さくらんひめ東文章

指折って駄句をひねって夜が明けて

開館30周年記念・東京富士美術館 江戸絵画の真髄

2014年05月31日 | アート 伊藤若冲♪♪♪




第Ⅰ章 開花の時-江戸前期 狩野派、琳派の躍動


第Ⅱ章 革新の時-江戸中期 奇想派、文人画家の台頭


第Ⅲ章 爛熟の時-江戸後期 各派の多彩な継承者たち


若冲さんのおはつの「象図」を拝見に東京富士美術館へ


若冲さんは象さんを真正面から描いた作品が多いが、


こちらの象さんが一番力がぬけ、自由に遊んでいる感があった。



江戸前期では


狩野派の「鳳凰図屏風」が個性的でインパクトのある作品で


伝狩野山雪の「雪禽図屏風」が素敵だった。


宗雪印(喜多川相説?)の草花押絵貼屏風も雰囲気がある佇まい。


中期では


蕭白の作品が沢山あって、「山水図」「南泉斬猫図」などが実にいい。


応挙の「海棠金鶏図」蘆雪の「花鳥図」が美しい。


後期は


其一の「萩月図襖」・文晁の「芦月図」


小田海僊の「梅花双禽図」・山本梅逸の「四季花鳥図」が心に残った。













ヤン・リーピン 孔雀

2014年05月30日 | 劇♪場♪



中国の至宝と謳われるヤン・リーピン


その類まれなる美しさと幻想的な身体表現で圧倒する「孔雀」を拝見した。


6歳のころから雲南省の民俗舞踊の「孔雀の舞い」を踊っておられて


孔雀も沢山いてよく見ていたとあるように、


本当に「孔雀の精霊」なのではないかと思うほど美しかった。


舞踊も音楽も舞台美術も衣裳もすべてが見事に調和していて


春夏秋冬がまるで夢の中のような色彩で表現されていた。





ヤン・リーピンの姪である15歳の少女(ツァイー・チー)が


「時間」を表現して幕開けから休憩時間もやすみなくまわり続けているのにも驚かされた。


季節の移り変わり、生と死、命あるもの全てに平等な「時」というものを


あらためて考えさせてくれた。



とにかく最高に素晴らしい舞台であった。








こども展  名画にみるこどもと画家の絆

2014年05月29日 | アート♪



序章:


第1章:家族


第2章:模範的な子どもたち


第3章:印象派


第4章:ポスト印象派とナビ派


第5章:フォーヴィスムとキュビスム


第6章:20世紀のレアリスト


モネもルノアールもセザンヌの子どもたちも可愛かったが、


私はやはりドニの描いた子どもたちが好きだ。


「海辺の更衣室」「サクランボを持つノエルの肖像」「ボクシング」


「トランペットを吹くアコ」「リザール号に乗ったドミニク」


楽しそうな子どもたちの笑顔にこちらまで幸せな気分になる。


ポスターにもなっているルソーの「人形を抱く子ども」は独特の存在感を放ち


ピカソの子どもたちのための作品群も愛情あふれるものであった。


ダヴィード・エンダディアンの「ヤシャール=アザールの肖像」も心に残った。



ニューヨーク・アニバーサリーライブ ポール・マッカートニー

2014年05月27日 | 映画♪




ニューヨーク生誕350周年を記念してニューヨークで行われた伝説のライヴを上映するという企画


第一弾はポール・マッカートニー


メッツの本拠地シティ・フィールドで行われた2009年のライヴ映像


老朽化したシェイ・スタジアムの隣に新しくできたスタジアムのまさに杮落公演。


1965年にザ・ビートルズとしてシェイ・スタジアムにたったその映像から始まる。


約3時間、アンコールまで全然休みをとらなかった


パワフルでチャーミングなポールが最高に素敵だった!!!


昨日日本を発ったらしいポール、韓国公演も中止になって


体調は改善されたのか?とても心配である。


一日も早く良くなって元気な姿でまた日本に戻ってきて欲しいと願うばかり。







国立文楽劇場開場三十周年記念 七世竹本住大夫引退公演 文楽五月公演

2014年05月26日 | 劇♪場♪



住大夫さんの引退公演千穐楽を拝見した。






演じるみなさんも拝見する観客もこれほど想いのこもった公演はおそらく今後しばらくないであろうと思った。


そしてその場に居合わせることができた幸運にただただ感謝するばかり。





いろいろと胸に迫るものがおありだったろうが、いつものように情感豊かに様々な人物を語り分けた住大夫さん。


松羽目物の舞台上でのご挨拶では、厳しく指導してくださった先輩の方々や


急な引退を快く受け入れてくれた文楽協会、そして文楽を愛するファンに感謝の言葉をのべられた。


二ヶ月にわたる引退公演を終えた達成感・充実感もおありだったろうが、


やはりただひとすじに歩んでこられた文楽の舞台から去られる寂しさや悔しさも大きかったのではないだろうか。


蓑助さんからの花束の贈呈があり、ご苦労の多い時代をすごされたお二人が手をとりあっておられるのに涙が溢れてとまらなかった。


戦後の混乱の中、分裂していた文楽が財団法人文楽協会として出発した際には


大阪府も大阪市もかけがえのない文化財を守っていく責務を認識していたはずであるのに


わずか50年ちょっとでとんでもない事態におちいってしまった。


こんな事さえなければ、私たちは住大夫さんの舞台をまだまだ拝見出来ていたはずなのに・・・


そんなことまでが頭によぎってしまったが、


「文楽」、「太夫」というものはかくあるべきとその芸の道を通して


私たちにその真髄を明かしてくださった住大夫さんに敬意と深い感謝の念を捧げたい。






今後も健康にご留意されつつ後進の指導に益々ご活躍されることを願ってやみません。

十二世市川團十郎一年祭 團菊祭五月大歌舞伎 夜の部

2014年05月23日 | いざ銀座歌舞伎座



昼の部の「勧進帳」とともに、夜の部の「極付 幡随長兵衛」の海老蔵丈が素晴らしく


十二世の一年祭に相応しく将来の團十郎としての覚悟がみてとれる舞台だった。





「矢の根」


松緑丈が曽我五郎を祝祭性豊かにおおらかにみせてくれて、田之助丈の十郎がさすが!


「極付 幡随長兵衛」


海老蔵丈はナイフの鋭さを感じるような凄味のある長兵衛で、


一人で水野邸に乗りこんでいくのも納得のスケールの大きさがあった。


そして妻子を思う情にも厚いところもしっかりみせ、


とくに長松を抱えて別れるところは情感豊かに泣かせてくれた。


時蔵丈のお時と男女蔵丈の出尻清兵衛が上手い。


亀三郎丈の極楽十三ら子分たちを次世代を担う若手が揃って居並ぶのも嬉しい。


菊五郎丈の水野・彦三郎丈の近藤が絶妙な加減で海老蔵丈を支えている。



「春興鏡獅子」


菊之助襲名の時は、とにかく愛らしかった弥生が、観る度にしとりとした風情がより増してきて


お祖父さまと重なるようなところもあった。


獅子になってからは、勇壮というより、この人の獅子は霊獣という神格性がある。


最後まで綺麗に円を描くような素晴らしい毛ぶり、幕が下りる直前の安定感のあるバランス  




若い人たちの目覚ましい成長を感じることのできたいい團菊祭であった。







楝と卯の花

2014年05月22日 | 植物



今日散歩の途中に植物園によると栴檀の花がだいぶ散っていた。


比較的原形をとどめている花を拾い集めてみた。





センダン科の落葉高木


高木なのでミニ双眼鏡で観るとまだ枝には花が残っていて、そして万葉集の歌が。





妹が見し楝の花は散りぬべしわが泣く涙いまだ干なくに  (山上憶良)


大好きな「夏は来ぬ」の歌詞にもある

この楝は栴檀のことだそうだ。


楝ちる 川べの宿の
門遠く 水鶏声して
夕月すずしき 夏は来ぬ~♪


五月やみ 蛍飛びかい
水鶏鳴き 卯の花咲きて
早苗植えわたす 夏は来ぬ~♪













卯の花 ウツギ


アジサイ科の落葉低木


センダンとウツギで思い出すのは2008年だったか住吉大社に詣でたおり、


ちょうど駅前の公園のセンダンが満開で、住吉大社の卯の花苑にある色とりどりのウツギがとても美しかった♪♪♪


昨日は小満 蛍もとびかう時期となり、もう季節は夏に入っていることに今さら納得している今日この頃。




十七代市村羽左門聞書 歌舞伎の小道具と演技

2014年05月21日 | 歌舞伎関連の本



雨の一日、行きたい美術館が5館ほどあるが、


足元も悪いし体力温存のため、本を読んで過ごした。



今年の歌舞伎手帖の特集も「歌舞伎の小道具」


歌舞伎で使用される小道具は江戸時代から使われていた道具が中心で


様々なものがあるが、特に由緒ある刀剣や印籠など貴重なものも沢山ある。



それらを扱う俳優としての心得とともに様々な小道具を沢山の写真とともに紹介し


十七世御自身の経験談や思い出話も語られていて大変面白く拝読した。




豆大福

2014年05月19日 | 今日のおやつ♪



神田のお土産は豆大福


100年以上続く老舗のこちらの豆大福は


通常使用する赤えんどうではなく、厳選した大豆を使用して


もち米も餡もこだわっててすべて手作業なので


9月から5月までしか販売していないとあった。





餡もあますぎず餅の食感と豆の味わいがじつに良く調和していて美味であった♪♪♪


渡邉肇人形浄瑠璃写真展 第一回文楽至宝尽の段

2014年05月19日 | アート♪



御茶ノ水から神田川に沿ってあるとちのき通りは学生時代によく歩いた道で青春時代の思い出が沢山ある。


その神田駿河台で開催中の渡邉肇氏の写真展を先週拝見した。





B1に行く階段をおりていくと入り口は文楽の方々から贈られたお花がいっぱい飾られていた。





作品は全部で30点、そして中央の壁面に住大夫さんがカメラにむかって浄瑠璃をかたっておられる表情が


モニターで上映されていた。


第一回文楽至宝尽の段は、5年間かけて撮りためた写真5万枚の中から


人間国宝の方々を中心にして選りすぐったものだそうだ。


幕開け前や舞台裏・稽古風景などからは、私たちが見ることができないドラマがあり、


そのひとつひとつの作品から、文楽技芸員の方々の「文楽」に人生をささげた


誇りと魂がひしひしと伝わってくる。


何十年と修業を積んでこそ成り立つ太夫・三味線・人形遣いの


この三位一体の舞台芸術の崇高さは他の古典芸能の中でも


群を抜いて秀でていて、その理由がこの作品たちをみれば自ずと納得できる迫力があった。


この写真展を是非関西の人々にも観てもらいたい!!!


そして、「文楽」というものが日本人にとってかけがえのないものであり


それを生んだ大阪を誇りに思ってあらためて真剣に見つめなおしてもらいたい。







ちょうど「和楽6月号」にも写真が紹介されている。





無理をしないでしっかりと治してください。

2014年05月18日 | 日記




根津美術館から帰宅したら、今日の公演も中止になったというニュースが流れていた。


明日の振替公演も中止とのこと。


振替公演を検討中だが目途はたっていないらしい。


庶民には武道館公演までは手が届かなかったので、とても残念であるが、


ポールの来日を心待ちにしていた日本のファンに申し訳ないと病状が改善されない中で、


おそらくプロとしてポールが一番心をいためているのではないだろうか?


どうぞ無理をしないでしっかりお身体治してください。


ファンはいつまでもいつまでも待っていますから♪

燕子花図と藤花図 光琳、応挙 美を競う

2014年05月18日 | アート♪



本日最終日、


お庭の杜若は見ごろがすぎていたが、国宝の燕子花は、金地屏風を埋め尽くすように咲き誇っていた。


となりに並ぶ応挙の「藤花図屏風」は金地に空間を広くとって、


藤棚に這うような幹や枝を力強く描き、あまり多くない花房がそれゆえに美しく存在感を放っていた。






もちろん、光琳・応挙が目的であったが、それよりも面白かったのが伊年印の仕事


70種類近くの草花を描いた「四季草花図屏風」


ケシの花が宙にうかんでいるような「草花図屏風」そしてこのバージョンアップ版のような「夏秋草図屏風」


今回宗達工房を宗雪から継承された画家といわれている


喜多川相説という人物を知った。


光琳の登場を考える上でも重要な人らしい。


この人の「四季草花図屏風」墨を多用した情感溢れる作品だった。


また鶴沢探鯨の「秋草図屏風」も伊年印草花図を意識した作品らしいが


この人は探幽の弟子で、この探鯨の孫弟子が円山応挙であるそうだ。





その他、応挙に始まる円山四条派の作品もあって


犬の親子を描いた蘆雪の「犬図」


森祖仙の龍が面白い「龍・鹿図」


そして松村景文の「寒月鴨図」などが印象に残った。







茫然自失

2014年05月17日 | 音♪楽♪




家族三人で北参道にあるイタリアンで遅めのランチをすませ歩いて千駄ヶ谷駅前についたのが3時半過ぎ







それから延々と続くグッズ売り場への列に並んで売店の前までたどり着いたのが4時すぎ







一番欲しかったコスメポーチはすでに売り切れだったがTシャツやキャップなどゲットしてそろそろ席に向おうと。


今回は野外だから天候がとても心配だったが、空も晴れていてもう4時20分現在、気分は最高潮♪♪♪  



と、ところが・・・・


私の後ろでスタッフにつめよっているご婦人がいた。


「まだよくわからないので・・・ホームページで確認して頂くのが・・・」とか



それから間もなく「今日の公演は中止になりました」というのがはっきりと聞こえてきた・・・



一瞬固まって


そして茫然自失・・・ 4時31分






グッズ売り場から見下ろすと、下ではハンドスピーカーで公演中止の取り扱いについてアナウンスしている人がいるようなので



とりあえず下の入場口まで行ってみることにした。



振替公演は19日月曜日17時30分とのこと。



主人と娘は仕事で行かれないと。



私も国立に一人で行く自信はないし、どうしよう・・・



でもやっぱりボールに会いたいし、どうしよう・・・








どうしよう・・・











明治座五月花形歌舞伎 昼の部

2014年05月16日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎



神保町で文楽の写真展を拝見してからだったので


「邯鄲枕物語 艪清の夢」だけを拝見した。


「釣女」が始まって5分ぐらいであったが、


私は小心者なので幕が開いてからの途中入場がどうしてもできないので


2階のラウンジで和風サンドイッチを頂きながら時間をつぶした。






「邯鄲枕物語 艪清の夢」


両魂病の善右衛門を歌六丈がされておられるのがご馳走♪


清吉のようなキャラクターを演じさせたら染五郎丈は上手い♪


「吉田屋」のパロディもおちょうの壱太郎丈とともにラメの入ったお衣裳で


なかなか良い感じだったので、お二人の本来の「吉田屋」も観てみたい。


鳥追いお七の米吉丈もほんのりと大人の女の色気を感じた。


昼夜様々な役を演じておられる亀鶴丈が実力のあるところをみせて、


とくに盗賊唯九郎が良かった♪