
「松風供一啜」
東大寺道善師筆
花 秋明菊
長板諸飾り 濃茶点前
諸飾りの稽古の時には
「座り火箸に立ち火箸」
という稽古言葉を
聞いたことがある方も
多いのではないでしょうか
「稽古言葉」とは
点前の内容として
茶書などに
きちんと書かれているわけではないけれど
覚えやすいように
いつの頃からか
稽古場の中で生まれ
伝えられてきた教え言葉であると
聞いています
他には
「入り飾り」「リ飾り」「ト飾り」
なども
稽古言葉と聞いております
そういえば
茶道では
お茶独特の言い回しが
色々ありますね
「建水上に置く」と言っても
建水の上に乗せるわけではないし
「杓を蓋置にひく」と言うのは
皆さんご存じの通り
杓を引きずるわけではなく
蓋置の上に合を乗せて置くことです
「にじる」という言葉も
お茶をしていない方には
ぴんとこないかもしれません。
あらためて思いましたが
私達お茶を嗜む者は
お互いに通ずる特別な言葉を
たくさん共有しているのですね

主菓子 こぼれ萩 鼓月製

干菓子 塩芳軒製