2月1日に実施された北九州市議選において,偽物の投票用紙が63枚含まれていたことが判明しました。また,投票人数と投票総数もあわないため,警察では選挙違反の疑いがあるとして捜査を始めたようです。
北九州市議選 偽投票用紙63枚 本物とすり替え持ち帰る?(西日本新聞) - goo ニュース
買収が行われた可能性が高い
以前,裏選挙マニュアルで買収の手法について説明しましたが,このニュースを聞いた瞬間に,「買収の香りがする」と思いました。それは,偽装投票用紙を正規の投票用紙とすり替えることにより,「直接代金を支払う」という買収方法が過去に横行したからです。
具体的にはこんな感じです。
1 1人(Aさん)が偽装投票用紙を持っていき投票に行きます。その際,交付される正規の投票用紙を隠して,変わりに偽装の投票用紙を投票箱に入れます。当然,足がつかないようにするためにこの偽装投票用紙は「白紙」または「対立候補者の氏名」を書いておきます(自分の陣営が捜査対象にならないためです。K党候補者の氏名を書いているケースもあります。)。
2 Aさんは白紙の正規投票用紙を第2後援会事務局に持っていきます。そして,事務局で,その白紙の正規投票用紙と引換に現金をAさんに渡します。
3 白紙の正規投票用紙に,自分たちが支持している候補者の氏名を書きます。そして,それをBさんに渡します。
4 Bさんはそれをもって投票所に行きます。ここで,正規の白紙投票用紙が交付されますが,それを隠して,変わりに事務局から渡された名前の書かれた投票用紙を投票箱に入れます(これは外見は正規投票用紙そのものなので,正式に1票としてカウントされます。当然,警察の捜査ではこの投票用紙までたどり着くことはほぼ不可能です。)。
5 Bさんは白紙の正規投票用紙を第2後援会事務所に持っていきます。これにより,事務局は「Bさんは投票をした」と判断できますので,白紙の正規投票用紙と引換にBさんに現金を渡します。
6 以下,3以下のことを繰り返し行います。
7 すると,結果的には「1枚の偽装投票用紙で,数十枚の選挙違反投票が可能となる」ということになります。
以上のようなからくりなのです。当然,効率的に行うためには,「正規の投票用紙の入手枚数を増やす」必要がありますので,実際は,偽装投票用紙を複数用意して,より多くの買収投票を実施するのです。
この手法のメリットは,なんといっても「買収結果が100%票につながる」ということと「警察の捜査でも足がつきにくい」という点です。
一方で,デメリットとしては「あまり大々的にやると,買収を受けた投票者からの内部告発」が起こりうるということです。
もっとも,それを回避するために,「投票権自体の買収」を行い,支援者がその人になりすまして投票する「なりすまし投票」を併用する場合もあります。
ただ,いずれにせよ,これは文句なしの選挙違反です。民主主義の根幹を揺るがす行為ですし,そもそも買収選挙というものは「金のあるものが強い」というまさに格差社会の典型例ですから,そんなひとが政治家になったとしても住民のために政治をするはずがありません。
今回の北九州市の問題が買収なのかどうかはまだ分かりませんが,確実に不正が行われた以上,警察の捜査結果を待ちたいと思います。
しかし,一方で気になることがあります。選挙の投票率が低いことや,不景気で収入が減少している点などを踏まえますと,場合によっては,「自分の投票権を1万円くらいで売っていい」とか「どうせ誰に投票しても同じだから,白紙の投票用紙もらってきて1万円もらった方がいい」などと考える人が増えてしまうのではないかという点です。
もちろん,まだまだ日本人は良識をもっているため急増することはないと信じていますが,不景気だからこそ「お金で選挙を解決」という利害関係が一致すると,結構恐いなあっておもいます。
仮にこのような話が来ても,絶対に断ってください。当然,これも立派な選挙違反になり,もらったお金以上の損害(罰金,身柄拘束,社会的信用の低下など)が確実に発生します。つまり,「全く割に合わないバイト」になってしまいます。
だいたい,買収に応じた時点で,「その候補者の奴隷」になったに等しいです。あとで,「この政策はおかしい」などと思っても,それは1万円くらいで奴隷になった自分の責任です。わずかなお金のために心まで売っても,本当に何の得もありません。
逆に,こういう話が聞こえてきたらすぐに警察に教えてあげましょう。そして,二度とその候補者が政治の世界に出てこないようにしましょう。それが有権者としての責任といえます。
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北九州市議選 偽投票用紙63枚 本物とすり替え持ち帰る?(西日本新聞) - goo ニュース
買収が行われた可能性が高い
以前,裏選挙マニュアルで買収の手法について説明しましたが,このニュースを聞いた瞬間に,「買収の香りがする」と思いました。それは,偽装投票用紙を正規の投票用紙とすり替えることにより,「直接代金を支払う」という買収方法が過去に横行したからです。
具体的にはこんな感じです。
1 1人(Aさん)が偽装投票用紙を持っていき投票に行きます。その際,交付される正規の投票用紙を隠して,変わりに偽装の投票用紙を投票箱に入れます。当然,足がつかないようにするためにこの偽装投票用紙は「白紙」または「対立候補者の氏名」を書いておきます(自分の陣営が捜査対象にならないためです。K党候補者の氏名を書いているケースもあります。)。
2 Aさんは白紙の正規投票用紙を第2後援会事務局に持っていきます。そして,事務局で,その白紙の正規投票用紙と引換に現金をAさんに渡します。
3 白紙の正規投票用紙に,自分たちが支持している候補者の氏名を書きます。そして,それをBさんに渡します。
4 Bさんはそれをもって投票所に行きます。ここで,正規の白紙投票用紙が交付されますが,それを隠して,変わりに事務局から渡された名前の書かれた投票用紙を投票箱に入れます(これは外見は正規投票用紙そのものなので,正式に1票としてカウントされます。当然,警察の捜査ではこの投票用紙までたどり着くことはほぼ不可能です。)。
5 Bさんは白紙の正規投票用紙を第2後援会事務所に持っていきます。これにより,事務局は「Bさんは投票をした」と判断できますので,白紙の正規投票用紙と引換にBさんに現金を渡します。
6 以下,3以下のことを繰り返し行います。
7 すると,結果的には「1枚の偽装投票用紙で,数十枚の選挙違反投票が可能となる」ということになります。
以上のようなからくりなのです。当然,効率的に行うためには,「正規の投票用紙の入手枚数を増やす」必要がありますので,実際は,偽装投票用紙を複数用意して,より多くの買収投票を実施するのです。
この手法のメリットは,なんといっても「買収結果が100%票につながる」ということと「警察の捜査でも足がつきにくい」という点です。
一方で,デメリットとしては「あまり大々的にやると,買収を受けた投票者からの内部告発」が起こりうるということです。
もっとも,それを回避するために,「投票権自体の買収」を行い,支援者がその人になりすまして投票する「なりすまし投票」を併用する場合もあります。
ただ,いずれにせよ,これは文句なしの選挙違反です。民主主義の根幹を揺るがす行為ですし,そもそも買収選挙というものは「金のあるものが強い」というまさに格差社会の典型例ですから,そんなひとが政治家になったとしても住民のために政治をするはずがありません。
今回の北九州市の問題が買収なのかどうかはまだ分かりませんが,確実に不正が行われた以上,警察の捜査結果を待ちたいと思います。
しかし,一方で気になることがあります。選挙の投票率が低いことや,不景気で収入が減少している点などを踏まえますと,場合によっては,「自分の投票権を1万円くらいで売っていい」とか「どうせ誰に投票しても同じだから,白紙の投票用紙もらってきて1万円もらった方がいい」などと考える人が増えてしまうのではないかという点です。
もちろん,まだまだ日本人は良識をもっているため急増することはないと信じていますが,不景気だからこそ「お金で選挙を解決」という利害関係が一致すると,結構恐いなあっておもいます。
仮にこのような話が来ても,絶対に断ってください。当然,これも立派な選挙違反になり,もらったお金以上の損害(罰金,身柄拘束,社会的信用の低下など)が確実に発生します。つまり,「全く割に合わないバイト」になってしまいます。
だいたい,買収に応じた時点で,「その候補者の奴隷」になったに等しいです。あとで,「この政策はおかしい」などと思っても,それは1万円くらいで奴隷になった自分の責任です。わずかなお金のために心まで売っても,本当に何の得もありません。
逆に,こういう話が聞こえてきたらすぐに警察に教えてあげましょう。そして,二度とその候補者が政治の世界に出てこないようにしましょう。それが有権者としての責任といえます。
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