テロリストなどに対抗するための組織である警視庁SATの訓練光景が公開されました。
人質救出訓練や遠距離射撃などの訓練光景を公開し,しかも訓練は実弾で行うという状態でした。
警視庁SATが訓練初公開 北海道洞爺湖サミット控え(共同通信) - goo ニュース
あれはほんのウォーミングアップです
SATは特殊部隊なので,そもそも警察内部でさえも誰が隊員なのか分からない状態です。映画「踊る大捜査線」においても,SAT突入シーンを見た一般市民を口止めするという場面がありましたが,あながち嘘ではないようです(ただ,実際そういう場面がないだけのことです。)。
そんな超極秘部隊の訓練を公開したのには訳があります。表向きは来年の洞爺湖サミット対策ということにしていますが,実際は「ロンドンテロに対する警戒」にあるといえます。すなわち,「東京でテロ行為を起こそうとしたら,日本といえども射殺しますよ。」というメッセージを世界中に発信していたといえます。
事実,訓練シーンの大半は射撃場面であり,しかもそのほとんどは「犯人の頭部に弾丸数発が見事に命中」というシーンをこれ見よがしに示しています。これは,すなわち「犯人の死」に当たるわけです。
ところが,これまでの日本警察は,「犯人は射殺しない」という絶対的スタンスを持っていました(かつてシージャックを射殺した警察官が,その後人権派弁護士らに殺人罪で告訴され,刑事裁判になったということすらありました。当然無罪となりましたが,それ以降,射殺には消極的になっています。)。当然,このスタンスは世界的にも有名となっているため,テロルにしてみたら,「日本なら殺されないで済むから楽勝」となめた態度でテロ行為に及ぶ可能性があるわけです。
今回の訓練公開は,「日本警察をなめるな」というメッセージが込められているとみていいでしょう。
もちろん,この公開については,異論はかなりあります。一番多いのは,「極秘部隊の手の内を示すな」という点ですが,今回公開している点は,実はSATのイロハのイの部分であり,世界中の特殊部隊が行っている基本訓練のレベルです。したがって,別に公開しなくてもテロルは知っているレベルの内容です。実際はもっと高度な訓練を積んでいますので,私たちの想像も及ばない手法や機材などでの犯人制圧方法は持っています。
むしろ,テロル以外のチンピラが立て籠もるという場合に「立て籠もったら死ぬぞ」というメッセージを伝えることができたわけですから,治安維持の観点からすれば,公開した効果の方が大きかったといえます。
ただし,SATにはまだまだ問題が多いです。今回公開したのはあくまでも警視庁のSATです。すなわち,「東京の警察」なのです。したがって,厳密に言えば,洞爺湖サミットの警備のメインたる北海道警の話ではないのです。北海道警がどのレベルの特殊部隊を持っているのか分かりませんが,少なくとも警視庁のSATは,洞爺湖サミットの警備は「お手伝い」レベルのことしかできません。
SATをもっとレベルの高い国家規模にするのか,それとも47都道府県すべてに配置するようにするのかなど,SATのあり方については早急に考える必要があるでしょう。
また,当面の措置としては,「指揮命令系統のありかた」も考えなければなりません。先の長久手町の事件では,愛知県警,警視庁,大阪府警のSATや機動隊応援がありましたが,それぞれ指揮系統の統一が図られなかった点が,事件解決を長期化した要素になったといわれています。
さしあたり,洞爺湖サミットまでの間に,北海道警と警視庁との間で,明確な指揮系統ルールを確立する必要があるでしょう。もちろん,事件は突発的に発生しますから,どの地域であっても混乱しないような明確なルールづくりが求められます。
いくら優秀なSATチームを作り上げても,指揮官が3流では無駄な組織になってしまいます。この点だけは,警察官僚は肝に銘じておくべきです。
まあ,本当の理想は,SATのメンバーが毎日「暇だなあ,今日何しようか?」と言ってられるような世の中になることなのですが,それは無理な相談ですね。
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人質救出訓練や遠距離射撃などの訓練光景を公開し,しかも訓練は実弾で行うという状態でした。
警視庁SATが訓練初公開 北海道洞爺湖サミット控え(共同通信) - goo ニュース
あれはほんのウォーミングアップです
SATは特殊部隊なので,そもそも警察内部でさえも誰が隊員なのか分からない状態です。映画「踊る大捜査線」においても,SAT突入シーンを見た一般市民を口止めするという場面がありましたが,あながち嘘ではないようです(ただ,実際そういう場面がないだけのことです。)。
そんな超極秘部隊の訓練を公開したのには訳があります。表向きは来年の洞爺湖サミット対策ということにしていますが,実際は「ロンドンテロに対する警戒」にあるといえます。すなわち,「東京でテロ行為を起こそうとしたら,日本といえども射殺しますよ。」というメッセージを世界中に発信していたといえます。
事実,訓練シーンの大半は射撃場面であり,しかもそのほとんどは「犯人の頭部に弾丸数発が見事に命中」というシーンをこれ見よがしに示しています。これは,すなわち「犯人の死」に当たるわけです。
ところが,これまでの日本警察は,「犯人は射殺しない」という絶対的スタンスを持っていました(かつてシージャックを射殺した警察官が,その後人権派弁護士らに殺人罪で告訴され,刑事裁判になったということすらありました。当然無罪となりましたが,それ以降,射殺には消極的になっています。)。当然,このスタンスは世界的にも有名となっているため,テロルにしてみたら,「日本なら殺されないで済むから楽勝」となめた態度でテロ行為に及ぶ可能性があるわけです。
今回の訓練公開は,「日本警察をなめるな」というメッセージが込められているとみていいでしょう。
もちろん,この公開については,異論はかなりあります。一番多いのは,「極秘部隊の手の内を示すな」という点ですが,今回公開している点は,実はSATのイロハのイの部分であり,世界中の特殊部隊が行っている基本訓練のレベルです。したがって,別に公開しなくてもテロルは知っているレベルの内容です。実際はもっと高度な訓練を積んでいますので,私たちの想像も及ばない手法や機材などでの犯人制圧方法は持っています。
むしろ,テロル以外のチンピラが立て籠もるという場合に「立て籠もったら死ぬぞ」というメッセージを伝えることができたわけですから,治安維持の観点からすれば,公開した効果の方が大きかったといえます。
ただし,SATにはまだまだ問題が多いです。今回公開したのはあくまでも警視庁のSATです。すなわち,「東京の警察」なのです。したがって,厳密に言えば,洞爺湖サミットの警備のメインたる北海道警の話ではないのです。北海道警がどのレベルの特殊部隊を持っているのか分かりませんが,少なくとも警視庁のSATは,洞爺湖サミットの警備は「お手伝い」レベルのことしかできません。
SATをもっとレベルの高い国家規模にするのか,それとも47都道府県すべてに配置するようにするのかなど,SATのあり方については早急に考える必要があるでしょう。
また,当面の措置としては,「指揮命令系統のありかた」も考えなければなりません。先の長久手町の事件では,愛知県警,警視庁,大阪府警のSATや機動隊応援がありましたが,それぞれ指揮系統の統一が図られなかった点が,事件解決を長期化した要素になったといわれています。
さしあたり,洞爺湖サミットまでの間に,北海道警と警視庁との間で,明確な指揮系統ルールを確立する必要があるでしょう。もちろん,事件は突発的に発生しますから,どの地域であっても混乱しないような明確なルールづくりが求められます。
いくら優秀なSATチームを作り上げても,指揮官が3流では無駄な組織になってしまいます。この点だけは,警察官僚は肝に銘じておくべきです。
まあ,本当の理想は,SATのメンバーが毎日「暇だなあ,今日何しようか?」と言ってられるような世の中になることなのですが,それは無理な相談ですね。
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ふむふむ、「さーっとSAT」なのでございますね(謎汗)
ところでSAT繋がりでございますが、こないだ発売の『週刊文春』に拠りますと、あの『不肖宮嶋茂樹』さんが、海上自衛隊の「対不審船特殊部隊」を写真にて報告しとりました(宮嶋汗)
名をば・・・「Special Boarding Unit」、略称「SBU」なのだそうでございます(無理矢理3文字感もありそな?汗)
ちなみに「SBU」だかと言って、「すぶた」ではございません(ベタ汗)
んでばオチが悪そうなのでこの辺でお暇にございます(ばいばい汗)
北海道警、千葉県警、神奈川県警、愛知県警、福岡県警
にもあるようですよ。
それから
※SATは各都道府県警察本部に所属する形をとっているが、部隊運用は、ほとんど国家予算(国費)で賄われており、管轄等に関係なく、航空隊のヘリコプター等で全国に緊急展開できる体制が整えられている。
とのことです。
Wikipediaより
SBUですか。なんか,サブマリンのように沈んでしまいそうですね,不審船対策なのに(^_^;)。
しかし,3文字の部隊が多いなあ,と思ったら,ウルトラシリーズではほとんどが3文字英語でした。
多分,今の警察,防衛幹部はウルトラマンで育った世代だから,本能的に「英語3文字」になってしまうのかもしれませんね。
もちろん,何の根拠もありませんが(^_^;)
確か全国8カ所にあるということでしたが,主要都市にはあるのですね。ただ,埼玉や京都,兵庫などといった結構大きな府県にないのが心配ですが・・。
あと,一応国家予算が担保されているわけですか。ただ,形式上は都道府県警にいるため,本文で指摘したような指揮系統の問題が出てしまいます。
ちなみに,今の警察法では,国家警察はできないみたいです。戦前の特高の反省によるからとのことです。
「2007年5月に発生した「愛知立てこもり事件」でSAT隊員が殉職したことを受け、警察庁は同年6月、SAT支援チーム「SSS」(SAT・サポート・スタッフの略称、スリーエスと呼称)を発足させた。
SSSは、SATの効果的な運用と、隊員の受傷事故防止を目的としており、警察庁のほか、警視庁、大阪府警のSAT経験者、現役隊員ら10人程度で構成される。SATが出動した際は、SSSから2、3人が現地に赴き、警視総監や警察本部長にSATの態勢や活用方法を助言し、刑事部との連携や警察庁警備局などとの連絡調整を担当する。」
一応、考えられているのではないでしょうか。
なるほど,やはり長久手の事件を踏まえて早速検討を始めたのですね。
あとは,現場で機動的かつ効率的な指揮系統となるような結論になってほしいものですね。