ダマスカスで語学研修を受けていた頃、F氏に、「ホムスは紀元後早い時期にキリスト教が伝わった地域で、Virgin Maryが昇天する際落としたとされるベルトを収めた教会があるから、是非訪ねるといい」と勧められました。
ホムスに来て約2カ月半が過ぎ、次第に行動範囲を広げ始めた頃、あらかじめ地図で調べた上で、近くの人に聞きながら教会を訪ねました。「Om al-Zenar Church(St.Mary's Church)」はOLD SOUKSの東側、キリスト教地区の一画にあり、AD59年に建てられた、世界で最も古い教会の一つといわれています。
写真1 St.Mary's Church
礼拝堂の横に、Virgin Maryのベルト(写真1)を収めた部屋があり、そこにはベルトが発見された由来、ベルトを収めていた円筒形の箱や容器等についての説明がありました。地下には、疫病が流行った時に、その水を飲んで多くの人命が救われたという、古い井戸があります。
写真2 Virgin Maryのベルト
新時計塔からDIMASHQ STREET方面に行くと、左手に古城跡OUSAM CITADELが見えます。入り口から急な坂道を上りきると、平坦な場所があり、そこからホムス市街を一望することができます。(写真2)はCITADELの北側、CITY CENTER方面です。CITADELの西、DIMASHQ STREET側には公園があり、その一画にモスクがあります。
写真3 ホムス市街(CITY CENTER方面)
日没直後の数十分は、夜景を撮るのに絶好の時間帯で、「マジックアワー」と呼ばれています。これまで何度か、日没に合わせて、CITADELに登りました。暗くなりかけた中を歩き回るのは気持ちのいいものではありませんが、それ以上に、昼の光から夜の光に変わる瞬間を見たいという気持ちが勝ります。
その頃、カメラを向けている方向のモスクから、「アッラーフアクバル(アッラーは至大なり)………」という大音響が流れてきます。イスラム教では、1日に5回の礼拝が義務づけられているので、それを知らせる「礼拝への呼びかけ」(アザーン)なのです。
シリアは数千年の歴史と今が共存している、不思議な感じのする国です。歴史を学んでいる人にはとても魅力のある所だろうと思います。知人のアラスタンの畑からは、直径180Cm程の、ローマ時代の石の車輪がいくつも出てきたといい、その1つは記念として、畑の前に立ててありました。
写真4 ローマ時代の石の車輪(アラスタン)
2010年2月13日、フランス人Yann Arthus Bertrand(航空写真家)がヘリコプターに乗り、上空から撮影した写真が展示されている場所へ行きました(写真3)。住宅から歩いて5分ほどの所です。
写真5 上空から見たシリア(写真展)
彼のような体験を共有できるとは思いませんが、とても興味深いので、デジカメに収めました。その中に、2008年10月20日シリア上空から撮影した写真がありました。
参照(The Citadel of Aleppo, Syria http://www.yannarthusbertrand2.org/index.php?option=com_datsogallery&Itemid=27&func=detail&catid=109&id=2564&p=1&l=1366)
まだ行ったことの無い場所が大部分です。無数の人々が、いろんな思いを抱きながら生きている場所。それを上空から見ると、何とも言い難い不思議な感じに襲われます。いつか訪ねてみたいものです。
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