おはようございます。
だいぶ暖かくなりました。ですが、寒の戻りが時々来るようで
油断がならないこの頃です。
先週 皮膚科に行ってきました。
私の住む関西の某閑処にあるたった一軒の皮膚科の開業医さんですが、
ものすごく混流行っています。
私は右足のカカトのざらつきが気になって通っていますが
そもそも皮膚科なんて生涯お世話になる事はないと思っていました。
ところが十年ほど前から 今のカカトのざらつきが気になり出したのですが、
それよりも足の指に白いプツプツが目立つようになり、まさか、これって ひょっとして…
イヤな予感がしました。というのも昔、(少学生の頃かな)親父が風呂上がりに
片膝をついて何やらごそごそしてるのを思い出したのです。
その時はテレビのコマーシャルの合間に見ただけで あまり気になりませんでしたが、
しょっちゅう見てる内に何だろう…と思い ある晩訊いてみました。
「何してるん?」片膝を曲げて何やらチューブらしきモノを塗ってる様子を
私は這ってのぞき込みました。すると親父は、素っ気なく「クスリを塗ってるんや」と言うと
クルッと私から背を向けてクスリを仕舞いました。
それ以来 クスリの処置を見た覚えがないので 治ったのか或いはわんぱく坊主に見られて
親父の権威を失墜しないようにと防御したのでしょうか。
それから少しして また気になったので、今度はおばあちゃんに聞いてみると
くつろぐ親父を横目で伺いながら そっと「ミズムシと違うかね」 と教えてくれました。
そして お父ちゃんに言ったらアカンでと釘をさすのです(笑)
その時は 何か判ったような判らないままに頷いてお終い。
だいたいミズムシがよく分かってなかったわりに何故かミズムシという言葉だけ
が脳裏に残っていたようですね。
それから幾十年の霜雪が過ぎ親父やおばあちゃんも鬼籍に入ってしまった今ごろ、
皮膚科の診察室でいつもの通りカカトの塗り薬をもらいながら センセーに足の指の白いつぶを
訊いてみました。センセーは私の右の足を小さな台に乗せて虫めがねでジロリと診ると
「これは白癬菌ですねぇ」とひと言。
ん…なんですか?私が聞き直すと 「ミズムシの一種です」と今度はきっぱり。
このクスリを塗ればひと月くらいで治りますから…と渡されたチューブ型のクスリを見た
その一瞬、私は何十年も遥か小学生までタイムスリップしました。
そうか!あの時親父が足の指に塗り込んでいたチューブ風のクスリは ミズムシ用だったんだ、とね。
そう云えば カカトにも熱心にクスリを塗っていましたっけ。
ところで、このカカトのカサカサを柔軟にするワセリンみたいなのと
白癬菌治療の塗りクスリとは別なのです。
センセーの説明ではカカトのカサカサには乾燥を避けるのが良策で一方白癬菌を退治するには
患部の乾燥が良策だと仰るのです。
説明を聞いてハイ、分かりました。と応えて退室する背中に補助役の看護から お大事に
と声をかけられ、お大事…と胸中で復唱したら 何だか足の部分の指先は乾燥、
カカト部分は湿気を と言われたのを思い出すと一見理に適ったようでも寝る前に
それぞれの軟膏を塗ればひと晩寝てるあいだに擦れて混じらないのかなぁ…と少し気になりました。
そして、そんな時、親父はどうしたんだろう…ふと親父の顔を思い出しました。
それでも良い案は出ませんでしたが、気休めになったらしくて こんな面倒な病気で
親父似が出たのかと思うとなぜか少し嬉しい気がしました。