さて,今回は「組織の作り方と組織固め」のやり方について説明します。
1 セオリー(表ルート)
選挙では,「地盤,鞄,看板」の3バンが必要です。地盤が地域や組織,鞄は資金,看板は知名度のことを言います。そして,その3バンを有効に活用するためには,後援会という組織が必須となります。
そこで,まずは自分の後援会(確認団体)を作り,そこが政治資金の出入口及び事前運動用ビラの名義人となります。
これは,誰でもやる普通の手法です。
そして,政策を訴えることで,自分に賛同する組織,団体,個人などが後援会に加入してもらいます。
選挙戦は,後援会の方々の応援で選挙運動を行います。
以上が,綺麗なやり方,理想的なスタイルとなります。
2 裏組織固めの準備
さて,いよいよ闇の世界に突入します。
選挙とは,「組織を押さえたものの勝ち」という大原則があります。しかも,闇雲に押さえても意味がないわけで,「票田」を押さえる必要があります。
ここでいう票田とは,俗に言う「士農工商」団体です。すなわち,士=議員(議員OBや政党),農=農協,工=建設土木業者,商=商工会です。これをすべて押さえたら,ふたを開ける前から選挙は勝ちです。
とはいえ,相手も海千山千の方々ばかり,真っ向から「こんにちは」といっても,まともに相手にしてくれません。
では,どうすればよいでしょうか?これは,大リーグ同様「仲介人」にお願いするわけです。この仲介人が選挙全体のキーマンとなります。
3 影の市長にご挨拶
この仲介人は,表の顔は様々です。農家,商人,会社社長,医師,主婦etc。ただ,一つだけ共通性があるのは,「表の商売はぱーっとしない割には,いい暮らしをしている」という点です。
そして,この仲介人は,士農工商に対して太いパイプを持っています。したがって,町全体を完全に掌握しているのです。いわば,「影の市長」という立場にあります。
したがって,井の一番に「影の市長」にご挨拶をして,パイプ役となって頂く必要があります。
当然,空手ぶらでいったら,表の顔しか見せません。「黄金色のお菓子」が必須となります。
4 影の市長,ついに動く
影の市長を何度か接待すると,やがて大魔神のごとく裏の顔を開けてきます。そして,影の市長は,このような指示をします。
「軍資金と自力で集められるスポンサーはどの程度あるか。」と。
まずは候補者の資金力に注目します。そして,ある程度の資金力とバックボーンがいることを確認した時点で,いよいよ動き出すのです。
つまり,「無一文の候補者」や「バックボーンの弱い候補者」には,裏の顔を開くことなく,仏顔のまま終わってしまいます。つまり,パイプは閉じたままです。
5 影の市長の指示通り動く
影の市長が,「この候補者金になる」と判断した場合,いよいよ本格稼働します。
まずは,「選挙公約の確定」です。あれ,まじめだねえ,なんて言わないでください。ここでいう公約とは,「特定企業や個人が儲かるための公約」に過ぎません。町や国のため,という発想は全くないのです。いわゆる選挙時の公約は,この裏公約をオブラートに包むために,とりあえずそれっぽいことを肉付けしたものに過ぎません(これはもう少し後の話。)。
そして,候補者は,影の市長の意のままに選挙活動を開始するのです。いわば,「影の市長のわら人形」となります。
6 わら人形候補者と士農工商のご対面
ついに,影の市長の口利きにより,候補者が士農工商とご対面します。もちろん,表で堂々とやる馬鹿はいません。あちらも,「裏選挙対策役員」がお出ましとなります。
そこで,裏公約の披露,当選時の見返り,落選時の腹の切り方まで細かく打ち合わせをします(っていうより,正しくは影の市長の言うとおり,という表現が正確です。)。
士農工商団体は,基本的には「見返り」に注目し,費用対効果を計算して選挙応援するかどうか決めます。
まあ,通常は,影の市長が持ってくる話はおいしい場合がほとんどなので,そこで,わら人形候補者を支持することを決めるのです。
7 後援会結成(ノーマル後援会)
影の市長が,後援会長や会計責任者を選び,後援会を結成します。ここでいう後援会は,候補者の名前がある普通のもの,すなわち「田中太郎後援会」などのものです。
当然ながら,影の市長は役員には一切顔を連ねません。むしろ,後援会長や会計責任者が影の市長の手足となって動きます。
この時点で,候補者は完全に影の市長の支配下におかれることになるのです。
8 スポンサー用後援会結成
影の市長や士農工商団体と利権が強いスポンサーを集めるため,またその資金をかなり自由に使うため,さらには選挙活動をやりやすくするため,さらに別名義の後援会を結成します。
多くは,候補者と結びつかないような抽象的な名前,例えば「明日の町を考える会」などというように,タイトルだけでは誰の後援会かさっぱり分からないような名称にしておきます。
そして,スポンサー企業は,こちらの後援会に献金を送ることになります。この後援会が実働部隊となり,今後様々な工作活動を実施していくことになります。
これにより,一気に資金が集まることになります(ただし,その分の見返りが多くなり,候補者は当選してもがんじがらめになる,というあの構造になってしまうわけです。)。
9 最近の傾向
以上は,昭和の頃の話です。
平成にはいると,若干事情が変わってきました。それは,「影の市長が複数いる」という町が増えてきたことです。
とすると,影の市長どおしで権力抗争が始まり,当然士農工商団体も影の市長の派閥を持つことになります。
したがって,「よりおいしい話」を持ってくる影の市長に士農工商団体が付く,という構造になっています。
10 名誉のための補足
士農工商団体の名誉のために補足します。
これは,選挙裏マニュアルなので,裏マニュアルを使っていない地域の士農工商団体は健全そのものです。また,裏マニュアルを使っている地域であったとしても,すべての士農工商団体がこのような動きをしているわけではありません。さらに,実際に利権があるのは,団体の中の一部の理事のみで,団体職員の多くは,何の利権もありませんし,そもそも,こんな裏話があることすら知らないはずです。
以上が裏社会における組織の作り方と組織固めのやり方です。
次回は,禁断の「正しい買収方法」について説明します。
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1 セオリー(表ルート)
選挙では,「地盤,鞄,看板」の3バンが必要です。地盤が地域や組織,鞄は資金,看板は知名度のことを言います。そして,その3バンを有効に活用するためには,後援会という組織が必須となります。
そこで,まずは自分の後援会(確認団体)を作り,そこが政治資金の出入口及び事前運動用ビラの名義人となります。
これは,誰でもやる普通の手法です。
そして,政策を訴えることで,自分に賛同する組織,団体,個人などが後援会に加入してもらいます。
選挙戦は,後援会の方々の応援で選挙運動を行います。
以上が,綺麗なやり方,理想的なスタイルとなります。
2 裏組織固めの準備
さて,いよいよ闇の世界に突入します。
選挙とは,「組織を押さえたものの勝ち」という大原則があります。しかも,闇雲に押さえても意味がないわけで,「票田」を押さえる必要があります。
ここでいう票田とは,俗に言う「士農工商」団体です。すなわち,士=議員(議員OBや政党),農=農協,工=建設土木業者,商=商工会です。これをすべて押さえたら,ふたを開ける前から選挙は勝ちです。
とはいえ,相手も海千山千の方々ばかり,真っ向から「こんにちは」といっても,まともに相手にしてくれません。
では,どうすればよいでしょうか?これは,大リーグ同様「仲介人」にお願いするわけです。この仲介人が選挙全体のキーマンとなります。
3 影の市長にご挨拶
この仲介人は,表の顔は様々です。農家,商人,会社社長,医師,主婦etc。ただ,一つだけ共通性があるのは,「表の商売はぱーっとしない割には,いい暮らしをしている」という点です。
そして,この仲介人は,士農工商に対して太いパイプを持っています。したがって,町全体を完全に掌握しているのです。いわば,「影の市長」という立場にあります。
したがって,井の一番に「影の市長」にご挨拶をして,パイプ役となって頂く必要があります。
当然,空手ぶらでいったら,表の顔しか見せません。「黄金色のお菓子」が必須となります。
4 影の市長,ついに動く
影の市長を何度か接待すると,やがて大魔神のごとく裏の顔を開けてきます。そして,影の市長は,このような指示をします。
「軍資金と自力で集められるスポンサーはどの程度あるか。」と。
まずは候補者の資金力に注目します。そして,ある程度の資金力とバックボーンがいることを確認した時点で,いよいよ動き出すのです。
つまり,「無一文の候補者」や「バックボーンの弱い候補者」には,裏の顔を開くことなく,仏顔のまま終わってしまいます。つまり,パイプは閉じたままです。
5 影の市長の指示通り動く
影の市長が,「この候補者金になる」と判断した場合,いよいよ本格稼働します。
まずは,「選挙公約の確定」です。あれ,まじめだねえ,なんて言わないでください。ここでいう公約とは,「特定企業や個人が儲かるための公約」に過ぎません。町や国のため,という発想は全くないのです。いわゆる選挙時の公約は,この裏公約をオブラートに包むために,とりあえずそれっぽいことを肉付けしたものに過ぎません(これはもう少し後の話。)。
そして,候補者は,影の市長の意のままに選挙活動を開始するのです。いわば,「影の市長のわら人形」となります。
6 わら人形候補者と士農工商のご対面
ついに,影の市長の口利きにより,候補者が士農工商とご対面します。もちろん,表で堂々とやる馬鹿はいません。あちらも,「裏選挙対策役員」がお出ましとなります。
そこで,裏公約の披露,当選時の見返り,落選時の腹の切り方まで細かく打ち合わせをします(っていうより,正しくは影の市長の言うとおり,という表現が正確です。)。
士農工商団体は,基本的には「見返り」に注目し,費用対効果を計算して選挙応援するかどうか決めます。
まあ,通常は,影の市長が持ってくる話はおいしい場合がほとんどなので,そこで,わら人形候補者を支持することを決めるのです。
7 後援会結成(ノーマル後援会)
影の市長が,後援会長や会計責任者を選び,後援会を結成します。ここでいう後援会は,候補者の名前がある普通のもの,すなわち「田中太郎後援会」などのものです。
当然ながら,影の市長は役員には一切顔を連ねません。むしろ,後援会長や会計責任者が影の市長の手足となって動きます。
この時点で,候補者は完全に影の市長の支配下におかれることになるのです。
8 スポンサー用後援会結成
影の市長や士農工商団体と利権が強いスポンサーを集めるため,またその資金をかなり自由に使うため,さらには選挙活動をやりやすくするため,さらに別名義の後援会を結成します。
多くは,候補者と結びつかないような抽象的な名前,例えば「明日の町を考える会」などというように,タイトルだけでは誰の後援会かさっぱり分からないような名称にしておきます。
そして,スポンサー企業は,こちらの後援会に献金を送ることになります。この後援会が実働部隊となり,今後様々な工作活動を実施していくことになります。
これにより,一気に資金が集まることになります(ただし,その分の見返りが多くなり,候補者は当選してもがんじがらめになる,というあの構造になってしまうわけです。)。
9 最近の傾向
以上は,昭和の頃の話です。
平成にはいると,若干事情が変わってきました。それは,「影の市長が複数いる」という町が増えてきたことです。
とすると,影の市長どおしで権力抗争が始まり,当然士農工商団体も影の市長の派閥を持つことになります。
したがって,「よりおいしい話」を持ってくる影の市長に士農工商団体が付く,という構造になっています。
10 名誉のための補足
士農工商団体の名誉のために補足します。
これは,選挙裏マニュアルなので,裏マニュアルを使っていない地域の士農工商団体は健全そのものです。また,裏マニュアルを使っている地域であったとしても,すべての士農工商団体がこのような動きをしているわけではありません。さらに,実際に利権があるのは,団体の中の一部の理事のみで,団体職員の多くは,何の利権もありませんし,そもそも,こんな裏話があることすら知らないはずです。
以上が裏社会における組織の作り方と組織固めのやり方です。
次回は,禁断の「正しい買収方法」について説明します。
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