麒麟の翼

崖っぷちだった。本当に思い詰めてしまった。
新しい仕事への前向きさよりもやり残した分の引き継ぎの後ろめたさで。
眼もかすんできて明らかに小さな変色している部分がある。
病院もいけないくらい残りの時間がない。
なんだか本当に思い詰めていて、孤独でどうしようもなかった。

こんなときには誰の言葉も届かないしほしい言葉なんてもらったこともなかった。

だけどこの中でひかりを見つけたから。
誰の言葉の中でもない、あなたへと向き合う私はいつだってあの前向きさを取り戻せる。
ストレートな不安ではない、ちょっとギャグにして伝えつつ違う話題を話してる。

そうしたら不思議なことになんだか大丈夫だと思えるようになってきた。
なんとかなるかもってあなたの強さを借りているみたいね。

ありがとう。あなたは私の翼そのものだね。
まだ羽ばたけることを教えてくれる。
きっと私を飛ばせてくれたのは恋人でも他でもなくあなたなんだね。あなたを見上げて追いかけてきたから、今こんなに高くいるんだね。
あなたと同じものが見たくて背伸びしてきた。
いつの間にかここにいていいようのない苦しみに生きるようになってだけどまだ飛べるんだってあなたを思ったら信じられるや。
ありがとう。大好きだよ。本当にありがとう。
頑張るからもう少し待ってて。