ここ最近、VIDEOレッスンも滞ってましたが、今はたっぷり時間が有るので、お届けしたいと思います。今回はAltissimo=フラジオレット(以下フラジオ)について。
僕がサックスを始めた高校生の頃(80年代初頭)はフュージョン全盛で、盛り上がったところでは、必ずフラジオでロングトーンってのがお決まりで、僕もその影響でフィンガリングを覚えたものです。その頃のフラジオの吹き方と言えば、アタックを付けて割と叫ぶような感じで吹いてました。
しかし、バークリー音大に入学して、ジョージ・ガゾーンのレッスンを受け始めると、「そんなにアタック付けちゃダメだ。もっとソフトに吹くんだ。」と教えられました。しかし、ブレッカーは割とアタック付けてハードに吹いてるし、そっちの方がカッコいいじゃん!と思ってて、あまり言うことを聞きませんでした。(笑)
NYに越して、演奏活動を始めると、ジャムセッションで会うテナー奏者は皆、ガゾーンの言うようなソフトな感じでフラジオを吹いている。「あれ?ブレッカーの本拠地なのに…」と不思議に思いました。当時はまだマーク・ターナーが売れっ子になる前でした。しかし、その後、マークを中心にフラジオをソフトに、しかも普通の音域としてフレージングの中で流れる様に使うプレイヤーが増え、それが今メイン・ストリームになりつつあるなと感じ、自分もフラジオに対する考え方を変えなきゃと思い始めました。
クリス・ポッターが好きになり、彼の演奏を沢山聴いているうちに、「あ、この人は、なんでも1オクターブ上で練習してるな…」と気が付きました。更にその後、クールジャズにハマると、あのぎこちなく演奏しているウォーン・マーシュが、スタンダードなど全部1オクターブ上で吹いている…ってことに気が付いたのです。彼の「クール」なサウンド…に対する答えが恐らくこのやり方だったのでしょう。
さて、普通の音域として演奏する…ってどういうことか?と考えると、クラリネットやフルートみたいに吹くしかないと理解しました。クラやフルートには「フラジオ」という概念が有りません。ということはスケール練習からスムースに出来なければなりません。
という事でこのビデオを作りました。
あくまでロング・トーンで安定した音が出せる様に練習し、クロマティック・スケールも吹ける様になってから…の練習内容です。
Artissimo (フラジオ) の練習
ビデオではメジャー・スケールのみですが、マイナーやビバップ・スケール、ディミニッシュ・スケールなどの練習もしています。兎に角、高音域がよく音が立つフルートの様に、普通にメロディーが吹ける様になる事を目指すのが、これらの練習です。最初は唇がメチャ痛くなったりしますが、痛くならない様なアンブッシュアなど工夫を重ねるうちに滑らかに通常音域とフラジオの行き来ができる様になるでしょう。
コツは息を支えるポイントをかなり高くする事。ウラ声の要領です。上級者にはこういったレッスンもしています。
hpも是非ご覧ください。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます