
リッサニの町で自由なガイド(笑)のザイードさん(何故か手にはお土産満載)を降ろした後、いよいよ砂漠の町メルズーガに向けて出発。本来、英語ガイドとしてこのツアーに来ているイッシュさん、何故かドライバーガイドのザイードさんが運転したがら無いためハンドルを握る事が多い。そして今、日没が迫る砂漠を猛スピードで運転している。日没までに僕をラクダに乗せなきゃいけないのだ。砂漠に出来ている轍を完全に無視し、こちらの方が良い道だとオフロード走行するあたり、流石地元のドライバーである。パリダカを少し体験できた。
何とか日没前にメルズーガの小さなホテル前で僕の事をラクダ引きに引き継いで、「明日ここに迎えに来るね。ここのホテルのシャワー使えるようにしてるから。」と言い残しイッシュさんは車で立ち去った。非常に愛らしいラクダが静かに待っている。ここからキャンプ地まで1時間半のラクダ・ライドである。
何故かラクダ引きのベルベル人達は日本語で指示を出す。「ここ持って」とラクダの鞍の前方に付いた鉄製の手摺を指差す。言われた通りにしていたのだけど、ポーチのデジカメを取り出そうとした瞬間ラクダが立ち上がり、手摺を離していた僕は落っこちそうになる。「シッカリモッテェ!」と優しい語彙の彼らの顔は明らかに「ちゃんと持っとかんかい言うたやろうが、このボケェ!!」という険しい表情だった。(笑)
ラクダは非常におとなしくラクダ引きのオジサンの引かれるがまま進んでいく。足は足袋の様になっていて、しっかりと砂を踏みしめている。ビデオには納めたのだが日没後は月明かりのみとなり、まさに「月の砂漠」を体験した。自分達の影が映るほどの月明かり、都会では経験できない。経験豊かなラクダ引きのベルベル人に運命を預け1時間半、道なき道を行く。少し風が吹いてきた。心配はコンタクトに砂が入らないかなんだけど・・。寒さは持参したジャージでなんとか耐えられる。
そして1時間半ぴったり(ここでもパンクチュアルなモロッコ。笑)、かすかに音が聞こえてくる。砂漠の山に照明の明かりが反射している。どうやらキャンプ地に着いたようだ。非常に大きなキャンプ地でテントが無数に張ってある。太鼓の音が鳴り響き旅行者達を歓迎している。ラクダから降りると暫らく待たされ、「ニッポンジン、こっち!」と呼ばれ僕専用のテントに案内される。中にはちゃんと布団がセットされており、寒さには耐えられそうだ。荷物を置いて食事用の大テントに向う。

今日の晩メシは茄子のタジン。期待してなかったのに美味かった。照明は暗く怪しくアラビアン・ナイトそのものだ。食事が終わると、違うベルベル人に明日朝6時に来るように言われる。明日は裏山に登って朝日を拝む。
食事後、大テントでは先程まで食事をサーブしたり案内していたベルベル人達が太鼓を持ち出し民俗音楽を披露していた。すごくアグレッシブで複雑なリズム(3拍子と4拍子のポリリズムが聞こえる)がメインでパワフルでありながら心地良い。ベロ酔いのスペイン人の団体客が腰をくねくねさせながら踊り狂っている。途中、スペイン人達が歌いだした自分達の国の歌にベルベル人がリズムを合わせるという余興も有り楽しめた。
実は自分のテントに戻ってからが地獄だった。布団を敷こうとしたらテント内の砂を巻き上げてしまい、それがコンタクトに入った。砂埃ではなく砂そのもの。目に激痛が走り呻き声を一人上げ、涙を大量に流す。テント内の照明はロウソクしかない。それを頼りに目からコンタクトを苦労して取り出す。まぁ、砂漠にコンタクトなんて有りえないのだけど、メガネだとよく景色が見えないほど視力が無いので欲を掻いてしまった。失敗。
朝が早いので0時前には就寝。布団に入って寝ているとなんだか顔が痛い。何かに叩かれてるような。目を覚ますと、砂が顔に飛んできている。しかも身体中が砂まみれである。ビックリして飛び起きると、テントの入り口の砂避けの毛布が飛ばされてそこから砂が入って来る。外は砂嵐だ。外に出て、飛ばされた毛布をテント入り口にかけ直し固定する。これでやっと眠れる・・。近くの大テントからはベルベル人の太鼓とスペイン人の歓声が聞こえる。1時かぁ。早く寝よう。
しばらくして、また顔が痛い。飛び起きると、先程の毛布がまた飛ばされ先程より大量の砂が吹き込んでくる。砂嵐が強くなっている。また、外に出て先程の作業を繰り返す。ジャージは砂だらけだ。大テントでは音楽と歓声が更にヒートアップしている。あぁ、もう2時だよ。
そしてまた暫らくして、顔が痛い。「またかよ!」キレまくりながら外に出る。もう、毛布の砂避けなぞには頼らん!コンタクトを外し無敵になった僕は、布団の位置を修正し、砂が大量に吹き込むテントの中で顔にだけ砂がかからないようにして寝る覚悟を決めた。外の大テントからは相変わらずベルベルの太鼓とスペイン人の陽気な騒ぎ声が聞こえる。もう4時前だ。アイツ等は何なんだ。。
そして、少し寝坊をしたが朝が来た。砂嵐は消え、テントを飛び出し山を駆け上がる。体力の限界と日の出の時間が来たので山の中腹で断念。

そして、冒頭の写真のご来光を拝み、辺りは美しい景色へと姿を変える。

コンタクトが痛いとか、砂避けの毛布が飛んだとかは小さな出来事に過ぎない。この景色の前ではね。(笑)
何とか日没前にメルズーガの小さなホテル前で僕の事をラクダ引きに引き継いで、「明日ここに迎えに来るね。ここのホテルのシャワー使えるようにしてるから。」と言い残しイッシュさんは車で立ち去った。非常に愛らしいラクダが静かに待っている。ここからキャンプ地まで1時間半のラクダ・ライドである。
何故かラクダ引きのベルベル人達は日本語で指示を出す。「ここ持って」とラクダの鞍の前方に付いた鉄製の手摺を指差す。言われた通りにしていたのだけど、ポーチのデジカメを取り出そうとした瞬間ラクダが立ち上がり、手摺を離していた僕は落っこちそうになる。「シッカリモッテェ!」と優しい語彙の彼らの顔は明らかに「ちゃんと持っとかんかい言うたやろうが、このボケェ!!」という険しい表情だった。(笑)
ラクダは非常におとなしくラクダ引きのオジサンの引かれるがまま進んでいく。足は足袋の様になっていて、しっかりと砂を踏みしめている。ビデオには納めたのだが日没後は月明かりのみとなり、まさに「月の砂漠」を体験した。自分達の影が映るほどの月明かり、都会では経験できない。経験豊かなラクダ引きのベルベル人に運命を預け1時間半、道なき道を行く。少し風が吹いてきた。心配はコンタクトに砂が入らないかなんだけど・・。寒さは持参したジャージでなんとか耐えられる。
そして1時間半ぴったり(ここでもパンクチュアルなモロッコ。笑)、かすかに音が聞こえてくる。砂漠の山に照明の明かりが反射している。どうやらキャンプ地に着いたようだ。非常に大きなキャンプ地でテントが無数に張ってある。太鼓の音が鳴り響き旅行者達を歓迎している。ラクダから降りると暫らく待たされ、「ニッポンジン、こっち!」と呼ばれ僕専用のテントに案内される。中にはちゃんと布団がセットされており、寒さには耐えられそうだ。荷物を置いて食事用の大テントに向う。

今日の晩メシは茄子のタジン。期待してなかったのに美味かった。照明は暗く怪しくアラビアン・ナイトそのものだ。食事が終わると、違うベルベル人に明日朝6時に来るように言われる。明日は裏山に登って朝日を拝む。
食事後、大テントでは先程まで食事をサーブしたり案内していたベルベル人達が太鼓を持ち出し民俗音楽を披露していた。すごくアグレッシブで複雑なリズム(3拍子と4拍子のポリリズムが聞こえる)がメインでパワフルでありながら心地良い。ベロ酔いのスペイン人の団体客が腰をくねくねさせながら踊り狂っている。途中、スペイン人達が歌いだした自分達の国の歌にベルベル人がリズムを合わせるという余興も有り楽しめた。
実は自分のテントに戻ってからが地獄だった。布団を敷こうとしたらテント内の砂を巻き上げてしまい、それがコンタクトに入った。砂埃ではなく砂そのもの。目に激痛が走り呻き声を一人上げ、涙を大量に流す。テント内の照明はロウソクしかない。それを頼りに目からコンタクトを苦労して取り出す。まぁ、砂漠にコンタクトなんて有りえないのだけど、メガネだとよく景色が見えないほど視力が無いので欲を掻いてしまった。失敗。
朝が早いので0時前には就寝。布団に入って寝ているとなんだか顔が痛い。何かに叩かれてるような。目を覚ますと、砂が顔に飛んできている。しかも身体中が砂まみれである。ビックリして飛び起きると、テントの入り口の砂避けの毛布が飛ばされてそこから砂が入って来る。外は砂嵐だ。外に出て、飛ばされた毛布をテント入り口にかけ直し固定する。これでやっと眠れる・・。近くの大テントからはベルベル人の太鼓とスペイン人の歓声が聞こえる。1時かぁ。早く寝よう。
しばらくして、また顔が痛い。飛び起きると、先程の毛布がまた飛ばされ先程より大量の砂が吹き込んでくる。砂嵐が強くなっている。また、外に出て先程の作業を繰り返す。ジャージは砂だらけだ。大テントでは音楽と歓声が更にヒートアップしている。あぁ、もう2時だよ。
そしてまた暫らくして、顔が痛い。「またかよ!」キレまくりながら外に出る。もう、毛布の砂避けなぞには頼らん!コンタクトを外し無敵になった僕は、布団の位置を修正し、砂が大量に吹き込むテントの中で顔にだけ砂がかからないようにして寝る覚悟を決めた。外の大テントからは相変わらずベルベルの太鼓とスペイン人の陽気な騒ぎ声が聞こえる。もう4時前だ。アイツ等は何なんだ。。
そして、少し寝坊をしたが朝が来た。砂嵐は消え、テントを飛び出し山を駆け上がる。体力の限界と日の出の時間が来たので山の中腹で断念。

そして、冒頭の写真のご来光を拝み、辺りは美しい景色へと姿を変える。

コンタクトが痛いとか、砂避けの毛布が飛んだとかは小さな出来事に過ぎない。この景色の前ではね。(笑)
心洗われて、また頑張るじょ
帰国して現実に引き戻されてから改めて旅の写真を見ると、この景色の中に自分がいたのがウソみたいに思えたり、遥か昔の事のように思えたりしませんか?!
砂漠の写真…何度見てもいいですねぇ
幻想的な世界を想像します。
現地の雄大な砂漠の景色は、
この素敵な写真以上なのでしょうね・・
(テントでの生活には“慣れ”と“(初心者は)覚悟”が
必要になってくるみたいですけれど・・)
どこを見ても、砂の景色。
けれど、そこには1つと同じ景色がない。
人の心を魅了する景色が、
そこここにあるだけ。
この景色は、この旅行の一つのハイライトでもありました。人間は小さい生き物です。。