いのち・未来 うべ

わたしたちは、原発のない安全な未来を
子どもたちに残すことを願って活動しています

【修平のブン文】 24日5時~山口県庁広場へ集まろう!嘘つき内閣と違法状態の県庁へ県民の抗議の声を!

2014年10月23日 | お知らせ

いのち・未来うべで毎週、金曜ウォークに参加し、山口県庁前でのアピールも続けている崎田修平さんから投稿がありましたので掲載します。原稿をいただいたのは、安倍首相の所信表明演説の直後でしたが、今も全く古くなっていません。

そればかりか、女性2閣僚の辞任、新閣僚のSMスキャンダルと続く惨状は、崎田さんの指摘の通りです。

そして、原発再稼動内閣とでもいう布陣は、担当大臣のいい加減さを露呈しています。

嘘を塗り固めて川内原発再稼動を進めようとしている政権。

その政権のご機嫌をうかがいながら、あわよくば再稼動に続く新設増設論の浮上と上関原発計画の推進を狙う山口県。

そのために、「判断先送り」という違法状態を平気で繰り返しています。

この先には、原発事故と戦争への道が敷かれているとしか思えません。

 

10月25日は、上関・室津現地で集会とデモがあります。

山陽小野田・宇部実行委員会は、バスで行きます。(別項 参照)

それに先立つ明日24日は、定例第4金曜アピールです。

山口県庁に県民の抗議の声を届けましょう。

なお、山口井筒屋前⇒ 中電・市民会館前の定例金曜デモも行われます。

都合つくかたは、ご参加下さい。 午後6時出発です。

 

 

 "ソフトな言葉で飾る独善"

 安倍首相の所信表明演説(全文)を読んで 

             田修平 

 

 黙っておれない心境です。
 『修平のブン文』として、感想を書きました。
 原発については、「規制委員会により求められる安全が確認された原発は、・・・再稼働を進めます。」と、言っています。

 この表現はどだい日本語になっていない。しかし、あえて曖昧にしているのでしょう。
 演説原稿をつくった官僚は、
「規制委員会が安全と確認した原発は、・・・・再稼働します」
と、言えないことを承知しており、慎重に避けているのだと思います。
なぜなら、「規制委員会は安全を判断しません」(田中委員長)と言っているわけですから。


 ここの矛盾をそれこそ、『戦略的』に誤魔化そうとしてしいるのだと思いました。
 原発を国の「成長戦略」政策に組み込んでいるわけですから、脱原発は、「政治」を帯びるのは、ある程度仕方ないかと、・・・・。




 先月9月29日、第187回国会で安倍首相が行った所信表明演説(全文)を読み、その感想を一言にしたのが、表題の"ソフトな言葉で飾る独善"である。

 例によって、「美しい、豊かな、個性、女性、ふるさと、津々浦々、平和」などのソフトな言葉と対照的に「力強く、攻める、頑張る、挑戦、積極的、戦略」などの硬め(ハード)な言葉が多くあり、特に、お好みは「戦略」らしく7回も躍っていた。そして、これらのソフトとハードの言葉を繋ぐかなめの殺し文句が、「経済最優先」と「積極的平和」主義であるようだ。

 「平和」と「積極的」を繋げた「積極的平和」は、元々、日本語として木に竹を接ぐような違和感があり、概念としても、平和学における定義:『貧困、抑圧、差別などの構造的暴力がない状況』とは異なる意味で使っている。すなわち、首相の言う「積極的平和主義」とは、2013年の国家安全保障会議と閣議で決定された、『国際社会の平和と安定及び繁栄の確保にこれまで以上に積極的に寄与していく』ものだそうで、これが「集団的自衛権」の行使とセットであろうことは容易に想像できる。本演説の中では、インド・モデイ首相から強い支持を得たと自賛している。


 演説の見出しは、一 災害に強い国づくり、二 復興の加速化、三 地方創生、であるが、いずれも中身は、今までいかに無策、手抜かり、底抜けの政策をやってきたかの吐露にすぎず、この場合の語り口はソフトなのだ。二では、2020年開催のオリンピックを「復興五輪」と称して、それが福島の復興の目くらまし作戦であることを自ら白状している。

 三では、島根県隠岐の海士(あま)町のロゴ『ないものはない』を、「大事なものは、全てここにある」との意味に勝手(アベコベ)に解釈して、地方創生の成功例として讃えている。

 しかし、地元では、コンビニもスーパーもなければ、娯楽施設もない、本当に、『何にも無いよ』という開き直りの言葉でもあるのだ。過疎が進み、町が消滅する寸前に追い込まれたとき、みんなが、本当の豊かさは何か?と問い、唯一、豊富な魚や農産物を拠りどころとして、地域の人どうしの繋がりを大切に、無駄なものを求めず、シンプルライフを営むことが真の幸せではないかと、気づいた。町おこしの大きな原動力になったIターンの若者の一人(大手自動車メーカーで働いていた)は、『行き過ぎた資本主義の限界を感じた』ことがIターンの契機となったと語っている。それを、「伝統ある故郷を守り、美しい日本を支えているのは、中山間地や離島を始め、地方にお住いの皆さんです。そうした故郷を、消失させてはならない。もはや時間の猶予はありません。」などと、これまでさんざん棄民レジームを展開してきた本丸がぬけぬけと言っている。


 四 地球儀を俯瞰する外交 では、「世界に、自由に、大きな経済圏を創り上げる。TPP交渉や、EU、・・・など、経済連携を戦略的に推し進めてまいります。」と、ここではハードな語り口になる。上記、三 地方創生の言説とベクトルが反対ないし、両立困難なことを言い、つけては、「積極的平和主義」を堅持して、「国民の命と平和な暮らしは守り抜く。」、「その決意の下、切れ目のない安全保障法制の整備に向けた準備を進めてまいります。」と、強気に出る。


 それにしても、外交は「地球を俯瞰」してやるのではないのか。

 「地球儀を俯瞰する」とは、かつての映画「チャップリンの独裁者」に出るアデノイド・ヒンケルを連想してしまった。ヒンケルが世界征服を夢見て、風船の地球儀を机に寝そべっておしりなどでもてあそび、あげくは一瞬で破裂するあのシーンだ。このフレーズ、ひょっとすると、原稿を書いた官僚が仕込んだブラックユーモアかも、それとは知らずに滔々とお読みになったのかも、などと心配に・・・。


 五 成長戦略の実行 では、「女性が輝く社会」、「原発再稼働を進めます」、「国家戦略特区」、「頑張れば報われる」、「成長戦略」などの言葉が躍り、六 おわりに は、四~五と相矛盾することを多くのソフトな言葉にのせながら、国民の奮励に期待して終わっている。


 結局、「ありとあらゆる可能性を開花させる」と言いながら、「今何を為すか」は国民に問いかけるだけで、ひたすら、「経済最優先」と「積極的平和」の独善の道を目指すようだ。

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22日スラップ訴訟公判の報告

2014年10月23日 | 脱原発

昨日22日は、上関原発埋立工事に抗議活動をした祝島島民2名とカヤック隊2名の方が、中国電力によって訴えられている、いわゆる『スラップ訴訟』(恫喝訴訟)の公判が、山口地方裁判所でありました。

広島から貸切バスで、カヤック隊の岡田和樹さんと共に、詩人のアーサー・ビナードさんや多くの方が来られました。

また弁護士さんが、約6名(福岡や神戸から来られてました)こられ、このスラップ訴訟が、全国的に注目されていることが判りました。

日本には、スラップ防止法が無いため、このような訴訟が堂々とまかり通っていることが判りました。

(スラップ防止法があるのは、アメリカ、オーストラリアなどです。)

多くの人に、このような理不尽な訴訟があることを知らせ、日本にもスラップ防止法を作る必要があることを痛感しました。

この訴訟は、5年間も続いており、被告として訴えられた4名の方の精神的、経済的な負担は、かなり多くなっています。

 

*参考

「知ってください、スラップ訴訟(中国電力いやがらせそしょう)」のパンフレット

http://touminnokai.main.jp/doc/slap.pdf


今回は、詩人のアーサービナードさんも傍聴に参加され、報告会や県庁前抗議アピールでスピーチをされました。

ビナードさんのお話の概略

「今、中国電力を支えているのは、ここに集まっている上関原発に反対している皆さんです!もし上関原発が出来たら、中電はとても大きな負債を抱えることになります。中電は、こんなにも中電を愛してやまない皆さんに、感謝しなければならないと思います(笑)また中電は、このスラップ訴訟を起こしたことで、ならず者企業、悪へ転落しようとしている。それから救う方法はただ一つ、上関原発を皆さんの力で建てさせないことです!!今はヒロシマで例えるなら、1945年の8月6日の前日の、8月5日です。まだ原爆は投下されていない。まだ原発はつくられていない。今なら、みんなで力を合わせて止められます!!

このスラップ訴訟のことを多くの人に知ってもらうために、今日ここに来られた人が家に戻って5人の人に伝えましょう。そしたら次回の公判では、抽選の札も足らなくなって、裁判所の人も、てんやわんやの大騒ぎになることでしょう(笑)次回の公判にも、僕はまた来たいと思います!」

「中電の株の9%を持っている山口県は、もっと中電に注文を付けるべきです!命を守ろうとしている人たちを苦しめないで、早く決着をつけるように、促すべき!!」

 次回は、来年1月27日(火)にあります。

今回は、広島から来られた人が多く、山口県勢が比較的少なかったのは、とても残念でした。次回は、山口県のみなさん、宇部のみなさん、もっと多く人数で傍聴に参加しましょう。


*参考

 意見陳述書   2014年10月22日   岡田和樹

  僕たち被告とされている4人をはじめ、上関原子力発電所建設計画当初から30年以上にわたって建設に反対してきた地元の人々や全国から駆けつけた多くの人は、中国電力が訴えているような過激で違法な妨害行為は行っていません。


 原子力発電所からは、必ず膨大な放射性汚染物質が排出されます。

 放射のは生命に直接危害を及ぼすものです。すべての生き物には、生きていくための基盤である大地・空気・水などの自然環境が必要であり、そこが放射能によって汚染されることは、生存する権利が奪われることです。何億年とかけて自然や生命が受け継いできた遺伝子を放射能は一瞬で破壊します。さらには、汚染された遺伝子や地域は、時間をかけても元に戻すことはできません。原子力発電所には、僕たちにとって利益でも夢のエネルギーでもなく、共存することができない放射能を強制的に背負わせる負の遺産です。生まれ育ったふるさとで、健康に幸せに生きていくためには、原子力発電所に反対するほか道はありませんでした。僕たちは一貫して、命やふるさと、自然や財産を守って生きていくため、平穏な非暴力の抗議行動を行ってきました。


 日本の原子力発電所は、世界に誇る技術によって、仮に事故が起きても多重の防護で放射能を封じ込め、安全であると言われてきました。しかし、安全のはずだった福島第一原発は事故を起こし収束の見通しも立たず、今なお高濃度の放射線汚染物質が排出され、世界中に広がり続けています。甚大な被害と想定外の事故が起きている以上、原子力発電所のあり方を根本的に見直さなければなりません。広島原爆から福島事故に至るまでどれほど多くの核犠牲者が出たのでしょうか。原子力の危険性に目をつぶり、なお建設や再稼働をすることは再び過ちを繰り返すことになります。


 僕は、中国電力の一消費者として、これまでの数ある不祥事と隠蔽体質の中国電力を信頼することはできません。

 2010年には中国電力が運転してきた島根原子力発電所で聞きの超過使用が500ヶ所以上、点検の誤記載と記載漏れが1150ヶ所以上あったと報告されました。緊急炉心冷却システム用のモーターなど最高度の信頼性を確保する必要がある機器52件の点検漏れと10年以上の超過使用も含まれていたと言われています。故意にも匹敵するほどの人の命に関わる重大な過失です。全国初の点検不備により原子炉は停止され、経済産業省からは保守点検ランク全国最低評価1を付けられ、この問題だけとってみても、中国電力が原子炉を安全に運転できる事業者ではないことは明らかです。また、放射性物質の処分計画や地元の避難計画も定めていない中で、原子力発電所建設を進める姿勢は、無責任そのものです。


 上関原子力発電所建設においては、これまでにも莫大なお金を地元に配り、選挙においては不正転入を行い、現地では反対する人に暴力をも働いてきました。計画は最初から原発建設ありきで、民主主義とは程遠いものでした。地元理解もないまま工事は進み、僕たちはやむを得ず、現地で抗議をするほかありませんでした。


 しかし、平穏克非暴力の抗議行動に対して、中国電力側は強硬な作業を次第にエスカレートさせていきました。

 海上に浮かぶ一人乗りの小さなカヤックに体当たりするように、大きな作業船を何度も急接近させ荒波を立てて脅したり、クレーン台船の周りで停止し抗議する漁船やカヤックの頭上で、1トン以上ある大きなコンクリートブロックを旋回させたり、日の出前には着工しないとしていた工事を次々と行い、真っ暗な海上で航行灯を点けて停泊し、抗議していた祝島の漁船を、真横から巨大なクレーン台船で押しよけて航行するなど、一歩間違えば死傷者が出るくらい危険な行為を行ってきました。僕たちは、自分たちの安全を確保するためにやむを得ず、ワイヤーに捕まって強引に進む工事に抗議しました。しかし中国電力は、「安全第一」としつつ、ワイヤーに掴まって抗議する男性を大型クレーンで吊り上げるというさらなる危険な行為をしました。

 そのあり得ない状況に強い憤りを持ち、僕もクレーンのワイヤーに掴まりました。直後、作業員4人により、ワイヤーからふりほどかれて、作業船に引きずり上げられた上に、甲板に押し倒されました。そして、3人がかりで首や手足を羽交い絞めにされました。その間も、目の前の作業は止まることなく続行され、首や腹部を絞め続けられていたため意識が朦朧とし、緊急搬送され5日間入院することになりました。中国電力は、僕たちの行動が過激で違法な妨害行為と主張していますが、中国電力自らが危険を招いて惹き起こしたものに他なりません。


 僕は瀬戸内海の沿岸で生まれ育ちました。

 このふるさとである瀬戸内海が大好きで、離れることができず、現在は自立して三原市小泉町で農業をしています。豊かな自然環境や先祖が辛苦して切り開いてきた土地を守り、何千年とかけて実り得た野菜の種子や、生きるための文化や叡智を大切に受け継ぎたいと思っています。日々海や山、川の自然から恵みを受けて暮らしています。先祖が代々繰り返してきた、自然と共にある地域に根ざした生き方こそが、将来にわたり持続可能で幸せな暮らしであると改めて実感しています。僕は、大切な命とふるさとを守ります。それを脅かす原子力発電所を絶対に許すわけにはいかないのです。


 この裁判が始まって間もなく5年が経過します。

 地元広島をはじめ、全国各地のたくさんの方に支えられていますが、裁判の先行きも見通せないまま、時間的にも金銭的にも拘束されて生活に多大な影響を受けています。また、僕たち個人からすると大きな権力を持つ中国電力という公益企業により訴えられているということは、想像していた以上に精神的に大きな負担となっています。僕たちは自分たちが訴えられていることに納得がいきません。そもそも、命や生活を守ろうとした行動が、一企業の利益に対する妨害行為にすり替えられていることは、とても悲しいことです。


 なぜ、中国電力は原子力発電所建設の大前提である住民からの理解を得ようとはせずに、抗議する意見を押さえ込むような争いをはじめたのでしょうか。まずは、建設工事を凍結し、裁判を取り下げ、会社と発電所の不祥事や隠蔽体質を改善し、信頼を回復することからはじめるべきではないでしょうか。僕たちは、一消費者として、中国電力に対し、命や生活、自然環境を大切にして、放射能によって苦しめられてきた広島にとって誇れる企業であってほしいと切に願います。



                                                      (み)

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