瓶の中に入った青いキラキラとした液体。いや、キラキラはもしかしたら周囲の目玉によるライトアップのせいかもしれない。だからあの液体の効果……ではないかも。そこら辺はよくわからない。一応G-01で解析をかけてるが、流石に遠目で見るだけではちょっとした成分くらいしかわからない。
まあそこまでわかるのも優秀とは思う。流石はG-01。ソードコアの影響? それはべつにない。はっきり言って『彼』がなげた瓶は普通の人間サイズの彼が持てるくらいの瓶だったわけで……それに対してメタリファーは普通にG-01よりも大きい。
普通の人間サイズの彼が持てる瓶に入るだけの液体。そしてそれを受け取ったのは人間よりも十倍以上もサイズが違うメタリファーという存在だ。単純に考えてあの液体の量で足りるのだろうか? と思ってしまうのも仕方無いと思う。だってサイズ感的にさっき彼が投げた瓶にはいってる量ってそれこそメタリファー換算では水一滴……くらいでない? 流石に毒にも致死量というのがある。あれは毒ではないだろうが、つまりは効果をもたらすための量……というものだ。
それって普通ならあるよね? そしてその量というのは体の大きさによって量は増えるはずだ。だって小さな小動物なら少量の毒が致死量になるが、クジラとかなら、その巨大さでどうにかできてしまうものだろう。
そしてその理論でいうのなら、メタリファーはクジラさえも比較にならないくらいに大きい。まあ流石に100メートル以上のサイズではないが、その半分くらいはある。それなのにたった数百ミリリットル程度って……効果なくない? と思えてならない。
「あれは、効果があるのでしょうか? 流石に少なすぎたのでは?」
私と同じような疑問をどうやら勇者もおもったらしい。まあ普通に出る疑問だよね。けどそれに反証するのはアイである。私が格納してた部分から出てきてるアイは自身で飛んでこの光景を見守ってる。
「量に問題なんてないわ。そこら辺をあの人が考えてないとでも?」
「でも流石に……」
アイのいうこともわかる。だって彼は天才だ。それも歴史に残る程の天才。私の以前の世界風に言うと、ノーベル賞を取れるくらいの天才である。それを考えると、私達のような凡人が考えるようなミスを天才である彼がおかすわけないよね。そもそもがあれはメタリファーの為に……メタリファーとの契約? の為に用意してたみたいなものだし……メタリファーに効果がない量をなげ渡すなんて……そんなのは契約違反というかむしろ契約破棄を叩きつけてるに等しくない? 流石にそんな事はしないだろうってきがするけど。
だって彼はメタリファーに感謝してた。実は恨んでてもう死んでることだし、死んだ後なら殺されることもないからやりたいことをやってやろう――とかいう事?
(うーん、流石にないと思うけど……)
そんな事を思ってると、メタリファーはその長い腕を大きく広げて――
『オオオオオオオオオオオオオオ』
――とか叫び出した。
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