思いで陽だまり

自分に甘く、他人にはもっと甘く、1960年生まれがゆるっと精神的気休めに書いてます。

チューリップとあれこれ

2021-05-25 22:54:16 | 日記
私の父親は短気なくせに植物が好きで春になると
丹精込めたチューリップが咲くのを見てにこにこと嬉しそうな人だった。
普段はめったな事では笑わない人だっただけにチューリップには感謝しかない。

昔のチューリップは今みたいなお洒落な八重咲きや小さな花は無く
本当に幼稚園児がチューリップとして描くそのままの単純な形、色だった気がする。
オランダにはチューリップバブルと呼ばれる日本の土地バブルをしのぐすごいバブルがあったそうだ。
たかが球根、されど球根、需要と供給をめぐって熾烈な駆け引きがあったようで今回ビットコインなどもチューリップバブルと同じとする向きもあるけれど、さてどうなるやら。
ちなみに1ビットコインが4月半ばに700万円だったのが今現在400万円付近を行ったり来たり。。700万円の時に買った人は300万円も値下がりした事になります。
これから再度値上がりするまでひたすら待つか、売って損切りするか苦しい選択です。間違っても悲観して命を縮めるような事はありませんように。

さて小学校4年生の時、家のチューリップを父が学校へ持っていくように包んでくれました。
新聞紙にくるまれた赤や黄色のチューリップを先生に差し出すのが照れくさく、でも父からのお達しなのでシャイな私は勇気をだして
「先生、これ.....父が....(以下無言)」
当時38歳の男性担任が快く受け取ってくれ
「花というのは、花も綺麗だけど、花を見て綺麗だと思うその人の心が美しいんだよ」
と一言添えてくれました。
んーわかったようなわからないような。でも父の気持ちは伝わってると感じました。

それから半年ほどすぎて、その担任の先生は大好きだったお酒を家で飲んでいる最中に「切れた。。。。」と一言だけ発して帰らぬ人になりました。
脳の血管が切れた脳卒中のようでした。
私は引っ込み思案と妙に頑張る所と色々変な子でしたが、先生は肩車をしてくれたり、時には厳しく時には優しく見守ってくれたおかげで普通の子に近づいてまして先生の死が悲しくて悲しくて
お葬式には「先生のばかーーーー」と思いっきり叫ぶ許可をもらって叫びました。

あれから半世紀、時の流れははやいものです。
先生ありがとうございました。先生より長生きしてしまい
花を育てた父も他界しましたが
あの春の日の先生の言葉今でもわすれません。
「花というのは、花も綺麗だけど、花を見て綺麗だと思うその人の心が美しいんだよ」