あれは,あれで良いのかなPART2

世の中の様々なニュースをばっさり斬ってみます。
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結果オーライだったバスジャック捕り物劇

2008年07月17日 02時13分00秒 | 裁判・犯罪
親に怒られて家出をした14歳の少年が名古屋発東京行きの高速バスをジャックしましたが,約1時間後,監禁などの罪で逮捕されました。けが人は特になかったとのことです。

東名高速で中2少年がバスジャック、乗員乗客にけがなし(読売新聞) - goo ニュース

発車オーライ,結果オーライ

今回の件については,14歳の少年がなぜこんなことをやったのかというべたなつっこみはあえてしませんで,少年逮捕に至るいきさつから今後バスジャックが発生した場合に果たして無事対応できるかという点について検証したいと思います。

1 バスジャック連絡体制は今回は偶然よかった
  今回バスジャックの一報を警察に連絡したのは,たまたま同じバスに乗り合わせていた同じバス会社社員です。また,犯人が単独であったこと,14歳というド素人であったことから,携帯で連絡する時間や隙が十分作れました。それゆえ,早めの連絡ができたのです。
  では,犯人が複数であったり,あるいはテロルなどある程度訓練を受けた人だったらどうだったでしょうか。または,乗客に社員がいなくて,一般の乗客が大声で携帯で連絡しようとしてしまったらどうだったでしょうか。前者であれば,連絡方法が隔絶されてしまい,犯人から声明を出すまで連絡は困難でしょう。後者であれば,乗客などに危害が加えかねられません。
  そのような対策のために,運転席付近に「緊急通報ボタン」みたいなものは用意しておくべきでしょう(もちろん,既に用意されているがセキュリティ上の理由からあえて報じていない可能性もありますが。)。

2 警察のPAへの誘導
  今回は,早めの連絡により警察側も十分準備ができ,予定どおりPAに誘導してバスを停車できたと思います。この誘導方法は今後の類似案件への対応に支障があるためあえて紹介されていませんし,私も紹介はしませんが,いずれにせよかなり理想的に誘導できたと思います。
  ただ,犯人がもう少し変な人だったらどうだったでしょうか。止めることに抵抗を感じるのばバスジャック犯の常なので,この段取りを誤ると被害者が出た可能性があります。
  今回の事例は,よい事例として更に分析し,その結果は各都道府県警に極秘で紹介するとよいでしょう。

3 警察官の説得
  今回は,中学生にものすごい政治思想が合ったわけではないこと,ナイフ2本で丸腰に近いことが早い段階から分かっていたので,比較的強気の説得ができました。それ故,早めに投降したと思います。
  では,例えばダミーの爆弾を持っている場合や,モデルガンを持っていた場合,さらにはプロの犯人だった場合はどうだったでしょうか。同じ手法が使えなかった可能性があります。

4 普通のバスジャックは行き先を変える
  今回の犯人は,バスジャックしたものの,東京まで向かうことを要求しました。しかし,このバスはそもそも東京行きです。
  ってことは,バスジャックしようがしまいが東京には行けるのです。つまり,本当にバスジャックをしたい犯人であれば,行き先を変更するのが筋です。
  今回は,そういうことで行き先が明確だったので,作戦も立てやすかったと思います。しかし,プロの犯罪者であれば当然行き先も変えると,張り込み先をおそれてギリギリでルートを変えたりします。そうなると,警察側の作戦もうまくいかなかったかもしれません。

以上です。総じて,「警察対応ナイス」というものですが,本当に危ない犯人だった場合はさらに対応が必要だったかもしれません。
いずれにせよ,今回の逮捕劇を警察はしっかり検証し,よかった点と改善点をこっそり整理しておくとよいでしょう。

なによりも,同じ犯罪が発生しないことを願うばかりです。

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コメント (3)
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