私は運命とは予め決められた道筋のようなものだと思ってる。それは絶対じゃないのかもしれないがある程度はレールが敷かれてるみたいな? てか運命が有る……と信じるのであればそういうことになると思ってる。
でも、実際誰かが運命を証明したことはない。観測したことも……いや、この世界のそれもG-01を作り上げたような世界の人たちなら、運命……さえも科学にしてしまってるのかもしれない。
彼の言葉的にもきっとそうなんだろう。推測しても意味はないし、時間の無駄だろう。だから私は素直に聞くよ。
『聞かせてください。科学的な【運命】というものを』
『俺達の世界が定義した運命は魂を分析してこれからの未来を観る技術のことだ』
『なる……ほど』
とりあえず私は知ったか振りをすることにした。だって私はG-01だからだ。外で見える部分はなるべく威厳を意識しないといけない。間違っても外に向かって「はえ?」――とかいう間抜けな声を出すことはできない。なので私はわかってる空気をだすのだ。
とりあえずG-01で運命を検測してる。だってG-01は彼と同じ世界の産物。だからその世界の情報だって多少はある。更にいうと、このG-01はたくさんの機能を追加できる関係上。その情報は膨大にあるのだ。
他の世界からしたら、その情報だけでG-01は宝石に見えてもおかしくない。だってどの世界よりも進んでた世界の情報だ。数世紀……それかもっと先の情報かもしれないからね。
だからこそ運命も検索したらあるかなーって思った。普段はそんな運命なんて言葉検索しないからね。運命をどうにかしようなんても思ってなかったし……けど今の私のこのG-01に縛られてる現状をどうにかするには運命をどうにかしようとするのは有効だったのかもしれない。
まあけど運命って私のイメージではそれを直接なにかできるってイメージはなかったからね。自分の行動と選択、それを信じるしかなかった。
『なるほど、魂を観測できたことで、魂の経緯を知り得たみたいですね。経緯というか経歴でしょうか?」
魂は目に見えるものじゃない。けどたくさんの世界がそれぞれの神によって管理されてる。そんな姿をしてるここなら、魂がそのままの世界とかあったかもしれない。 G-01が世界を渡る事ができるんだから、きっと彼の世界は世界を渡る技術だって持ってるはずだ。
どんな方法かはわからないが、とにかく魂を完璧に観測できるようになったから、それを分析して経歴を得られたみたい。では魂の経歴とはなにか? 普通生まれ変わったら、前世のことというのは覚えてない。でもどうやらこの運命の記述によると、覚えてないだけでそれらのすべてが消えたわけじゃないらしい。魂にはそれが刻まれてるのだ。
だからそれらの過去、魂の過去を分析することでどうやらある程度の未来を予測できるらしい。
(これって、占いと何が違うのかな?)
とか思ったけど私は口にしない。
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