橋下大阪府知事が,市町村長との意見交換会において,更なる人件費削減等を求めたところ,市町村長から猛反発を受け,泣きながら理解を求めるという場面がありました。
これについて,賛否両論あるものの,府民の多くは知事に好意的とのことです。
「市町村は人件費抑えよ」と橋下知事、4時間後には撤回(朝日新聞) - goo ニュース
この構造は国と地方と全く同じ
この橋下知事の言動に対する賛否はここでは論じません。ただ,橋下知事の言いたいことを要約すると,「大阪府にももはやお金はありません。だから,大阪府を頼ってもお金は出せませんから,あとは市町村で頑張ってね」ということだと思います。
ことの正否はさておき,実はこの構造は,数年前から始まった構造改革において,国が地方自治体に対して言っていることと同じなのです。
すなわち,国は「三位一体改革」ということで財源の委譲を行い,また地町村合併を推進することで地方交付税を大幅に減らす等,「地方に対する金の分配」を極力減らすようにしました。その結果,地方自治体(特に都道府県)は財源不足となり,さらには道路特定財源まで危うくなったということで,「暫定税率廃止反対」運動を展開しているのです。
では,なぜ国はそういう方針にしたのかというと,簡単な話で「国にお金がない」からです。800兆円を超える赤字の返済計画が立たず,また税収も景気がよいと主張する割には伸び悩んでいることから,金食い虫だった「地方へのお金」を極力減らすことで国の財政再建をする必要があると考えているのです。平たく言えば,「ない袖は振れない」という状態にあるのです。
とすると,橋下知事が市町村長に向かっていったこと,これは実は「総理が都道府県知事に言ったこと」と同じ話なのです。
それを前提に,橋下知事の涙の演説について今一度考えてみましょう。別に「誰がよい,悪い」ということではなく,「どこをどうすることが本当に国のため,地方のためになるのか」という点を考えることが大切なのです。
「市町村だけが助かればよい」と考えるもよし,「都道府県が舵取りをするべし」と考えるもよし,「国は地方を切り捨て,地方が完全自立するべし」と考えるもよし,「国は財政破綻してでも地方を救済するべし」と考えるもよし,「それ以外にもっとよい方法があるはずだ」などと考えるもよし,ここには様々な選択肢があります。
どのような選択肢がベストなのか,自分たちでも考えてみましょう。もちろん,本来は各政党が「こういう選択肢があり,我が党はこの選択肢を取りたいと思う」と提示するのが筋ですが,残念ながら,各党とも場当たり的な選択肢しか提示していません。
とはいえ,一部国会議員や地方議会議員がまじめに研究してこうした選択肢を提示しています。まずはこういう人間をもっと使って,自分たちの未来を考えていく必要があるでしょう。
橋下知事が良い悪いをいうのももちろん結構ですが,こういう背景問題があることも知っておくとよいでしょう。
とにかく,国も地方も,今本当にお金がありません。「ない袖は振れない」という首長と,「ない袖でもどこから袖を集めて振りまくる」という首長,どちらが国や町のためになるのか,ここは各人の判断になります。この判断結果が「選挙」です。
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これについて,賛否両論あるものの,府民の多くは知事に好意的とのことです。
「市町村は人件費抑えよ」と橋下知事、4時間後には撤回(朝日新聞) - goo ニュース
この構造は国と地方と全く同じ
この橋下知事の言動に対する賛否はここでは論じません。ただ,橋下知事の言いたいことを要約すると,「大阪府にももはやお金はありません。だから,大阪府を頼ってもお金は出せませんから,あとは市町村で頑張ってね」ということだと思います。
ことの正否はさておき,実はこの構造は,数年前から始まった構造改革において,国が地方自治体に対して言っていることと同じなのです。
すなわち,国は「三位一体改革」ということで財源の委譲を行い,また地町村合併を推進することで地方交付税を大幅に減らす等,「地方に対する金の分配」を極力減らすようにしました。その結果,地方自治体(特に都道府県)は財源不足となり,さらには道路特定財源まで危うくなったということで,「暫定税率廃止反対」運動を展開しているのです。
では,なぜ国はそういう方針にしたのかというと,簡単な話で「国にお金がない」からです。800兆円を超える赤字の返済計画が立たず,また税収も景気がよいと主張する割には伸び悩んでいることから,金食い虫だった「地方へのお金」を極力減らすことで国の財政再建をする必要があると考えているのです。平たく言えば,「ない袖は振れない」という状態にあるのです。
とすると,橋下知事が市町村長に向かっていったこと,これは実は「総理が都道府県知事に言ったこと」と同じ話なのです。
それを前提に,橋下知事の涙の演説について今一度考えてみましょう。別に「誰がよい,悪い」ということではなく,「どこをどうすることが本当に国のため,地方のためになるのか」という点を考えることが大切なのです。
「市町村だけが助かればよい」と考えるもよし,「都道府県が舵取りをするべし」と考えるもよし,「国は地方を切り捨て,地方が完全自立するべし」と考えるもよし,「国は財政破綻してでも地方を救済するべし」と考えるもよし,「それ以外にもっとよい方法があるはずだ」などと考えるもよし,ここには様々な選択肢があります。
どのような選択肢がベストなのか,自分たちでも考えてみましょう。もちろん,本来は各政党が「こういう選択肢があり,我が党はこの選択肢を取りたいと思う」と提示するのが筋ですが,残念ながら,各党とも場当たり的な選択肢しか提示していません。
とはいえ,一部国会議員や地方議会議員がまじめに研究してこうした選択肢を提示しています。まずはこういう人間をもっと使って,自分たちの未来を考えていく必要があるでしょう。
橋下知事が良い悪いをいうのももちろん結構ですが,こういう背景問題があることも知っておくとよいでしょう。
とにかく,国も地方も,今本当にお金がありません。「ない袖は振れない」という首長と,「ない袖でもどこから袖を集めて振りまくる」という首長,どちらが国や町のためになるのか,ここは各人の判断になります。この判断結果が「選挙」です。
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