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滋賀にある「源平合戦図」 扇の的の那須与一は近江に縁あり「近江七弘誓寺」

 琶湖文化館開館60周年記念・地域連携企画展で、滋賀にある「源平合戦図」扇の的の屏風が出品される。

↑「紙本金地著色 源平合戦図 狩野氏信筆」=滋賀県立琵琶湖文化館提供

琶湖文化館開館60周年記念・地域連携企画展「琵琶湖文化館の『博物誌』」
展示期間: 2月6日~3月21日
場所: 滋賀県立安土城考古博物館(近江八幡市安土町下豊浦)
入場料: 大人600円、高校・大学生360円。

平家物語」の名場面のうち、右隻(うせき)に「敦盛最期(あつもりさいご)」を、左隻には「那須与一」のエピソードを描いた華やかな金地屛風(びょうぶ)の名品である。 
源氏方の「那須与一」が平家の軍船に掲げられた扇の的を見事に射抜くシーン。与一から、平家の女房が手に持つ日の丸扇までの距離は7段(約72メートル)ある。
 本作では、与一を見守る源氏方の騎馬武者たちや松の茂みが密に描きこまれて近景を強調し、遠景の扇の的との遠い距離を巧みに表現している。かなめを射抜かれて宙に舞う紅扇の描かれ方も見事である。
 この後春風に一揉(も)み、二揉みされて海に落ち、夕陽(ゆうひ)に照らされ白波に揺られたという物語の「続き」が、ひとりでに目に浮かぶようだ。

 なお、興味深いのは本作の主役である「那須与一」の子孫が近江国にゆかりが深いことである。
与一の子孫である「愚咄坊」(ぐとつぼう)らが開いたと伝わる7カ所の「弘誓寺」(ぐぜいじ)(東近江市、彦根市)が存在する。
平敦盛を討ち取った熊谷直実(くまがいなおざね)の子孫も、竹生島(ちくぶしま)と深い関係があった。
 東国武士の活躍を描いた名作が滋賀県立安土城考古博物館に所蔵されることとなったのも、彼らと近江の奇しき縁によるものかもしれない。

平家物語で有名な「那須与一」の末孫、「愚咄坊」が開いた「弘誓寺」を継承する「近江七弘誓寺
1.弘誓寺(浄土宗): 東近江市建部下野町282
2.弘誓寺(浄土真宗大谷派): 東近江市五個荘金堂町615
3.弘誓寺(浄土真宗本願寺派): 東近江市瓜生津町1314-1
4.弘誓寺(浄土真宗大谷派): 東近江市中一色町380
5.弘誓寺(浄土真宗本願寺派): 東近江市躰光寺町990
6.弘誓寺(浄土真宗本願寺派): 東近江市小田苅町413
7.宝蔵寺(浄土真宗本願寺派): 彦根市川瀬町1195 *元弘誓寺(1472年(文明4年) - 寺名を法蔵寺に改名)

<朝日新聞より>
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