あれは,あれで良いのかなPART2

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おいしい道路工事の話(第5章:景気対策の工事)(表街道)

2008年02月11日 02時17分13秒 | おいしい道路
 道路工事を行う際の理由としてよく取り上げられる言い分として,「景気対策」があげられます。
 これは,「不景気の際は公共事業を行うことで景気が良くなる」というケインズ理論をベースにしており,実際この手法で景気を良くしたというのは世界中のどこの国でも起こっています。
 しかし,これがために逆に「本当に景気が良くなるの」という疑問や,景気対策という一言で無謀な公共事業が進められているという現状も指摘されています。
 そこで,今回は,景気対策という観点で無駄な道路工事が発生している実情について説明していきます。

第1 景気対策と公共事業の関係(表街道)
 1 基本はケインズ理論

   まず,なぜ景気対策に公共事業がよいかを簡単に説明します。
   これは経済学者のケインズが唱えた見解で,ものすごくおおざっぱに言うと,「不景気の時は市場でお金が回っていないし,失業者も多い。だから,巨額の公共事業を興すことで,多額の資金を市場にばらまくことができる。また,公共事業によりたくさんの労働者が必要となるため,失業者も減る。だから景気が良くなる。」というものです。
   実際,1929年の世界恐慌の際,アメリカはニューディール政策により巨大ダム建設などを行い,結果恐慌の波を逃れたとされています。
   その後,修正ケインズ理論などいろいろな見解が出ていますが,今日では基本的な経済政策はケインズ理論に基づいているのです。

 2 景気浮揚策としての公共事業
   日本でも例外ではなく,ケインズ理論が取り入れられています。そこで,景気対策として公共事業を増やすということが行われています。
   実際,バブル崩壊後の不況期には,あえて公共事業を増やし,時には事業計画を前倒ししてまでも,たくさんの公共事業を実施しました。
   また,地方自治体の事業の場合は,景気対策だけではなく,「地元企業の保護と振興」という名目の元で,大企業が入らない中規模な事業を多数行います。これは,単に企業が儲かるというメリットだけではなく,「払ったお金の一部が法人事業税などで地方自治体に戻ってくる」ということで,トータルでは地元以外の企業に受注するよりもお得であるという発想も含まれています。

裏街道は次回へ

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