人生を例えるならば赤いスポーツカーを乗って突っ走ってる。誰を乗せていても楽しそうに笑っている。
いつでもワイワイ騒がしくてだけどひとりで走るのもわるくない。スピードは速いのにいつだってブレーキハンドルに手をかけていざに備える慎重なことがある。
運命的に好きになった。
その愛くるしい微笑みと丸い背中を愛していた。
大きな瞳にうつるたびに愛しくて触れたくて仕方なかった。抱きたかった傍に置きたかった。
君と仕事をするということは与えることだった。
僕の知識ややり方を教え導き手伝いアシストすること。
プライベートでも深くなっていこうとしていた。
君の大好きなサッカーを見に会社帰りにスタジアムへ向かった。帰りの優しい雨に僕が傘をさした。
入る君が僕の傘を持って渡された持ち手は暖かかった。
想いをつげるにはまだ距離が足りなかった。
それはお互いわかってきて遠慮がちで。
始めるには覚悟も準備も必要な間柄。
長い長い橋の向こう側から一歩ずつ縮めていく歩み寄る恋だった。
なによりも時間が必要だったのに僕の転勤であっというまに崩されてしまった。
君の想い君の表情心から寂しいと伝えてくれた一心同体の日々は幕を閉じた。
離れていても好きでいたかった。
君を想って泣いていたかった。
もう新しい恋なんていらないと思っていた。
自分から好きになるなんて。