Saxophonist 宮地スグル公式ブログ

最大の趣味+職業の音楽について熱く語ります。その他にライブのお知らせ、趣味の旅行&温泉巡りも。登録宜しくお願いします。

音が半音低く感じる病!

2011年07月12日 01時22分27秒 | 健康
僕の持病に「頬部膿胞」ってのが有る。蓄膿症(慢性副鼻腔炎)の手術の後に発症しやすいのだが、頬の内側にある頭蓋骨内の空洞に袋が出来てしまい、疲れ等で膿がその袋に溜まって顔が腫れ上がるという病気だ。

顔(特に歯茎)の充血は辛いのだけど、更に辛いのは、頬の皮下を走る「三叉神経」をその膿胞が刺激して、激痛を伴う事である。どれほどの激痛かというと、虫歯が一気に10本くらい同時に痛みながら、ドリルで顔に穴を開けられてる感じ・・かな。酷い時は目が飛び出る様な痛みも感じる。思考力は低下し、「いっそ、死んだらこの痛みから解放されて楽になるんだろうな・・。」という考えしか浮かばない。

さて、症状の話はこのくらいにしておこう。実は6年ほど前にも同じ病気をしており、大学病院で手術をしている。前回は左頬で、今回は右頬だ。まずは、近くの開業医に診察してもらうのだが、練馬にすごく腕の良い先生が居られて、今回も診て頂いた。最初の診察では、緩めの薬を処方してもらったのだが、痛みが取れず、その後も1週間、七転八倒の苦しみを味わう事になった。それを、次の週に訴えると、今度はかなりキツめの薬を処方して頂いた。胃薬も含めてなんと8種類!!すっかりお爺ちゃんである。(笑)

特に「テグレトール」という薬は三叉神経に直接効く薬らしく、細かい説明が先生から直接あった。どうやら、鬱病に効く薬らしく、人によっては眩暈やろれつが回らないなどの副作用があるとの事。用量を少なめにしてれば大丈夫らしい。兎に角、三叉神経の痛みが並大抵ではないので、それが和らぐのなら助かる。

その日はライブが有ったのだが、特に問題は無く、久しぶりに「痛みを伴わない演奏」が出来て楽しかった。次の日は、午後の自宅レッスンと所沢ヤマハでのサックスフェアーの仕事が有ったのだけど、その前に朝から病院で点滴(恐らく腫れを抑えるもの)を打つことになっていた。

予約の時間に診察室に入り、ベッドに腰掛けて右腕に点滴を打つ。いつも通り。でも、なんだか針の辺りが妙に痛い。「看護士さん、ちゃんと刺してくれたのかなぁ・・」と少し不安に。そしたら、目の前が急に真っ白に・・。



「宮地さん、宮地さん!」誰かの呼ぶ声が・・。



「あれ?また、俺、飲み会で寝ちゃったのかな?」と思った。記憶が飛んでいるのだ。「あ、はい。大丈夫、大丈夫。」目を開けると、先生と看護士さん。あ、そうか、点滴中に気絶してベッドから転げ落ちたのかぁ。「頭、強く打ったかもしれないなぁ。」と先生の声。ゲ、まぢ?相当デカイ音でデカイ僕が崩れ落ちたのだろう。ま、その後は、ベッドに寝て点滴を打ったので問題は無かった。

問題はそのあと。所沢でサックスを吹いてる時に違和感が。「なんだか今日、サックスのチューニング低いなぁ。」 まぁ、今日は伴奏者が居らず、一人で延々とサックス吹いてればよいのでチューニングとか要らないんだけど、何だかおかしい。冬の寒い時に楽器が冷えてチューニングが合わない時の感覚、いや、それより更に低い感じがする。「気のせいだろう。」と、その日は気持悪いと思いつつ、夜まで散々吹きまくって家路につく。

次の日、小手指にてレッスン。お気に入りの音楽を聴きながらの出勤。あれ??絶対おかしい。プレーヤーの回転数が下がってるのかも。そう思って、スピードを上げてみる。でもテンポが上がっただけで、ピッチは変わらない。(そういう風に出来ている。苦笑) 教室に着いて、思いつくスタンダードをピアノで弾いてみる。完全に、頭に鳴っている音より弾いてる音の方が半音低い!これはマズイぞ。レッスンが終わって、慌てて帰って、また楽器(テナー)を吹いてみる。指は合ってるのに、頭に鳴る音と一致しない。

きっと、頭を強打した時に、ネジが一本飛んだに違いない。まぁ、でも、相対音感の練習になるじゃないか・・と、前向きに練習を始める。完全に固定ドで絶対音感だったら最初の時点で気持ち悪くて、「音楽辞めよう!」と凹むところだが、超適当音感の僕はそうはならない。しかし、やはり、身体は「この指でこの音が鳴らなきゃ嫌だ!」と悲鳴を上げている。こんな僕にも、「そこそこ音感」は有ったのだなぁ・・と感心。(笑)

仕方ないので、「半音低く聴こえる」でネット検索した所、出るわ出るわ。その中に、先生が処方の時に注意勧告してた「テグレトール」も有ったのだ。薬の副作用だったんだ・・。顔の腫れもだいぶ治まり、三叉神経痛も今は無いので、とりあえず、この薬は止めよう。

薬を止めて1日。まだ、若干低く感じる事が有るけれど、随分マシになった。とても不思議な感覚だった。「Aの音程はこれだ!」と感じるのも実は相対的なのかもしれない。その相対性を「共感覚」で無理やり一致させてるのが合奏かもしれない。「あの娘、超カワイイよね!」という共感覚だって、脳の中で認識している顔形なんて同一とは限らない。視覚だって人によって相対的なのに、「共感覚」によって「このパターンはカワイイ」と認識しているはずだ。とんでもないパラドクスだけど、人間に「絶対は無い」と教えられたような気がする。だって、脳で「Abだ!」と認識している音が、急に、世の中的にはAになってるんだもん。(笑) 昨日までは、それが一致してたのに!

でも、自分で「この音を使ったら盛り上がる。」とか「この音のこのピッチが好きなんだよな。」ってのが結構有って、相対音感的な、そのKeyの「ドレミ」の音程が合ってれば気持ち良い(純正律ってことか?)というのとは違う世界も、僕の中にいまだに存在している事も今回明らかになった。半音下がる事によって、その音は決して気持ちの良い音ではなくなり、それが使えないなら、いつも通りの演奏なんて出来やしないのだ。楽器の特色や鳴りを無視して淡々と演奏するしかない。それが気持ち良い音楽とは思えない。

結論として、「絶対音感」も「相対音感」も、どっちかが「絶対良い」ってわけではない。人間は、その場その場の感覚で、素早く取捨選択して、気持ち良さを感じ分けてる様な気がする。とにかく、なんか、ドえらい世界を見せてもらったけど、こんな俺にどうすればよいのかなんて分からない。自分の音楽がつまらなく感じたような、面白く感じたような・・フクザツな思いだ。NHKの収録も近いのに、すんなり行きたいとこなんだけどね。(笑)


そんな僕のリーダーバンドのライブが今日、8:30PMより、池袋インディペンデンスで有ります!!チャージは2,630円。メンバーは、柳隼一(p)、岸徹至(b)、橋本学(ds)です。NHK「セッション2011」直前ライブです。スタンダード&オリジナル、飛び道具の楽器も出ます!体調悪くて、半音低く感じたら、演奏もいつもと変わります!お楽しみに!!

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ご心配おかけしてますが、連... | トップ | 暑いから外に行く。 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
具合はどうですか? (ひろこ)
2011-07-12 04:47:05
スグルさま

いやはや壮絶な状況で心配しております。
身体の痛みは本当に辛いですね

まずは健康から。
健全な肉体に健全な精神が宿る、と故事にもあります。

スグルさんの才能を最大限活かせる身体を目指してください
ライヴもまた伺わせてもらいますp(^^)q
返信する
ありがとうございます。 (SGURU)
2011-07-12 12:37:20
僕は普通に良い人間として日々生活を続けてるつもりなのですが、改名しようと思うほど、こんなにトラブルが発生するんです。考えたら、結局、改名効果は無かったですね。(笑)

まぁ、トラブルが有る度に、色々考える事もあり、こうしてブログに書くわけですが、神様はそういうのを面白がって試練を与えてる様な気がしてきました。神様業界では「平成のリアクション・キング」と呼ばれてたりして。w
返信する

コメントを投稿