ひとりきりの夕方ほど危険なものはないわ。
だってこんなに憂鬱になって世界に取り残されたような気持ちで。
このまま眠りに落ちて溶けてしまいそうで。
遠く離れた想い人の中の私はどんどん消えてしまいそうだから。
だから動けなくなりそうなの。あなたの頑張れに追い詰められていく。
不器用なのは知っている。本当は心配してくれているのに優しい言葉を選ぶのは憚られるからだからいつも頑張れって励ます。わかってるから当たり前だからたまに辛くなる。
だけどね。この夕方クライシスからの救済をひとつだけ知っている。
それは私を試し苦しめ奪うが仲間と絆と出会いを与え、何度も私を救ってきたもの。
胴着を着て帯を締め、畳に出れば苦しみが消えていく。
また出会う。この競技。
眠り姫なんて柄じゃないの。だって来てくれるかなんてわからないじゃない。
私は美しく勇敢な王子でありたい。
いつだって自分で切り開いてきたじゃないか。
選ばれるのを待っていたり比べたり気にしすぎたら負けだよ。
ありがとう。