クライスラーに引き続き,今度がGMが破産法を申請し,日本でいうところの民事再生法が適用されることになりました。これにより,今後概ね90日間程度で経営合理化策や債権計画などをたて,経営の再建を図ります。
現在のところ,複数の工場閉鎖と従業員の解雇,会社の分社化,経営支援などを検討しているとのことです。
GMが6月1日に破産法適用申請、米政府が株式60%取得へ(トムソンロイター) - goo ニュース
売れる車,そして買いたくなる車を作らなければ再建は困難
アメリカのビッグスリーの低迷は,あたかもリーマンショックを機に一気に発生したと思われがちですが,実は,それよりも遙か以前から「世界の車市場からは大きく後退」していました。日本車の台頭とドイツ等を中心とする欧州車の躍進によるものです。
ただ,もっというそ,そもそもアメ車は,「でかい」,「燃費悪い」,「運転しにくい」,「乗り心地悪い」など,見てくれとパワー以外には自慢できるようなものはあまりありませんでした(っていうと,所ジョージさんに怒られそうですが・・。)。
したがって,世界的にはもちろんのこと,アメリカ国内でもトヨタ車など日本車が売れたのです。
ところが,アメリカ政府は,それをビッグスリーの経営方針や市場調査の甘さのせいにせず,逆に「日本が売りすぎる,けしからん」ということで,過度の保護主義で輸入制限をかけ,日本車は現地法人化しないとほとんど売れないような状態にして,どうにかビッグスリーの売り上げを維持しようとしました。
しかし,売れないもの,ほしがらないものをいくら保護しても,やはり市場の食指は動きません。ビッグスリーはそのことに気がついたのかどうかは分かりませんが,特に大きな方針を変えることなく,「とにかくでかい車作り」を続けてきました(厳密には,フォードは日本のマツダなどと業務提携することで,その国にあった車作りを考えてきました。それゆえ,今回唯一破産の危機まで陥らなかったと言えるでしょう。)
結果,気がつけば,「保護されても売れない」,「しかも国内でも売れない」っていうことになってしまい,累積赤字が拡大したのです。
いわば,今回の破綻は,経営陣の自業自得だけではなく,アメリカ政府としても自業自得だったわけです。過度の保護主義も,結局は市場原理には勝てないという良い見本を示したと言えるでしょう。
さて,今後どうなるでしょうか。クライスラーは既にフィアットとの資本提携をするなどして,間もなく経営再建をします。GMもおそらく9月末頃までには経営再建をするものと思われます。
ただ,ここで考えるべきことは,「世界的に売れる車は何か」というごく基本的な経営戦略の構築といえます。いくらスリム化したとしても,今までどおりの発想では,あっという間に赤字になり,こんどこそ完全な倒産になりかねません。この辺りを新経営陣はどうカジを切るのか,注目です。
また,アメリカ政府も,保護主義を見直さなければ,他の国での売り上げは望めません。アメリカお得意の押し売り政策が有効なのは,せいぜい日本とフィリピンくらいです。大市場である中国,ロシア,ヨーロッパでは,押し売り政策は通用しません。こうした大市場がほしがる車を開発させること,それがアメリカ政府が行うべき政策といえるでしょう。
しかし,一方で恐いこともあります。もし,ビッグスリーが経営再建し,前述のような「世界がほしがる車」を作り出してしまったら,今度はトヨタやホンダなどの日本車メーカーがピンチになります。ただでさせ減少傾向だったアメリカ国内での売り上げが一気に減ってしまうからです。
そうなると,今度は「日本のビッグファイブ」が破綻することになりかねません。
日本の自動車メーカーも,政治献金などで政治家対策を図るだけではなく,「売れる車開発」に全力を注ぐべきでしょう。ハイブリッド車などは,まだまだ日本優位ですから,この量産型がもっと出回れば,日本のメーカーも息を吹き返すチャンスがあります。
そう考えると,今回のGM破綻,日本の各メーカーに取っても決して他人事ではないといえるでしょう。
来年くらいが,一つの山になりそうですね。
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TB先一覧
http://blog.goo.ne.jp/tenjin95/e/2078356ecb3874dd37b7fa17a5dab940
http://blog.goo.ne.jp/danna_stable/e/32458895725d4e7763f1b64a1ba900bc
http://uesama.antena.ne.jp/archives/article/88920.html
http://tetorayade.exblog.jp/11136595/
http://blog.goo.ne.jp/stardustkid0627/e/758b1e41fa48ccf2e4eaaea1144ec101
http://kyotofan.info/?p=1184
http://waga-mitisirube.at.webry.info/200906/article_1.html
http://krimshow.blog56.fc2.com/blog-entry-1197.html
http://a007.fruitblog.net/?4a243e8521283
http://blog.livedoor.jp/yswebsite/archives/52367500.html
http://blog.goo.ne.jp/hiroharikun/e/1304044ed69398e2fb32bae181a799d7
http://kyotofan.net/blog/2009/0602/gm
http://kyotofan.info/?p=1191
http://dbdc.seesaa.net/article/116944148.html
http://blog.livedoor.jp/ktu2003/archives/51612230.html
http://blog.goo.ne.jp/dorakichi66/e/4aac194044a384819ebbcbbfacdc27e2
現在のところ,複数の工場閉鎖と従業員の解雇,会社の分社化,経営支援などを検討しているとのことです。
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売れる車,そして買いたくなる車を作らなければ再建は困難
アメリカのビッグスリーの低迷は,あたかもリーマンショックを機に一気に発生したと思われがちですが,実は,それよりも遙か以前から「世界の車市場からは大きく後退」していました。日本車の台頭とドイツ等を中心とする欧州車の躍進によるものです。
ただ,もっというそ,そもそもアメ車は,「でかい」,「燃費悪い」,「運転しにくい」,「乗り心地悪い」など,見てくれとパワー以外には自慢できるようなものはあまりありませんでした(っていうと,所ジョージさんに怒られそうですが・・。)。
したがって,世界的にはもちろんのこと,アメリカ国内でもトヨタ車など日本車が売れたのです。
ところが,アメリカ政府は,それをビッグスリーの経営方針や市場調査の甘さのせいにせず,逆に「日本が売りすぎる,けしからん」ということで,過度の保護主義で輸入制限をかけ,日本車は現地法人化しないとほとんど売れないような状態にして,どうにかビッグスリーの売り上げを維持しようとしました。
しかし,売れないもの,ほしがらないものをいくら保護しても,やはり市場の食指は動きません。ビッグスリーはそのことに気がついたのかどうかは分かりませんが,特に大きな方針を変えることなく,「とにかくでかい車作り」を続けてきました(厳密には,フォードは日本のマツダなどと業務提携することで,その国にあった車作りを考えてきました。それゆえ,今回唯一破産の危機まで陥らなかったと言えるでしょう。)
結果,気がつけば,「保護されても売れない」,「しかも国内でも売れない」っていうことになってしまい,累積赤字が拡大したのです。
いわば,今回の破綻は,経営陣の自業自得だけではなく,アメリカ政府としても自業自得だったわけです。過度の保護主義も,結局は市場原理には勝てないという良い見本を示したと言えるでしょう。
さて,今後どうなるでしょうか。クライスラーは既にフィアットとの資本提携をするなどして,間もなく経営再建をします。GMもおそらく9月末頃までには経営再建をするものと思われます。
ただ,ここで考えるべきことは,「世界的に売れる車は何か」というごく基本的な経営戦略の構築といえます。いくらスリム化したとしても,今までどおりの発想では,あっという間に赤字になり,こんどこそ完全な倒産になりかねません。この辺りを新経営陣はどうカジを切るのか,注目です。
また,アメリカ政府も,保護主義を見直さなければ,他の国での売り上げは望めません。アメリカお得意の押し売り政策が有効なのは,せいぜい日本とフィリピンくらいです。大市場である中国,ロシア,ヨーロッパでは,押し売り政策は通用しません。こうした大市場がほしがる車を開発させること,それがアメリカ政府が行うべき政策といえるでしょう。
しかし,一方で恐いこともあります。もし,ビッグスリーが経営再建し,前述のような「世界がほしがる車」を作り出してしまったら,今度はトヨタやホンダなどの日本車メーカーがピンチになります。ただでさせ減少傾向だったアメリカ国内での売り上げが一気に減ってしまうからです。
そうなると,今度は「日本のビッグファイブ」が破綻することになりかねません。
日本の自動車メーカーも,政治献金などで政治家対策を図るだけではなく,「売れる車開発」に全力を注ぐべきでしょう。ハイブリッド車などは,まだまだ日本優位ですから,この量産型がもっと出回れば,日本のメーカーも息を吹き返すチャンスがあります。
そう考えると,今回のGM破綻,日本の各メーカーに取っても決して他人事ではないといえるでしょう。
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