それなりに大きなその腕とわっか。あれは一体? ここの守護者みたいなものでしょうか? でも出てくるの遅くないですか? だってここを守りたいのなら、もっと早く出てくるべきでしょう。でないと、既に塔というか柱というか……それは壊されてしまってます。
キュインキュイン――そんな音と共に、何やらわっかの光が放たれる。すると再び赤く染まりつつあったこの場所の色が今までとは違う色になる。いえ、これは特定の色ではないです。虹色とでもいうのでしょうか? 私もそんなに見たことない様々な色がこの場所に広がってます。
そして……
「とまってる?」
こちらに向かってた大量の目玉たち……さっきまで私たちを必死に倒そうとビームを放ってたのに……今はその目玉を虹色に光らせて止まってます。あの獰猛……というのは違うかもですが、躍動的? な目玉がまったく動かなくなって、全部が……見える範囲全部の目玉たちの光が同じような虹色になってる。
これは一体……
「くっ……」
「だ、大丈夫ですか?」
私は勇者様へと声をかけます。あの勇者様がダメージを追ってる? 勇者様に攻撃を通すなんてそれだけで異常です。なにせ勇者様もアイ様も見た目は普通に私達と変わりないように見えますが、実はその体はとても頑丈です。
もちろん普段からカッチカチ……なんて事はないです。特にアイ様はきめ細かな肌、輝く髪、潤った唇とそもそもなんかあんまり汚れません。それに肌も柔らかいです。でも剣とかナイフとかをその肌で受け止めることができます。
つまりは特別なのです。ただの肉体ではない。勇者様とアイ様は全く同じ……とは言えないでしょうけど、頑丈なのは私が見てます。だから勇者様だってなかなか傷なんてつかない筈なのです。
「大丈夫……それよりも……油断はしないで」
ブン――と勇者様はそういって聖剣を軽く振るいました。そして再びその聖剣に光を集めます。そんな勇者様よりも先にアイ様が銃を構えました。
「凄いエネルギーをしてるわよあいつ!」
アイ様の声が……震えてる? 強い口調で言ってますけど、そこには緊張が伝わってきました。アイ様も勇者様もあの現れたわっかと腕の存在にかなり警戒を現してる。
私はまだ戦闘の勘? というのでしょうか、それが研ぎ澄まされてるとは思ってません。だからきっと鈍感なんでしょう。けど二人がこんな風になってるということは、あれはきっとかなり強い存在という事……私は喉が渇いてきました。
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