おはようございます。
今日3月5日 啓蟄(けいちつ)です。
二十四節気のひとつにある 啓蟄は以前なら知ってるからとちょっとした自慢になりましたが
昨今はわりと知られた節気になりました。
たぶん天気予報などで予報だけでは愛想がないから二十四節気を紹介したのが一般に知られる事
になったのでしょうか。
この二十四節気は毎月ふたつづつあります。有名なのは、この前にあった 大寒や冬至、
これからでは3月20日の春分や4月4日の清明があります。
二十四節気は一年を24に分割して立春、立夏、立秋、立冬を区切りに4つの季節を設定し、
それぞれの季節を6つの節気に分けて季節の移ろいを把握出来るようにしているのです。
主に自然の季節ごとを表していますが、この啓蟄は 土中の虫の観察を言葉にしています。
由来はやっぱり中国で、
「仲春ノ月、蟄虫咸動(けいちゅうみなうご)キ、戸を啓(ひら)キテ、始メテ出ル」
とあるところから啓蟄になったようです。 ※ 咸(みな…皆)と読むんですね
春の陽気に誘われた虫たちが生き生きと活動を始めます。と解説にはありますが
果たして誰がそれに気がつくでしょうか。冒頭に誰もが知るようになった啓蟄としましたが、
知っているはずなのに虫なんか見たこともないのが現代で 廻りをみると土は無くコンクールと
アスファルトに囲まれた日常では 見逃すというより 見られないのが現状でしょうか。
言葉を知ったのに見たことがない、とは皮肉なことですね。
晴れた良い日にちょっと出かけて虫たちを覗いてみてはどうでしょうか。
啓蟄の 蟻がはや曵く 地虫かな 高浜 虚子 (明治)
結構な 御世とや蛇も 穴を出る 小林 一茶 (江戸)
ちと露骨なのもありますが、時代ごとに自然との接し方が違うと解釈して下さい。