎とは言えない。


足利家奥殿の場 政岡


秀太郎丈の栄御前・歌六丈の八汐と役者が揃ってこの演目では一番見ごたえがある。


八汐が千松を殺す場面、鶴千代の身替りにと覚悟は出来ていても


その現実に直面し、鶴千代を守ることに精一杯


そして目の前で我が子を殺される母としてはなかば放心状態で立ちつくしている・・・


染五郎丈の政岡にはそんなリアルな母の姿を感じた♪♪♪


そして床下の場 宙乗りの仁木弾正


スッポンから現れて宙に上っていく姿は、妖術使いの神秘性を感じる素晴らしい仁木であった♪♪♪


頼兼・与右衛門・勝元はニン、道哲も明るく軽いテンポが良かった♪


高尾太夫は格があり、累には憂いがあった♪


赤松満祐・荒獅子男之助も時代物の迫力があった♪





黒の角通しに献上の帯の三浦屋女房松代の竹三郎丈がうっとりするほど素敵だった♪


そして新造薄雲の米吉丈がなんとも初々しくて可愛い♪







国立劇場 三月歌舞伎公演

2014年03月25日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎




東京も今日桜の開花宣言がでた。


国立劇場も熊谷桜は満開であったし、ちょうど桜が開花し始めていた。














「菅原伝授手習鑑 車引」 「處女翫浮名横櫛 切られお富」


「車引」は萬太郎丈の梅王丸が真っ赤な筋隈が似合ってなかなか良かった♪


「切られお富」

お富の時蔵丈と与三郎の錦之助丈がきれいでさっぱりと♪

いかにもあばずれ感をかもしだすお富の方が観る方は面白いが、

悪婆というより与三郎という一人の男に命を賭けた女の潔さを感じさせ

私はこういうお富もいいと思った♪

そしてそれにより狐ヶ崎の場がより鮮明に活きてくる。

松の男女蔵丈・幸十郎の秀調丈・お滝の吉弥丈が上手い♪





黙阿弥の芝居帰りに桜咲く


スーパー歌舞伎Ⅱ 空ヲ刻ム者

2014年03月09日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎



先月の日経「私の履歴書」は猿翁丈であったが、

「天翔ける心で舞台に立つ」と、

ヤマトタケルの誕生についてあったが、同じように

この「空ヲ刻ム者」の仏師の語る想いが

そのまま猿之助丈の歌舞伎にかける想いのように拝見した。





今後も再演を重ねるごとに脚本をもう少し練り直した方がいいように思うが

物語のテーマもはっきりとしたメッセージのある内容で、

歌舞伎のケレン味を多用した舞台はしっかりとスーパー歌舞伎であった♪


個人的好みではスーパー歌舞伎は「ヤマトタケル」以外はあまり面白いとおもっていない。

しかし皆の笑う個所にところどころついていけない場面もあったが

仏像好きにとってこの「空ヲ刻ム者」はなかなか面白かった♪♪♪


猿之助丈が歌舞伎界以外からの俳優を起用する目論みもなんとなくわかる気がした。

スーパー歌舞伎Ⅱとして構想から現実に舞台化した猿之助丈はさすがである!!!


澤瀉屋一門皆さんそれぞれがニンにあったお役で猿之助丈を支えていてそちらも良かった♪

そして斎高屋さんがいい味をだしておられた♪♪♪



新春浅草歌舞伎 第二部

2014年01月14日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎



「博奕十王」・「新口村」・「屋敷娘・石橋」


暗天のまま幕が上がってそこは六道の辻、地獄風松羽目も面白い♪

今回一番楽しみにしていた「博奕十王」

そもそもこの舞踊劇を作った猿翁丈が「上演が楽しみ」と筋書にある。

話も面白く、曲も明るくテンポよく、

そして博奕打が閻魔大王らを煙にまいて極楽へむかうのが楽しい♪♪♪

現代風なところもあるのに、狂言が元という歌舞伎舞踊の格を失っていないのが好ましい。

期待通り猿之助丈は素晴らしかった♪♪♪

男女蔵丈もお人好しっぽい閻魔大王が良かった♪





「新口村」

愛之助丈が実に良いので、孫右衛門も二役でやって欲しかった。

吉弥丈のおしげがいい♪





「屋敷娘」もさぞかし可愛いだろうと思いながらも疲れてしまって拝見できなかったのが残念。



新春浅草歌舞伎 第一部

2014年01月10日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎



寒風吹きすさぶ中、浅草へ





「お年玉 年始御挨拶」「源平布引滝 義賢最期」「上州土産百両首」


お年玉は男女蔵丈なので会場全体で「オメチャンコール」をやった(笑)

「義賢最期」はとにかく義賢の愛之助丈が立派♪♪♪

ところどころで仁左衛門丈を彷彿とさせた。

小万の壱太郎丈も九郎助の橘三郎丈も良かった♪





初演は菊吉にあて作ったという翻案物の「上州土産百両首」であるが、

いい世話物の味があり男同士の友情に笑わされながら泣かされる。

正太郎の猿之助丈と牙次郎の巳之助丈、互いの情愛が滲み出ていて息もぴったり♪♪♪

与一の男女蔵丈と三次の亀鶴丈もそれぞれの人物の輪郭がはっきりとして実に良く、

正太郎の悲劇的な終幕への展開を盛り上げている♪♪♪

とくに三次の亀鶴丈が素敵で非情な男にちょっとゾクッとしてしまった(笑)

おそでの梅丸丈がカワイイ♪

宇兵衛の寿猿丈・勘次の門之助丈・女房おせきの吉弥丈がしめる♪





寒中も芝居で心あったまる




国立劇場 初春歌舞伎公演

2014年01月07日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎



今月東京は四座での歌舞伎公演があり、歌舞伎ファンにとっては忙しい月になりそう(笑)





開幕前にロビーでは獅子舞の披露があり頭をかんでもらう♪





「三千両初春駒曳」

江戸初期の大名の話「けいせいはるのとり」を午年にかけて

馬切りや釣天井などの趣向で百五十年ぶりに菊五郎丈監修で復活した狂言。




序幕、高麗国浜辺の場から

高麗国衣裳をまとった皇女役の菊之助丈が綺麗♪

このあと次々と衣裳を替えて大工与四郎と二役の菊之助丈が瑞々しく素晴らしい♪♪♪

勝重と田郎助二役の松緑丈も勝重は時代風に大きく、田郎助は世話にすっきりとこれまた良い♪♪♪

そして馬切りの颯爽たる菊五郎丈♪♪♪

最後はお正月に相応しい大団円

田之助丈をはじめとして彦三郎丈・時蔵丈・権十郎丈・萬次郎丈

亀三郎丈・亀寿丈・梅枝丈・松也丈・右近丈・・・

皆さんそれぞれが良くて大河丈もご立派に務められた♪♪♪




馬駆ける初春芝居大団円





初春花形歌舞伎 通し狂言壽三升景清

2014年01月02日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎



初芝居は新橋演舞場から。

歌舞伎十八番「関羽」「鎌髭」「景清」「解脱」の四作品を通し狂言にアレンジした「壽三升景清」

全く新たな構想による上演ということでとても楽しみにしていた。

「おお~♪」とか「わぁ~♪」とか市川家ならではの荒事と斬新な演出もありなかなか面白かったが

内容はご覧になってのお楽しみにしておきましょう(笑)





左團次丈・芝雀丈をはじめとしてベテラン勢が要所を支えているが

とくに右之助丈の花菱屋女房おさくが素敵だった♪

海老蔵丈も獅童丈も大奮闘♪

花道でのお二人は大きくて実に絵になる♪

通し狂言の企画はお父さまご存命中にすでにあったようであるが、

今日このように上演に至るまでには関係者の方々の尽力もさることながら

やはり海老蔵丈が一番プレシャーを背負いながら頑張られたのだろうと思いながら拝見した。






お正月に相応しい祝祭性溢れる舞台であった♪


海老蔵丈にはこれからも成田屋の伝統を踏まえつついろいろとチャレンジしてもらいたい。





初春や餅を彩る飾り海老

国立劇場 十二月歌舞伎公演

2013年12月26日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎



今日は開演時間を1時間間違えた。

12時開演を11時開演と思ってしまったのでだれもいないはずだ(笑)





国立は今日が千穐楽





「主税と右衛門七」・「秀山十種の内 弥作の鎌腹」・「忠臣蔵形容画合」


歌舞伎座の2ヶ月連続の「仮名手本忠臣蔵」とは別の切り口の「忠臣蔵」で

すべて初めて拝見する演目であったが実に面白く、またつくづく播磨屋一門の力を感じた舞台であった。





吉右衛門丈自ら松貫四として監修された「弥作の鎌腹」の弥作は笑わせながら切なくて

芝雀丈の女房おかよと又五郎丈の弥五郎との息もピッタリ♪♪♪


歌六丈が最後を締めながら前半歌昇丈・米吉丈・隼人丈ら若手の熱演が光る「主税と右衛門七」♪

そして最後に一座総出で大序から七段目までを見せる「忠臣蔵形容画合」♪


歌昇丈が四役の奮闘、中でも右衛門七が良く、米吉丈のお美津・おかるの可愛らしく綺麗なこと♪

鷹之資丈の力弥もご立派に務められていて皆さんの成長ぶりが一番嬉しかった♪♪♪


七段目の最後、由良之助で登場の吉右衛門丈♪♪♪


「大播磨!」


ご自身も体調を崩されていた時期もあった吉右衛門丈

本当にお疲れ様でした。お正月の歌舞伎座の「忠臣蔵」も楽しみにしております♪




年の暮れ芝居納めは大播磨




吉例顔見世興行東西合同大歌舞伎 昼の部

2013年12月12日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎



厳島招檜扇 日招ぎの清盛

道行旅路の嫁入

ぢいさんばあさん

二人椀久

義経千本桜 川連法眼館の場


我當丈の清盛も名題昇進の千次郎丈も拝見したかったが、夜の部の疲れもあり、

朝、下鴨神社へもお参りに行ったので昼の部は「ぢいさんばあさん」からの拝見となった。




二回目の休憩を見計らって南座へ行くと、この日は「祇園東」の総見で

休憩のため艶やかな芸舞妓さんたちが揃って外に出てこられた。

顔見世の観劇も総見の日にあたるとなんとなく得した気分になる♪




「ぢいさんばあさん」の初演は昭和26年、東京歌舞伎座で伊織は初世猿翁とるんは三世時蔵

大阪歌舞伎座では十三世仁左衛門の伊織と二世鴈治郎のるんということで、

初世猿翁の曾孫にあたる中車丈と二世鴈治郎の孫にあたる扇雀丈との顔合わせ。

ばあさんになった扇雀丈も奥女中を勤めあげた品格があり、中車丈もぢいさんになってからが良かった♪





番付の表紙は御年99歳になられた郷倉和子さんの「春韻」

穏やかな鴛鴦が描かれていて今月の演目にも相応しい。

男女の恋愛を想う時、「ぢいさんばあさん」は愛で「二人椀久」は恋だろうか?

お茶の口切り~♪

椀屋久兵衛の愛之助丈と松山大夫の孝太郎丈が廓の風情を華やかに舞ってみせてくれる♪





そしてやはり一番楽しみな猿之助丈の四の切♪





宙乗りの迫力が堪能できる三階席をゲットできラッキー♪

猿翁丈も素晴らしかったが、猿之助丈もそれに劣らぬというか?

もはやそれをも超えるかという四の切!!!

忠信と狐忠信との演じ分けも絶妙で、この日はとってもとっても可愛い狐だった♪♪♪