静香ちゃんが,貸し剥がし対策として,中小企業の返済時期を数ヶ月先まで猶予するいわゆる「モラトリアム法」をこの秋の国会で成立させる旨の発言をしました。しかし,藤井財務大臣はこれに対して慎重な対応をする旨の発言をするなど,閣内でも意見の一致が見られていません。
これを受けて,株式市場は,銀行株を中心に売りに出されるなど,多少混乱をしました。
亀井氏「モラトリアムを」 藤井氏は慎重 閣僚発言で市場混乱(産経新聞) - goo ニュース
モラトリアム法で儲かるのは闇社会のみ
金融システムを知らない人が大臣になってはいけませんね,やはり。亀井大臣は,せいぜい警察庁長官にしておくべきだったと思います。
モラトリアム法は,一見すると,中小企業の苦しい台所事情に配慮した神様のような法案にも思えるかもしれません。しかし,ちょっと考えてみてください。銀行は,数ヶ月間貸付金を回収できないとなると,まず銀行の経営がもっと逼迫します。そうすると,猶予している中小企業に更に貸付をするというのは,乱暴な言い方で銀行目線から見ると「盗人に追銭」に映ります。そうすると,銀行としては,基本的に追加融資はしません。
一方,中小企業としては,返済が一時的に猶予されたとしても,常に運転資金(しかもキャッシュフロー)が必要となります。当然,追加融資も必要となる訳です。ところが,銀行が貸さないとなるとどうなるかというと,これこそ「更なる経営難」に陥ります。すると,行き着く先は,「闇金」なのです。
そして,最後は倒産,銀行は結局回収できない一方,闇金業者は裏社会のプロですから,ある程度の回収はでき,当然損をしません。
つまり,モラトリアム法は,簡単に言うと,「闇社会を儲けるためのシステム構築制度」なのです。決して,中小企業は救われません。
のみならず,海外の投資家は,当然こうしたオチを見抜きますから,早々に円に見切りを付けます。今の円高は,決して円の価値が高くなった訳ではなく,単に投資としてのドルを引き揚げているだけに過ぎないからです。このドルと同じようなことが円で起こりますから,急激な円安に進みます。下手すると150円台にもなりかねません。そうなると,原油や鉄鉱石などの原料輸入経費が高くなり,国内経済がこれまた大混乱になります。
このことは,過去の歴史を見ても明らかです。永仁の徳政令(1297年)で鎌倉幕府は御家人救済を図りましたが,結果的に御家人にお金を貸す人がいなくなり,結果,ますます御家人の生活は貧窮かし,それが鎌倉幕府崩壊へつながったのです。
もし,それでもあえてモラトリアム法をやるとしたら,前提として「まず銀行が困窮化しない方策の構築」と,「確実な追加融資の実行」,そして「闇金に対する取締りと罰則強化」に加えて,「相当程度確実な経済成長案の提示」が必要です。
モラトリアム法は,汚い例でいうと,「飲み過ぎて吐きそうになった人の口を押さえた」だけにすぎないわけですから,「吐かないようにウコンを飲ませる」か「きれいに吐かせて汚れないようにする」か,「吐いた後に酔い覚ましの水を飲ませて早く立ち直るようにする」などまで考えなければ,結局,最後はより激しく吐くだけで終わってしまいます。こうしたフォローがあって,はじめて何とかなるのです。
返済猶予は決して良いことばかりではありません。むしろ,「金融機関の融資が受けられない場合の行政機関等による緊急融資方策」などを考えるほうが中小企業のためになりますし,経済全体にとってもまだましです。
モラトリアム法は,歴史的に見てもろくなことはありません。もっと,経済全般を見据えた政策を構築するべきです。これを強行したら,きっと,国民生活はもちろんのこと,民主党政権も一気に崩壊するでしょう。
静香ちゃんは,日本のためにも,もっと別の適材適所の場所においておくべきです。
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http://ameblo.jp/kokkeibon/entry-10344388996.html
http://blog.goo.ne.jp/hiroharikun/e/1ccf1683f4a54cd68ca6bcac98860afc
これを受けて,株式市場は,銀行株を中心に売りに出されるなど,多少混乱をしました。
亀井氏「モラトリアムを」 藤井氏は慎重 閣僚発言で市場混乱(産経新聞) - goo ニュース
モラトリアム法で儲かるのは闇社会のみ
金融システムを知らない人が大臣になってはいけませんね,やはり。亀井大臣は,せいぜい警察庁長官にしておくべきだったと思います。
モラトリアム法は,一見すると,中小企業の苦しい台所事情に配慮した神様のような法案にも思えるかもしれません。しかし,ちょっと考えてみてください。銀行は,数ヶ月間貸付金を回収できないとなると,まず銀行の経営がもっと逼迫します。そうすると,猶予している中小企業に更に貸付をするというのは,乱暴な言い方で銀行目線から見ると「盗人に追銭」に映ります。そうすると,銀行としては,基本的に追加融資はしません。
一方,中小企業としては,返済が一時的に猶予されたとしても,常に運転資金(しかもキャッシュフロー)が必要となります。当然,追加融資も必要となる訳です。ところが,銀行が貸さないとなるとどうなるかというと,これこそ「更なる経営難」に陥ります。すると,行き着く先は,「闇金」なのです。
そして,最後は倒産,銀行は結局回収できない一方,闇金業者は裏社会のプロですから,ある程度の回収はでき,当然損をしません。
つまり,モラトリアム法は,簡単に言うと,「闇社会を儲けるためのシステム構築制度」なのです。決して,中小企業は救われません。
のみならず,海外の投資家は,当然こうしたオチを見抜きますから,早々に円に見切りを付けます。今の円高は,決して円の価値が高くなった訳ではなく,単に投資としてのドルを引き揚げているだけに過ぎないからです。このドルと同じようなことが円で起こりますから,急激な円安に進みます。下手すると150円台にもなりかねません。そうなると,原油や鉄鉱石などの原料輸入経費が高くなり,国内経済がこれまた大混乱になります。
このことは,過去の歴史を見ても明らかです。永仁の徳政令(1297年)で鎌倉幕府は御家人救済を図りましたが,結果的に御家人にお金を貸す人がいなくなり,結果,ますます御家人の生活は貧窮かし,それが鎌倉幕府崩壊へつながったのです。
もし,それでもあえてモラトリアム法をやるとしたら,前提として「まず銀行が困窮化しない方策の構築」と,「確実な追加融資の実行」,そして「闇金に対する取締りと罰則強化」に加えて,「相当程度確実な経済成長案の提示」が必要です。
モラトリアム法は,汚い例でいうと,「飲み過ぎて吐きそうになった人の口を押さえた」だけにすぎないわけですから,「吐かないようにウコンを飲ませる」か「きれいに吐かせて汚れないようにする」か,「吐いた後に酔い覚ましの水を飲ませて早く立ち直るようにする」などまで考えなければ,結局,最後はより激しく吐くだけで終わってしまいます。こうしたフォローがあって,はじめて何とかなるのです。
返済猶予は決して良いことばかりではありません。むしろ,「金融機関の融資が受けられない場合の行政機関等による緊急融資方策」などを考えるほうが中小企業のためになりますし,経済全体にとってもまだましです。
モラトリアム法は,歴史的に見てもろくなことはありません。もっと,経済全般を見据えた政策を構築するべきです。これを強行したら,きっと,国民生活はもちろんのこと,民主党政権も一気に崩壊するでしょう。
静香ちゃんは,日本のためにも,もっと別の適材適所の場所においておくべきです。
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確かに静香ちゃんの立案は、「その場限りの助け舟」といった感じですね。
政府の、それも大臣になったからには、特に国民に対して物事を考えるのは然りですが、1度限りで後が無いのでは、この前の『バラマキ給付金』と変わりありません。
やはり静香ちゃんは人事異動でしょうか?
日本における永仁の徳政令はご指摘のような結果に終わりました。幕府そのものに通貨を制限する力がありませんでしたからね。でもこの様に力を増やし徳川中期以降は紀文に代表される国内資本が形成されましたが明治政権の誕生で債権はパーになりその殆どが倒産しました。
さて今は米国が年間数千ドルの赤字を垂れ流し輸出に依存する日本は年間10兆円の稼ぎを米国債にかえ保有しています。それを背景に赤字財政を続け6月末の日本国国債と借入金の残高は860兆円これに地方の借金を入れると1000兆円と言われています。金は有るのに貧乏人には回らない昔と同じ現象です。
このような状態を脱するには「徳政令」しかないのですが政権基盤が弱い民主党では目下無理でしょう。亀井先生の「中小企業向け返済3年猶予」は問題解決の試金石になると思います。
ご指摘のように次に起きる貸し渋りこそ貴君の提案される方法他知恵を絞ればよい事です。
おぎゃーと生まれた赤ちゃん一人頭に間で700万円もの借金があるこの国の形が異常です。
今朝のニュースでは夕張についで12ほどの市町村が臨終です。1兆ドルを超える外貨準備(大半が米国債ですが)の有効な使い方も考えましょう。静香先生に日本国青史に名を残して
欲しいものです。では又
亀井さん、金利の凍結
選挙前のTV出演のときから言ってましたね。
「向こう受け狙い」だと、思って見てましたが
まさか、金融担当相になっても・・・。
郵政担当問題でも、総務大臣の原口さんに
“私のシマに口出すな”発言もありましたし
鳩山さんの調整力って期待できるのかしら?
後先考えないその場限りの発想だったとしたら,まさに「バラマキ政策」そのものですよね。
そうではなく,深い考えの下に出てきた政策だと信じたいところなのですが・・。
鋭いご指摘ありがとうございました。日本の財政難の背景には,「無駄な米国債運用」もありますね。
「有事のドル神話」がこの期に及んでまだ政府内では根強いのではないでしょうか。
さて,モラトリアム法,やるにしても「融資活動は通常通り確実に行える」ことは必須です。ここは屁理屈をつけてないがしろにしやすい場所だけに,きちんとしておかないと,たとえご指摘のようなメリットがあったとしても,全部パーになります。
そこまで亀井大臣が考えていればよいのですが・・。
亀井大臣は,もともと「恨み節」からのスタートですから,はたしてどこまで政策を精査しているのか,また公正妥当な解決策を見出してくるのか少々疑問ではあります。
他の閣僚の意見を聞こうとしない時点で,ちょいとって感じですね。
日本オワタ
まあ,たまに闇のルールも無視することがあるところが玉にきずなのですがねえ。
いまだにこんなこと言う人がいるんですね。
その借金は誰からですか?
国債の保有者が国内の投資家で90%を超えています。なぜ負債だけ見るの??
そのロジックを使えるなら
>おぎゃーと生まれた赤ちゃん一人頭に間で650万円もの資産があるこの国の形。負債は50万円ですね。それはまぁ、ありかな。
モラトリアムを指示するなんて、考えられないと思ったら、こんな考えなんですね。それは仕方がない。
一般国民の大半は物価高に喘ぎまくる事態になるというのにね。原油高騰時代、ガソリン200円時代か?で大騒ぎした事をこうもあっさり忘れるとは。
国債は大半が国内投資家によるものですが,実際返済しているといえるか怪しいところがミソなのです。国債の還付といっても,それ以上に借金を繰り返している以上,結局は「国債を買った人が儲かっているように見える」だけだといえます。しかも,国債を買えるのは,国民の何割でしょうか?
ただ,いずれにせよ,ご指摘のとおり,物の一面しか見られない国民性は少々もの悲しさを感じます。