あれは,あれで良いのかなPART2

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やっと日銀介入,されど効果は口先介入程度かなあ?

2010年09月15日 23時31分59秒 | 経済全般
1ドル82円台まで円が急騰したことを受けて,政府および日銀は6年半ぶりに円売りの市場介入に入りました。それを受けて,1ドル85円台にまで急落しました。
日銀は,介入規模を公表していませんが,1兆円規模ではないかなどと言われています。また,明日以降の介入の可否についても特に明言をしていません。

政府・日銀が市場介入、一時85円台まで急落(読売新聞) - goo ニュース

投資家がどこまで同調してくれるかなのですが・・

政府・日銀が市場介入に慎重であったのには,訳があります。私がハワイに行っている間は円高の方が良かったからです(うそです!)。
本当の理由は,外為市場規模が今や巨大化過ぎるため,政府の資金程度では,とても市場の相場が動かないからです。例えるなら,100万円の掛け金で競馬のオッズを変えたいとした場合,地方競馬ならオッズが結構変化しますが,中央競馬の場合,100万円程度ではほとんどオッズの変化はありません。それは,掛け金総額がけた違いだからです。それと同じで,外為市場も,もはや1兆円程度では本来動かないのです。

では,なぜここで市場介入に出たのでしょうか。考えられる理由としては,まず「やらないよりまし」ということ,もう一つは「菅首相続投へのはなむけ」,そして最大の理由は「口先介入の効力が切れた」っていう点にあるでしょう。
当然ですが,日本経済のことを考えると,1兆円規模であれ,やらないよりやった方がましです。むしろ,遅すぎたかもしれません。せめてあと2か月早く介入していれば,もっとはやく90円台に回復することができたかもしれません。
しかし,何度も言うように,1兆円程度では,相場は動きません。ところが,今回,3円近くも円安にぶれました。なぜでしょうか?
それは,単純な話で,「投資家がつられた」っていう点にあるからです。日銀の市場介入の効果は,直接的な効果だけではなく,それにより投資家も動くという間接的効果も期待されています。そして,市場が巨大化している場合,むしろこの「間接的効果」の効力の方が強く期待できるのです。
今回,日銀は,朝から「やるぞ,やるぞ,やるぞー」って言ってました。おそらく,それにつられて投資家も「じゃあ,いっちょう乗るか!」っていうことで,円売りに同調してもうけようとしたものと思われます。
言ってしまえば,市場介入もある意味「口先介入」なのです。

なので,問題は明日以降です。おそらく,明日も市場介入は続けてくると思います。ただ,規模が読めません。引き続き1兆円規模の介入をするにしても軍資金が用意できるか微妙です。そもそも,今回は「非不胎化」としたため,1兆円のマネーサプライを国内にしたようなものですから,インフレ傾向に走っています。そこで,さらに1兆円も介入したら,さらに1兆円のマネーサプライをしたことに等しくなり,ますますインフレ傾向が加速化しかねません。そうなると,日本経済が混乱をきたし,結果「何のための介入なんだ?」っていう本末転倒なオチになりかねません。
かといって,ここで介入を止めると,投資家は「なーんだ,もう終わりか」っていうことで,円売りを止めて再び円買いに走ってしまう恐れがあります。そうなると,元の黙阿弥で,どぶに捨てた1兆円になってしまいます。
日銀としては,ここは「資金介入を口先でフォロー」っていうパターンで場つなぎするしかないでしょう。ここは,プレゼン能力がどうかっていう手腕にかかってきます。

さてさて,明日の市場,どう動くでしょうか。ちょっと怖いです・・。

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