自民党の麻生幹事長が,財政再建のためにはまず景気高揚が必要であるとして,投資活動活性化のため,300万円までの配当益の非課税や不動産取得税の減税などを検討するべきであると提言しているようです。
また,これによると,1円も税金を使わなくてすむのでメリットが大きいとのことです。
麻生氏、株300万円までの配当益非課税など優遇税制提唱(読売新聞) - goo ニュース
はたして本当に景気浮揚になるか?
麻生氏の言わんとする意味は分かります。総論的には,景気対策,もっと言えばお金を市場に流通させることで日本経済全体が活性化し,結果的にこれで税収が増えるという論法です。そして,その流通手段として,預貯金を投資に回すということのようです。
この論法,「国内経済完結型」であれば,麻生氏の目論見通り景気回復に大きく貢献することと思います。
しかしながら,今日の日本経済は「国内経済完結型」ではなく「外資依存型」に変貌しています。特に,投資部門については,基本的に「外貨」です。
ということは,投資を活性化しても,その売却益の大半は海外に流出してしまいます。つまり,国内経済の回復にはそんなに役に立たないのです。むしろ,逆に配当益に一定の税金を付けていたことで,むしろ「微力ならが外貨獲得」に貢献していたのです。これを非課税にするというのは,オーバーに言うと関税を非課税にしたに等しいと言えます。
また,国内限定で考えた場合,貯蓄を投資に回せる人はまだまだ少数で,多くの人は,「日々の生活費のことで精一杯」というのが今の状況といえるでしょう。
とすると,この税制改革で特をするのは,「ごく一部のブルジョア」にすぎません。しかも,目的が投資の活性化で景気回復を図るということですから,簡単に言えば「投資で儲けられるようにしよう」ということになります。つまり,「金持ちはもっと稼いで景気回復に貢献してほしい」ということにすぎません。
さらに,麻生氏は「1円も税金を使わない」といってますが,実際は配当税分が減収となるわけですから,それに見合った財源の確保か支出の削減を考えなければなりません。そうすると,前述の制度趣旨からすると,そのあおりは庶民がかぶることになります。
この税制改革を実現するとどうなるかというと,1アメリカの投資家が喜び,アメリカの景気対策に貢献する,2日本のごく一部の投資家は喜ぶ,3庶民には更に何らかの負担が生じてくる,っていうことになるでしょう。
これはまだ麻生氏の構想段階ですが,麻生氏が本当に経済通の議員なのか,少々疑問を感じざるを得ません。
考え方の総論は正しいのですが,各論ベースでいろいろ考えるべきでしょうね。
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また,これによると,1円も税金を使わなくてすむのでメリットが大きいとのことです。
麻生氏、株300万円までの配当益非課税など優遇税制提唱(読売新聞) - goo ニュース
はたして本当に景気浮揚になるか?
麻生氏の言わんとする意味は分かります。総論的には,景気対策,もっと言えばお金を市場に流通させることで日本経済全体が活性化し,結果的にこれで税収が増えるという論法です。そして,その流通手段として,預貯金を投資に回すということのようです。
この論法,「国内経済完結型」であれば,麻生氏の目論見通り景気回復に大きく貢献することと思います。
しかしながら,今日の日本経済は「国内経済完結型」ではなく「外資依存型」に変貌しています。特に,投資部門については,基本的に「外貨」です。
ということは,投資を活性化しても,その売却益の大半は海外に流出してしまいます。つまり,国内経済の回復にはそんなに役に立たないのです。むしろ,逆に配当益に一定の税金を付けていたことで,むしろ「微力ならが外貨獲得」に貢献していたのです。これを非課税にするというのは,オーバーに言うと関税を非課税にしたに等しいと言えます。
また,国内限定で考えた場合,貯蓄を投資に回せる人はまだまだ少数で,多くの人は,「日々の生活費のことで精一杯」というのが今の状況といえるでしょう。
とすると,この税制改革で特をするのは,「ごく一部のブルジョア」にすぎません。しかも,目的が投資の活性化で景気回復を図るということですから,簡単に言えば「投資で儲けられるようにしよう」ということになります。つまり,「金持ちはもっと稼いで景気回復に貢献してほしい」ということにすぎません。
さらに,麻生氏は「1円も税金を使わない」といってますが,実際は配当税分が減収となるわけですから,それに見合った財源の確保か支出の削減を考えなければなりません。そうすると,前述の制度趣旨からすると,そのあおりは庶民がかぶることになります。
この税制改革を実現するとどうなるかというと,1アメリカの投資家が喜び,アメリカの景気対策に貢献する,2日本のごく一部の投資家は喜ぶ,3庶民には更に何らかの負担が生じてくる,っていうことになるでしょう。
これはまだ麻生氏の構想段階ですが,麻生氏が本当に経済通の議員なのか,少々疑問を感じざるを得ません。
考え方の総論は正しいのですが,各論ベースでいろいろ考えるべきでしょうね。
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