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関心領域

2024-07-07 15:02:12 | 活弁見聞録

ズレ:「アウシュヴィッツ絶滅収容所と塀一つ隔てて優雅な生活が営まれてるのは作劇上のフィクションかと思いきや史実通りだそうで、そうと分かれば勤務公署に施設長の官舎が隣接してるのは格別不思議でもないだけに業務目標を粛々と履行する実務者側からのホロコーストの描写にますます慄然とするばかりでぃ。

 収容所内の出来事は一切登場しないものの冒頭から不安を掻き立てる画作りに瀟洒な邸宅生活シーンにはずっと流れてる収容所側の剣呑な音声がBGMになってて、何が起こったかは先刻承知の観衆にとっちゃ主人公側の満ち足りた日常の破綻が訪れる予感でハラハラするホラー映画の趣も漂ってるぜ。

 事後には明白な理不尽でも渦中にあっては鬼畜の所業だろうと組織立った公務の感覚で実績を挙げつつ何の危機感もなく平穏な市民生活を送れる人間性の闇が事実として浮かび上がってくるだけに、けしてアウシュヴィッツに限った話でなく当時は被害者だったユダヤがイスラエルとなった今は加害者になってるガザの惨禍も同じ構図じゃなかろうかと考えさせられるわな」

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