つれ「攻城戦での水攻めてぇとせき止めた水位がじわじわ上がって城を孤立させる兵糧攻めの一種てなイメージでいたら、この作品では堰を切った水流が津波のように押し寄せてくるから、大震災の影響で公開を延期したのもごもっともな迫力だよねぇ。
史実をベースとしながらも題材としてはけしてポピュラーじゃないネタだけにエピソードの肉付けには相応のフィクションが入ってるとしても、長く続いた戦国の世もいよいよ末期となって人それぞれの時代感覚にギャップが生じてる様子は現代調の台詞回しと相俟ってなかなかのリアリティがあるんじゃないかぃ。
時節柄もはや北条民主についても出目はなし・とはいえ勝ちが見えてる豊臣自民は早や嵩に掛かった傲岸ぶり・第三の道を探ろうにも海のものとも山のものとも分からぬ混迷を深めるばかり・そこにひとさしのぼう様が田楽を舞う訳もなし・・と当時の忍城内の途方に暮れた雰囲気まで妙なシンパシーを覚えるようだからねぇ」