つれズレ愚抄

つれ：「非常戒厳が内乱扱いされてるのに対して、当のヨン様は敢然として弾劾や捜査に立ち向かうと抗弁したんだねぇ」

ズレ：「検事出身だけに法律には則って行動したてぇ自負はお持ちなんじゃねぇか」

つれ：「独裁を目論んだクーデターなら、むざむざ６時間で解除する筈もないしねぇ」

ズレ：「何が非常かの判断に当不当はあれど、それは法律問題ってよりは政治問題だろうしよ」

つれ：「軍事政権時代の記憶が蘇る韓国の皆さんにとっちゃ、戒厳即悪行って印象が強いんじゃないかぃ」

ズレ：「二・二六事件以降戒厳とは縁がない日本に暮らしてると、その辺は今一つ分りにくい感覚かもなぁ」

つれ：「首都直下の激震に見舞われりゃ、自ずと戒厳状態になりそうだけどさ・・」

つれ：「今年の一字が金てなぁ、オリンピックイヤーの定番ってとこかぃ」

ズレ：「過去を遡るに余程の大事がない限り、五輪があった年は金がお約束になってるみたいだぜ」

つれ：「今年は裏金との掛詞とも言われてるけどさ」

ズレ：「不記載イコール裏金と決まった訳じゃないのに、世間的にはすっかり裏のイメージが定着してるからなぁ」

つれ：「それが少数与党転落て大事につながったとはいえ、さすがに一字が裏ってのは芳しくないと憚ったのかもねぇ」

ズレ：「今は○万円の壁って金目の話が花盛りだから、五輪抜きでもタイムリーではあるわな」

つれ：「となれば今年の金は音読みでなく訓読みするようだねぇ・・」

つれ：「アサド政権崩壊でシリアの皆さんは大喜びでも、国際的には一層緊張が高まった感じだねぇ」

ズレ：「外国勢力の肝煎って訳じゃない分、周辺がキナ臭い中でどんな先行きになるか見通せないからなぁ」

つれ：「独裁体制からの民主化がスムーズに進行してる例もあんまり見当たらないしねぇ」

ズレ：「強権で型に押し込んでた圧力が一気に消滅すりゃ、方向性もポップコーンが爆ぜるみたいに飛び散るわな」

つれ：「ドサクサに紛れた火事場泥棒よろしく、イスラエルさんがシリア領に進出してるてぇ話もあるらしいよ」

ズレ：「中東は宗教が色濃く絡む上にユダヤを巡る確執は旧約聖書にも遡るとなりゃ、何が起きるかはお釈迦様でも知らぬ仏てなもんでぃ」

つれ：「戦前の欧州情勢みたいに、中東情勢は複雑怪奇と言って本邦の内閣総辞職なんてこたぁ起きまいけどねぇ・・」

つれ：「非常戒厳の動乱ほどじゃないにしろ、欧州でも政変が続いてるねぇ」

ズレ：「ドイツの連立政権崩壊やらフランスの内閣総辞職やら、詳しい事情は存じ上げないけど穏やかならざる雰囲気だわな」

つれ：「或いはトランプ大統領復活が活断層になって、各国の政治が地殻変動を起こしてるのかもよ」

ズレ：「強気を押し通してきたゼレンスキーさんが国土回復は外交交渉でと言い出したのは、明らかなトランプシフトだろうなぁ」

つれ：「シリアで反政府側が一気呵成に首都を制圧したのも、トランプさんとプーチンさんが誼を通じりゃアサド体制復権の目はないと踏んでのことかねぇ」

ズレ：「二度目のトランプ台風は前回より猛威を振るいそうだから、各国各勢力とも早めの対策を心懸けてるんじゃねぇか」

つれ：「自然災害には早めの非難を呼び掛けてる本邦も、逃げ遅れないように気を付けないとねぇ・・」

つれ：「まだまだこれからの御活躍が期待されてた中山美穂さんが５４歳の若さで急逝てぇニュースには、ファンならずとも衝撃が走ったろうねぇ」

ズレ：「ミポリンの愛称とは裏腹にデビュー当時から演技も歌も並みのアイドルとは一線を画する芸達者で、近頃は陰影のある役回りでもいい味出してただけに惜しみて余りあらぁな」

つれ：「若い著名人逝去の第一報にはまず事故や自死が思い浮かぶけど、どうやらヒートショックらしいってのがまたショックだよねぇ」

ズレ：「てっきり高齢者の専売特許かと思いきや、その若さでもとなると同年代は身に詰まされてそうだぜ」

つれ：「風呂好きの日本人としちゃ、寒くなるほど湯船にドップリ浸からずにはいられないからねぇ」

ズレ：「身を以て警鐘を鳴らしていただいた供養と思って、老いも若きもヒートショック予防策にはよくよく意を用いるようだろうよ」

つれ：「この冬は日によって寒暖の差が激しいみたいだし、風呂場は一層NUKUNUKUさせて乗り切るばかりだょ・・」

つれ：「一通り八犬伝のストーリーを描きつつ曲亭馬琴の創作風景が展開されるこの作品はいわば二本の映画が一本になってるようなもんだから、タイパ志向を反映してか邦画に限らず長尺ものは少ない中で八犬伝完結までに２８年の歳月を要したのと比例するような２時間半の大作になるのも道理だよねぇ。

　化政文化を彩る文化人がオールスターキャストで登場する馬琴の書斎を舞台にした室内劇の趣に八犬伝のアクションを挟み込むのが虚と実の対比を際立たせて、作品としてのテーマはその構成と鶴屋南北の台詞に集約されてるんじゃないかぃ。

　馬琴が視力を失ってからの口述筆記の壮絶さも八犬士が本懐を遂げるまでの激しい立ち回りとリンクしてるようで、静と動が同時に進行するクライマックスシーンは一粒で二度おいしい状態になって感興も二本分味わえるってもんだょ」

つれ：「韓国さんの非常戒厳騒動は、何やら明智の三日天下を今に見る思いだょ」

ズレ：「信長公の役どころは不在ながら、事後の詰めが甘いまま決起したヨン光秀が６時間で国会に戻った野党秀吉に討ち取られた按配だからなぁ」

つれ：「戒厳の動機は野党の親北勢力を抑えるためと言われてるけど、弾劾訴追は幻覚に駆られた御乱心の殿様を主君押込するみたいな具合じゃないかぃ」

ズレ：「事前に野党の結集を阻むでもなく戒厳発令から国会の解除請求を経て弾劾訴追と所定のルールに則って事が進んでるのは、むしろ違和感を覚えるくらいじゃねぇか」

つれ：「翻って本邦はそんな非常時のルールはないってのが、むしろ不安感を覚えるくらいだねぇ」

ズレ：「非常強権は持たせないてぇ米製憲法はそのままでなし崩しに武力強化を進めてるものの、米軍下請に使役されこそすれ日本単独の非常時には意思決定が麻痺して軍備が機能しないてなことにもなりかねないやな」

つれ：「安保を仕上げて退陣した岸総理みたいに、短命に終わるなら防衛には一家言お持ちの石破総理にその辺の整理を花道にして貰ったらどうだぃ・・」

つれ：「OSO１８同様、スーパー籠城クマの駆除にも非難が寄せられてるんだってさ」

ズレ：「猟銃召上裁判から続いて、クマ対策がすっかり社会問題になった趣だわな」

つれ：「人が作ったプーさんやテディベアでなく人里に味を占めた野生の熊は、気の毒とはいえ武力を以て排除するしか地域を守る手立てはないってのにねぇ」

ズレ：「身を守るには１頭でも重武装の精強な特殊部隊級の戦闘力を発揮するとなれば、最前線は殺らなきゃ殺られる戦場の論理だしよ」

つれ：「街中で餌を漁るように仕向けたのは人間の所業とはいえ、たまたま出会した現地住民が一身にその責めを負うのは間尺に合わないよねぇ」

ズレ：「原因を作った政府高官や軍幹部より無辜の国民が犠牲になるのも戦争同様でぃ」

つれ：「駆除を批判する方々は、第三国が攻め込んできても眠らせて国に帰せとか仰るのかねぇ・・」

つれ：「今年はTVドラマ由来の“ふてほど”が流行語大賞に輝いたんだねぇ」

ズレ：「わりかた野球ネタがお好みの選考だから、てっきり大谷選手絡みが本命と思ったけどなぁ」

つれ：「大谷選手は来年もネタになる活躍をしそうだから先送りにしたんじゃないかぃ」

ズレ：「個人的には“初老ジャパン”が今でもかなり琴線に響いてくるぜ」

つれ：「ふてほども昭和と令和の対比がウケればこそとなりゃ、昭和世代の嗜好が大いに働いてそうだよ」

ズレ：「令和からは不適切にもほどがあるでも、昭和からは厳格にもほどがあるてぇことになるわな」

つれ：「今の世代構成からすると、その言い分がちょうどフィフティフィフティかもしれないねぇ・・」

つれ：「再選を果たしても沈静化することなく、今度は公選法違反疑惑で兵庫県知事周りが賑やかになってるねぇ」

ズレ：「多分にSNSにしてやられたメディアの意趣返しも入ってそうだぜ」

つれ：「落選予想は外したけど公選法で土を付けようたぁ、無謬神話に拘るあまり無理筋を押す検察さんみたいだねぇ」

ズレ：「少なくとも大手メディアは事前の無謬性に拘って然るべきながら、今は単なる事後のメンツに堕してる趣じゃねぇか」

つれ：「裏取りなしのコタツ記事で政務官靖国参拝てぇ誤報が国際問題化したのも、メディアが劣化してる証左かもねぇ」

ズレ：「コンプライアンスやら個人情報やらで取材も昔のようにはいかないんだろうけど、メディアにはメディアならではの矜持を持って貰いてぇやな」

つれ：「無責任に面白がるだけのネットにつられたんじゃ、悪貨は良貨を駆逐する情報版だもんねぇ・・」