あれは,あれで良いのかなPART2

世の中の様々なニュースをばっさり斬ってみます。
ブログ界の「おか上彰」を目指し、サボりながらも頑張ります!

なぜかニュースにならない熊坂トンネル再工事問題

2008年04月13日 17時59分06秒 | おいしい道路
TBS系で放送している「噂の東京マガジン」で,上信越道で現在施工中の「熊坂トンネル」の問題を報じていました。
あの番組は,問題点は鋭いものの,最後は「役所が悪い」で全部片づけるのでちょっと詰めが甘い点と恣意的な部分があるのですべては信用できないのですが,少なくともこの番組を見て良かったのは,「このニュース,全く知らなかった」ということでした。

トンネルの偽装工事疑惑?

番組終了後,ネットでニュースを調べましたが,扱っていたのは長野県地方版くらいで,全国版ではネットも含めてほとんど扱っていませんでした。
そこで,番組を見ていない方やこのニュースを知らない方のためにこの熊坂トンネル問題の概要を説明しますと,現在工事中の熊坂トンネルにおいて,規定のコンクリート量を充たしていない部分が現時点で判明しているだけでも40カ所以上に及ぶことが判明し,受注者の道路公団が工事のやり直しを指示したというものです。
この仕様を満たさない工事について,元請け業者のピーエス三菱・北野建設共同企業体側では,「設計ミスと現場責任者の判断ミス」と説明し,あくまでも偽装ではないとのことですが,検査時には問題ないとしてスルーしたのがかなり意図的な検査対策が行われてたとして,>調査団側は「組織ぐるみの偽装の可能性もある」とのことで,今後も調査を続けていくと言うことです。
つまり,一言で言えば「故意か過失かはともかく,トンネルのコンクリートがたらず,危ないトンネルを造ってしまっていた」ということです。

さて,この問題,なぜ大きく報じられなかったのでしょうか。時期的には最初の不適切施工が発覚したのが今年の1月,その後3月末までに補修する予定が逆にその頃からどんどん不適切箇所が増えてきたというわけですから,世の中まさに「ガソリン税暫定問題で,無駄な道路工事を見直すべきかどうか」で世論が高まっていた時期です。とすると,偽装か否かはさておき,このような不適切工事が税金の無駄になりかねないがみんなどう思う?って問いかけるにはもってこいの時期とネタだったと思います。なのに報じなかったのが不思議でなりません。

ところで,仮にこれが本当に組織ぐるみの偽装だとしたら,まさに私が以前書いた「おいしい道路工事の話(第6章:道路偽装工事疑惑)」そのものです。当然,一企業の判断だけではなく,高速道路絡みとなると国会議員や官僚も絡んでいる可能性は極めて高いです。ガソリン税25円はこうしてどぶに捨てられていくのです。
今回の工事は,完成検査前なので,すべて業者負担で行われますが,実際のところ「仕様未満」道路や構造物は山ほどあります。以前にも書きましたとおり,道路を造るということを否定するつもりはありませんが,であれば,まずはこうした「いい加減施工」を根絶することが求められます。
そして,検査や監査,これをもっと強化する必要があります。ここ数年の諸問題は,すべて「検査や監査がない,またはおざなり」というのが大きな要素でもあります。検査や監査に金をかけることが無駄遣いだという批判もありますが,いい加減なものを作ってあとで痛い目に遭うということの方が,よっぽど無駄遣いが大きいといえるでしょう。
また,毎度同じことをいいますが,企業も「いい加減」にやると,必ずそれ以上の損害が発生するということを再度認識するべきです。
「ばれなきゃ何でもあり」こんな時代はもう終わりにしましょう。

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