奈良県では、9月から11月にかけて、「文化の力で奈良を元気に!」をテーマに、「奈良県大芸術祭」と「奈良県障害者大芸術祭」が開催されます。
⇒NARA ARTS FESTIVAL
この大芸術祭の一環で「能面展」も開かれます。
能はどちらかと言えばとっつきにくく敬遠されがちな演劇の部類に入ると思います。
題材が古典的ですし、どちらかと言えば抽象的で、普段馴染みのないことも原因でしょう。
ただ、最近は能楽師の野村萬斎をテレビで見かけることも多くあり、東京オリンピック・パラリンピックの開会式や閉会式を総合統括するということで話題にもなって少しは身近になった感があります。
能と言えば能面ですよね。
⇒NARA ARTS FESTIVAL
国の重要文化財に指定されている伝増阿弥作の能面増
最初に作られた表情があるものの、その後は変わらないので、無表情ということになるのでしょうか。
面ですので自ら変わることはありません。
無表情な人を「能面のよう」と例えることもあります。
ただ、この能面が演じる人の動作や話の流れでなぜかしら表情を変えるように感じます。
見えないものが見えてくるといった感覚ですよね。
実際に生の舞台をまだ見たことはありませんが、なかなか舞台のセリフは聞き取りにくいですからある程度筋書きを頭に入れて、一体となってその場にいると、きっとその空間に巻き込まれて違った世界に入っていくような気がします。
詩人の谷川俊太郎の「まじめな顔つき」という詩があります。
まじめなひとが
まじめにあるいてゆく
かなしい
まじめなひとが
まじめにないている
おかしい
まじめなひとが
まじめにあやまる
はらがたつ
まじめなひとが
まじめにひとをころす
おそろしい
まじめなひとを「無表情なひと」と置き換えれば、何か別の詩が作れそうですね・・・・・
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