コツコツ歩き隊!

散策!北海道(15) 日本最北の古墳を見たりしながら、北海道の歴史に触れる<江別市>

<江別見晴台郵便局散策プラン>
散策コースを作るのが趣味の私。
今回は下図のようなものを作ってみました。

【散策マップ】
・この散策のスタート地点はバス停「工栄町北」(北海道中央バス「90札江線」)となっています。
・「工栄町光」を通るバスは限られており、札幌からも 「JR 江別駅」からも本数は少ないです。時刻表で予めチェックし、よく計画を立てた上でお出かけください。
・江別蔦屋書店からの帰路は 「JR 江別駅」へ向かうのが無難かと思いますが、近くのバス停から「新札幌駅」へ行くのも一つの手かと思われます。

【見どころ】
1.榎本公園

バス停「工栄町北」から10分くらい歩いた所にある榎本公園。
途中、「世田豊平川」を渡り、ヤンマーの工場が見えてくると、すぐであります。

「榎本公園」は2つの史跡を持つ公園であります。

1つ目は、榎本武揚(えのもとたけあき)が農園を開いた場所であること。
函館戦争にて官軍に降伏し、捕らえられるという経歴を持ちながらも、明治政府の要職に就いた榎本武揚は、北海道開拓使から払い下げを受けて10万坪の土地を取得し、ここで農場経営を行いました。

2つ目は「対雁(ついしかり)番屋」が設置された場所であることです。
享保年間に商場が開かれ、この地域は鮭漁と内陸水路交通の要所として発展しました。

明治4年になると、宮城県から76人が入植、樺太(サハリン)から854人のアイヌの人々が移住させられました。
学校や製網所が作られるなど、大いに賑わったそうですが、鉄道の開業やコレラの流行により300人以上の病死者を出す大惨事に見舞われるなど、対雁は衰退しました。
川越宗一氏の著作『熱源』(直木賞受賞作)の舞台にもなった場所であります。

2.江別チャシ

「チャシ」とはアイヌ語で「柵囲い」を意味し、砦、祭祀の場、見張り場など多目的な用途で使われていました。
道内ではチャシ跡は500カ所ほど確認されており、アイヌの人々の歴史を解明する上で重要な遺跡となっています。
その1つが江別市にあります。

北・東・西側を急峻な崖に囲まれた地形を利用しており、南側には空堀が掘られています。
このチャシ跡の向かい側にある住宅地には、続縄文時代の集落跡(旧豊平河畔遺跡)があり、住居跡や墓のほか、約4500個の柱跡が発見されており、こちらで鮭を干したのではないかと考えられています。

3.江別古墳群
日本にある古墳の中で、最も北にある古墳群であります。

江別古墳群は3~6世紀時代(=古墳時代)にではなく、7~9世紀、この地域で栄えていたと言われる「擦文文化」前半の時期に造られたと考えられています。

1931年、小学校の教師であった後藤寿一氏によって発見されました。
個々の古墳は直径3~10m、高さ0.3~1mの円形、あるいは長円形の墳丘と、環状あるいは馬蹄形の周溝から構成されています。
江別市郷土資料館の模型
江別古墳群は東北地方北部に分布する末期古墳と似た構造を持ち、本州からもたらされたと思われる須恵器、鉄鏃(てつぞく・鉄製の矢じり)、刀子(とうす・小型の万能ナイフ)、鋤先(すきさき)などが出土しました。
これら墓の被葬者については、
・東北北部と交流を持った北海道の有力者。
・東北地方からの移住者。
・日本書紀や古事記に書かれている蝦夷征伐にかかわった人
と言った説があります。
いずれにせよ、当時の北海道と本州との交流を知るうえで貴重なものであり、国の史跡に指定されています。

4.江別見晴台郵便局

風景印配置局。
「榎本公園」が描かれた印がもらえます。

5.旧飛行場跡地
戦時中、3機の木製戦闘機がここから飛び立ったそうです。

6.お土産
江別見晴台郵便局を過ぎると、住宅街が広がります。
「5丁目通」を中心に、ホームセンターやスーパーなど色々なお店が並び、ショッピングエリアとなります。
いくつかのお店に立ち寄らせて頂いたので、ご紹介します。
<ベーカリーもみの木>

旧飛行場跡地のそばにあるパン屋さん。
道産小麦を100%使用し、ハード系から惣菜パンまで各種取り揃えられています。
撮影する前に、自分でカットしてしまいました。(汗)
「もみの木カンパーニュ」は、レーズンで起こした自家製酵母で焼き上げており、こうしたパンが手に入るのもうれしい。
また食パンは、買ったらすぐ食べてしまいたくなる程のきめ細やかさ。
(=冷凍保存するのがもったいないと思う程のきめ細やかさ。)
あのきめ細やかさには、そうそうお目にかかれないので是非食してみてください。
<FATE BAKE>

今年の5月にオープンしたパン屋さん。
カフェに出てきそうなパンを多く取り揃えています。
クロワッサンは、買ったらできるだけ早く食べるべし。
人気のクロワッサンは、「カリザク」に近い食感。
少し焦げた感じのバターの香りがいい感じです。
<ちよじ屋>

地元で人気の大福専門店。
「くるみ大福」が食べたくて立ち寄りましたが、完売で閉店となっておりました。

くるみ大福食べたかった…

7.そば天国 松乃屋江別店

中休みのないお蕎麦屋さん。
北海道ご当地フード「クロレラそば」がいただける。
お値段もそんなに高くありません。
※こちらのお店の記事を書きました。参考までに。

8.旧町村農場

旧町村農場は、町村敬貴(ひろたか)氏が石狩郡(現・石狩市)樽川(たるかわ)から 江別市いずみ野に移転して開いた農場です。

現在、町村農場は江別市対雁(ついしかり)に移転。
いずみ野に残された邸宅や牛舎などは資料館として残し、無料で開放しています。
近代化産業遺産に認定されています。
この方が町村敬貴氏。
牛舎の中も展示品がたくさん。
酪農関係の機械に詳しい方なら興味深い展示なのではないかと思います。
邸宅の中も見学できるようになっています。
パネル展示もあるので、こちらを見学する時は時間にゆとりをもって伺った方が良いでしょう。
アイスクリームも販売されています。
卵も入っているのですが、こちらのアイスクリームはミルクが多めです。

公開時期が決まっているので、要注意。


個人的にこの散策コースは、ものすごく好きであります。
関東に住んでいると、「続縄文時代」とか、「擦文文化」などは身近ではなく、教科書上での知識になってしまいます。
しかし、ここ北海道では、それらが普通に出てきて、日本の歴史や文化はもっと多様であると感じさせ、色々な角度から学び直してみたいという気持ちになります。
縄文海進により海が陸地に大きく入り込んだ時期があっても、江別市は高台にある地域であったがために、どこよりも古い遺物や遺跡が残りました。
そうしたものを色々拝見できたのは、とても良いことでした。
色々な時代の江別市の、時に北海道の歴史を見ることができました。
心に残る散策となりました。

<参考資料>
  • えべナビ「江別発祥の地「榎本公園」直木賞受賞作『熱源』舞台の対雁 番屋・駅逓跡地に行ってみた[江別市工栄町]」
  • チャシとは | 北海道新ひだか町
  • ウィキペディア「江別古墳群」
  • 江別郷土資料館説明板

※以上を持ちまして、江別関連の記事を終了いたします。楽しかったなぁ。

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