2009年11月7日、カラムーン大学で開催された「日本文化紹介」プログラムに参加し、地元学生の空手演舞の後に、都山流尺八本曲「朝緑」を演奏しました(写真1)。
写真1
尺八は、大学時代に山形の安藤銀山師の元で学び、その後、ときどき吹いていたものです。久し振りで吹いた割にはいい音が出て、評判も悪くありませんでした。 その後も、新年会や日本文化紹介場面で演奏するなど、尺八を吹く機会が増えました。
2010年4月初旬、「アルバース大学で尺八を教えて欲しい」という話があり、実現に向け準備を進める過程で、ホムス在住の葦笛「ナーイ」演奏家兼制作者の男性と交流できました。ナーイは、アラブ古典音楽で使われる代表的な楽器(ウード、ナーイ、カーヌーン)の一つです。
竹製尺八は高価で数を揃えるのが困難なので、7月初旬から約一ヶ月、健康診断一時帰国をした際、ビニールパイプで、一尺八寸管22・一尺六寸管2・二尺二寸管2、合計26本の尺八を作り、シリアに持って来ました。
9月15日、アルバース大学音楽学部の学部長と会って話し合い、週1回、学生に尺八を教えることになりました。その後、いくつかの手続きを経て、10月19日(火)から始め、火曜日の午後5時から6時まで教えることとしました。
第1回目は、尺八についての概要説明と吹き方の基礎を教えることにし、資料を準備して臨みました。集まったのは16人です。最初は、なかなか音が出ません。根をつめて吹き続けると酸欠状態になり、頭がクラクラします。
しかし、さすが、音楽学部の学生です。飲み込みが早く、指孔を全開にした状態で、半分ほどの学生が音を出せるようになりました。
終了時に、来週はオーケストラの集まりがあるので、大部分が参加できないと言われました。
2回目の参加者は8人です。自己紹介をしてもらったところ、フルートの先生と生徒、ピアノの先生と生徒、シリアの笛、その他の受講者がいました。小人数で、楽しくレッスンできました(写真2)。
写真2
3回目、4回目も新規参加者がおり、騒々しく、落ち着いてレッスンできない状況になりました。学生の間に、「レッスンに二度参加すると尺八がもらえる」という誤った情報が流れたようです。それで、「尺八レッスン規定」を作り、英語・アラビア語の翻訳とともに掲示しました。
(1)「レッスン受講者」を固定する。(新規の希望者は、次の機会に登録し、受講してください。)
(2) 途中参加は認めない。
(3) 受講者は次のことを守らなければならない。
・レッスン時は指導者の指示に従う。
・尺八はレッスン期間中貸し出す。
・欠席が4回以上になったら受講資格を失う。
・受講資格を失った場合は尺八を返却する。
(4) レッスン期間を終了し、修了が認められた場合は、レッスン受講者に修了書と尺八を授与する。
その後は開始後の入室を認めず集中してレッスンできるようになりました。
2011年1月18日、第一号修了生の誕生です。G(写真3中央)で、2010年9月に音楽学部を卒業し、現在、大学院進学の準備をしています。
写真3
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