三菱東京UFJFGがモルガン・スタンレーに出資を,野村FGがリーマン・ブラザーズのアジア部門の買収を,三井住友FGがゴールドマン・サックスに出資をそれぞれ検討しているとのことです。
三井住友銀、米ゴールドマンに2000億円規模を出資へ(読売新聞) - goo ニュース
まだババ抜きは終わっていないはずだが・・
まさに10年前のリベンジという感じでしょうか。山一,日債銀,長銀が破綻した際,外資系企業がそれぞれ二束三文で買いたたき,今日に至っています。このとき,日本が得た売却代金は,あっと言う間に外国人投資家に元に渡ってしまい,日本には「不良債権の山」だけが見事に残されました。この産業廃棄物を最後は税金で処理したのです。
今回,アメリカでは10年前の日本と全く同じことが発生しました。今度は,日本の金融機関がリベンジといわんばかりに買収攻勢をかけてきました。
一見すると,「頑張れ,日本企業」っていう感じもするのですが,ちょっと恐いのは「サブプライムローンの負債はこれからもっと発生する」ということです。すなわち「恐怖のババ抜き」はまだ続いているのです。日本の金融機関はただでさえババ抜きに参加しているのに,ここでアメリカの金融証券企業を傘下に持つというのは,「積極的にババ抜きに参加」したといえます。つまり「ハイリスク勝負」といえます。
ハイリスク勝負に出るからには,ハイリターンが期待できればそれもありです。しかし,アメリカ経済は素人目に見ても下降線に入りました。ということは,アメリカの金融業界は少なくともこれから数年は「経常赤字」となる可能性が高く,ここから収益をえるのは至難の業です。つまり「ハイリターン」にはほど遠いと言えます。
もちろん,10年後,20年後を見据えているとすれば,結果的にリターンが期待できるかもしれませんが,はたして,今の日本の金融業界にそこまで耐える体力があるか,疑問が残ります。
そして,何よりも心配なのは,「日本から買収費用として流出した外貨を日本市場が取り戻せるか」という点です。前述のとおり,ハイリターンが期待できれば,出資金以上の外貨を獲得できますから,日本市場は万々歳です。しかし,それは少なくとも数年は無理な相談です。
そうすると,次はアメリカ市場に投資している日本人投資家がいかに資金を回収できるかにありますが,残念ながら,日本はバブル崩壊後,機関投資家は減少しており,出資金相当の外貨を日本人投資家が獲得するのはほぼ不可能でしょう。
とすると,結局のところ,「出資によって,日本経済はほとんど改善しない」ということになります。
アメリカ企業を買収してはいけないとまでは言いませんが,日本の金融機関はなんだかんだいって「日本の預金者」で成り立っている以上,まずは「国内経済回復に向けての対応」を考えてほしいと思います。特に,税金で経営を持ちこたえてきたわけですから,少なくともその分については,日本市場にしっかりと吐き出す必要があります。日本あっての日本企業なのですから。
よろしければ1クリックお願いしますm(__)m→人気blogランキングへ
TB先一覧
http://ameblo.jp/kokkeibon/entry-10143549662.html
三井住友銀、米ゴールドマンに2000億円規模を出資へ(読売新聞) - goo ニュース
まだババ抜きは終わっていないはずだが・・
まさに10年前のリベンジという感じでしょうか。山一,日債銀,長銀が破綻した際,外資系企業がそれぞれ二束三文で買いたたき,今日に至っています。このとき,日本が得た売却代金は,あっと言う間に外国人投資家に元に渡ってしまい,日本には「不良債権の山」だけが見事に残されました。この産業廃棄物を最後は税金で処理したのです。
今回,アメリカでは10年前の日本と全く同じことが発生しました。今度は,日本の金融機関がリベンジといわんばかりに買収攻勢をかけてきました。
一見すると,「頑張れ,日本企業」っていう感じもするのですが,ちょっと恐いのは「サブプライムローンの負債はこれからもっと発生する」ということです。すなわち「恐怖のババ抜き」はまだ続いているのです。日本の金融機関はただでさえババ抜きに参加しているのに,ここでアメリカの金融証券企業を傘下に持つというのは,「積極的にババ抜きに参加」したといえます。つまり「ハイリスク勝負」といえます。
ハイリスク勝負に出るからには,ハイリターンが期待できればそれもありです。しかし,アメリカ経済は素人目に見ても下降線に入りました。ということは,アメリカの金融業界は少なくともこれから数年は「経常赤字」となる可能性が高く,ここから収益をえるのは至難の業です。つまり「ハイリターン」にはほど遠いと言えます。
もちろん,10年後,20年後を見据えているとすれば,結果的にリターンが期待できるかもしれませんが,はたして,今の日本の金融業界にそこまで耐える体力があるか,疑問が残ります。
そして,何よりも心配なのは,「日本から買収費用として流出した外貨を日本市場が取り戻せるか」という点です。前述のとおり,ハイリターンが期待できれば,出資金以上の外貨を獲得できますから,日本市場は万々歳です。しかし,それは少なくとも数年は無理な相談です。
そうすると,次はアメリカ市場に投資している日本人投資家がいかに資金を回収できるかにありますが,残念ながら,日本はバブル崩壊後,機関投資家は減少しており,出資金相当の外貨を日本人投資家が獲得するのはほぼ不可能でしょう。
とすると,結局のところ,「出資によって,日本経済はほとんど改善しない」ということになります。
アメリカ企業を買収してはいけないとまでは言いませんが,日本の金融機関はなんだかんだいって「日本の預金者」で成り立っている以上,まずは「国内経済回復に向けての対応」を考えてほしいと思います。特に,税金で経営を持ちこたえてきたわけですから,少なくともその分については,日本市場にしっかりと吐き出す必要があります。日本あっての日本企業なのですから。
よろしければ1クリックお願いしますm(__)m→人気blogランキングへ
TB先一覧
http://ameblo.jp/kokkeibon/entry-10143549662.html
おかにゃんさん、”補欠者借金証券制度”だけではありまへんがな(スーパーサブ汗)
リーマンさんが発行したお侍、もとい”お「サムライ債」”をお買いあげになったところもいろいろありまっすな(お客様汗)
仄聞するところでは、その”お客様”の属性としては、当該ブツが”円建て”でありまっから・・・(汗)
http://moneyzine.jp/article/detail/9404
まっ、今回のリーマンさんは自己責任なんでしょうが、国際金融協調とかのお題目で・・・<以下自主規制汗>
さて,お侍さん,去年のサブプラ問題を機に,多くの金融機関で,「為替リスクナッシングー」などといって結構売り出していますね。将軍さまではちと恐い,っていう事情だと思います。
ただ,デフォルトリスクがあることを意外と失念しちゃっている投資家も多いので,今回のリーマン兄弟を契機に,もう一度見直してみる必要があるかもしれませんね。
ちなみに,私には将軍さまもお侍さんもいません。っていうか,債権債務は全くない状態です(資産ナッシングー汗)