意外と知られていないようですが,消防法が一部改正され,一般の住宅においても火災報知器の設置が義務づけられるようになりました。具体的には,新築建物については今年の6月1日から,既存の建物については,平成23年5月31日までの間で各市町村が条例で定める日までに設置しなければいけないことになっているようです。
ただし,法律に違反して設置しなかったとしても,罰則はありませんから,実質的には努力目標的な規定に過ぎないと言えます。
確かにこれで火災による犠牲者は減らせるけど・・
この義務化は,火災による被害を検証してみたところ,少しでも早く発見ができた場合は助かったと思われる事例が多かったことから,初期発見を可能にするためのものです。そして,設置義務のある場所は,主に寝室と階段になります。
これが義務化されることにより,法の目的どおり火災による犠牲者は減少すると私も思います。したがって,これ自体は非常に良い制度だと思っています。
ところが,残念ながら,この制度のPRが完全に不足しています。まず,単純に,このブログご覧の皆様の中で,この情報を知っていた方はどの程度いらっしゃるでしょうか。逆に言うと,この記事を読んで「へー,知らなかった,そうなんだ!」と驚かれた方がいらっしゃるのではないでしょうか。
実は,私自身も,このことを知ったのは数日前のことです。しかも,情報ソースは政府公報等の公共機関のものではなく,消防設備業者のチラシ(広告)によってです。
したがって,私の情報収集力が疎いと言われればそれまでですが,現実に政府公報などによる公式文書によってこの情報を知っている人がどの程度いるのか,実は大いに疑問を感じます(一方で,自治体によっては積極的に広報活動を行っている町もあるみたいです。)。
次に,それに便乗してか,いわゆる「悪徳商法」も横行しはじめているようです。案の定,この法律が施行されることをチラシに書きながら,高齢者宅等を訪問し,あたかも「今すぐ付けないと法律違反になるよ。法律に違反したら処罰されるよ。」などと言葉匠みに騙して,法外な料金で火災報知器を設置しているという業者が出始めたようです。
もちろん,「ビッグビジネスのチャンス」とばかりに,各消防設備業者が,まじめに訪問販売などをしている場合が大半ではありますが,それにしても情報が乏しいために,悪徳商法に簡単に引っかかってしまう方が結構いるようです。
これも,しっかりと情報を提供していれば,もっと防げるのかもしれませんし,逆に言うとまじめにやっている業者からしても,「正しい情報さえ流れていれば,誠実な商売ができるのに,情報がないために即座に悪徳商法扱いされている」という嘆きにもなりかねないといえます。
さらに,火災報知器の設置義務っていうことは,当然今後各家庭において自腹で報知器を買うことになります。主要業者の料金表を見ると,1個5千円から3万円程度ではありますが,階段と寝室,子供部屋に付けるとなると,少なくとも3つ程度は必要となることから,自己負担が2万円から9万円程度になるといえます。
ところが,それに対する国や地方自治体での補助制度は全くと言っていいほど確立されていません。
これでは,結局のところ,「誰も設置しない」かまたは「金持ちだけが設置する」という状況にもなりかねず,法の所期の目標である「初期火災の発見による人的被害の軽減」という目的がほとんど果たせなくなります。もっといえば,この格差社会においては,「貧乏人は焼け死ね」と言わんばかりの仕打ちとも言えます。
やはり,せっかくの義務化である以上,国や地方自治体側でも,多少なりの補助制度を構築し,普及率を上げることが必要なのではないでしょうか。人命はお金では買えません。
もっとも,各市町村もこれから条例案について具体的に検討する段階であろうと思われます。条例制定の際は,単に政令が委任した事項を形式的に当てはめて,「猶予期間は平成23年」なんていう簡単なものではなく,よい機会なので「いかに火災を減らせるか」「いかに人命の安全を図れるか」までも考えた上で作成してほしいと思います。
そして,なによりも,まずこの制度の周知徹底を図ってほしいと思います。それだけでも,火災予防に対する興味関心と意識が多少なりとも高まるという小さな効果も期待できますから。
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http://blog.goo.ne.jp/giants-55/e/9f818acd87fc76a2bed5587ed7ab6f21
http://www.answer.co.jp/blog/suigei3/2006/05/post_13.html
http://imprezza-inada-1973.seesaa.net/article/17585985.html
ただし,法律に違反して設置しなかったとしても,罰則はありませんから,実質的には努力目標的な規定に過ぎないと言えます。
確かにこれで火災による犠牲者は減らせるけど・・
この義務化は,火災による被害を検証してみたところ,少しでも早く発見ができた場合は助かったと思われる事例が多かったことから,初期発見を可能にするためのものです。そして,設置義務のある場所は,主に寝室と階段になります。
これが義務化されることにより,法の目的どおり火災による犠牲者は減少すると私も思います。したがって,これ自体は非常に良い制度だと思っています。
ところが,残念ながら,この制度のPRが完全に不足しています。まず,単純に,このブログご覧の皆様の中で,この情報を知っていた方はどの程度いらっしゃるでしょうか。逆に言うと,この記事を読んで「へー,知らなかった,そうなんだ!」と驚かれた方がいらっしゃるのではないでしょうか。
実は,私自身も,このことを知ったのは数日前のことです。しかも,情報ソースは政府公報等の公共機関のものではなく,消防設備業者のチラシ(広告)によってです。
したがって,私の情報収集力が疎いと言われればそれまでですが,現実に政府公報などによる公式文書によってこの情報を知っている人がどの程度いるのか,実は大いに疑問を感じます(一方で,自治体によっては積極的に広報活動を行っている町もあるみたいです。)。
次に,それに便乗してか,いわゆる「悪徳商法」も横行しはじめているようです。案の定,この法律が施行されることをチラシに書きながら,高齢者宅等を訪問し,あたかも「今すぐ付けないと法律違反になるよ。法律に違反したら処罰されるよ。」などと言葉匠みに騙して,法外な料金で火災報知器を設置しているという業者が出始めたようです。
もちろん,「ビッグビジネスのチャンス」とばかりに,各消防設備業者が,まじめに訪問販売などをしている場合が大半ではありますが,それにしても情報が乏しいために,悪徳商法に簡単に引っかかってしまう方が結構いるようです。
これも,しっかりと情報を提供していれば,もっと防げるのかもしれませんし,逆に言うとまじめにやっている業者からしても,「正しい情報さえ流れていれば,誠実な商売ができるのに,情報がないために即座に悪徳商法扱いされている」という嘆きにもなりかねないといえます。
さらに,火災報知器の設置義務っていうことは,当然今後各家庭において自腹で報知器を買うことになります。主要業者の料金表を見ると,1個5千円から3万円程度ではありますが,階段と寝室,子供部屋に付けるとなると,少なくとも3つ程度は必要となることから,自己負担が2万円から9万円程度になるといえます。
ところが,それに対する国や地方自治体での補助制度は全くと言っていいほど確立されていません。
これでは,結局のところ,「誰も設置しない」かまたは「金持ちだけが設置する」という状況にもなりかねず,法の所期の目標である「初期火災の発見による人的被害の軽減」という目的がほとんど果たせなくなります。もっといえば,この格差社会においては,「貧乏人は焼け死ね」と言わんばかりの仕打ちとも言えます。
やはり,せっかくの義務化である以上,国や地方自治体側でも,多少なりの補助制度を構築し,普及率を上げることが必要なのではないでしょうか。人命はお金では買えません。
もっとも,各市町村もこれから条例案について具体的に検討する段階であろうと思われます。条例制定の際は,単に政令が委任した事項を形式的に当てはめて,「猶予期間は平成23年」なんていう簡単なものではなく,よい機会なので「いかに火災を減らせるか」「いかに人命の安全を図れるか」までも考えた上で作成してほしいと思います。
そして,なによりも,まずこの制度の周知徹底を図ってほしいと思います。それだけでも,火災予防に対する興味関心と意識が多少なりとも高まるという小さな効果も期待できますから。
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