■学びの多い山行
この山旅は、3泊4日の北アがお天気イマイチなので代替案として出されたものでしたが、結果として神様の親切な忠告、とでも言うべきものだったかもしれません(笑)
神様:「君達、もうちょっとテント泊の練習したら?1泊2日で29kmってどう?」
そう、荷物を背負って長時間歩く前にもっときっと練習が必要だったのです。
食料計画も、1泊2日の場合と3泊もする場合とでは違うべきだし…何より重さを
背負ったまま、2日も歩けるのか?が疑問でした。(3泊目は空荷で散策予定)
今回の鳳凰三山は今まで行った山行の中では一番ハードでした。何しろ今日は9時間もそれも荷物を担いだ状態で歩いていたので…もう満腹(笑) 山が嫌いになるギリギリなライン。私たちにとって今まで一番ハードな山は、今年4月のツルネ東稜で、これは2日目の一日の歩行時間が朝5時半から夕方の5時と11時間くらい歩いちゃったのですが、基本的に空荷に近く、最後の2kmのそれも基本的に高低差のあまりない林道を少々背負っただけでした。
美しい稜線の空中散歩。
なので、テント泊の装備一式を背負ったまま長時間歩く経験としては、今回が一番長かったのです…神様はきっと「3泊4日はちと厳しいだろうわい」と訓練を積ませるつもりだったに違いありません(笑)
その訓練山行…結果は「ああ~疲れた~!」
当初は楽々午後2時くらいに下山しているつもりでしたが、予定より1時間遅れ3時に下山…広河原の最終バスで帰ってくることになりました…(^^;)
それでも5時には定番桃の木温泉の風呂から上がって6時には自宅にいましたけど(笑) 遠方からの長期縦走の人たち…ホントタフですね!!
■ 今回の収穫と反省
① 荷物の重さ
今回の収穫は、夫が10kg、私が7kgくらい担いでもあまり歩行速度としては変わらないと言うことが分かった点です。 最近のGPSロガーは歩行速度まで出るんですね~!!さらにカシミールと組み合わせると、ムービー再生まで出来てしっかり反省会できます(笑)
私は反省しました。これまでテント泊の人がのっしのっしと歩くのを見て、「重い足取りね」と思っていました。違う。あれは”しっかりした足取り”だったのです!
足の裏をしっかり地面にこすり付けるようにして歩いているのは…そういう風にせずにふわふわ~と今まで歩いていたので多少早くて当然だったのです。今回はのっしのっしと登山靴のソールを全面地面にこすり付けるようにして歩いている自分がいました…誰だって荷物を背負うとそんな歩き方になるのですね…
② 快適歩行時間
あとは体力的な快適ライン。一日5時間は腹八分目、6時間でちょうどよい。7時間で満タン。8時間でもう飽きた。9時間でゴメンもうウンザリ。…そんな感じです(笑)
③ 水と食事
特に今回は2日目、天候が雨だと聞いていたので油断もあり、水を2人合わせて2.5リットルしか持たずに歩き、残り2.5時間の白鳳峠まで来たところで、残りの水が500ミリリットルしかない! 暑さのバテとラジエータがオーバーヒート。水は1人2リットル必要ですね。
さらに暑さであまり快適な場所がなかったので休憩も軽めでほとんどなく、ランチもおやつ程度。きちんと食べなかったのです。というのも、ランチは下山後の広河原で、と思っていたので…。
急な下りは、そんなのどの渇きと腹ペコを抱えながら9時間の歩行時間の終了させる道としては少々酷な上、これが荒れた道で、かつあまり魅力が無く、ただただ私たちは罰ゲームのごとく、頑張って下ったのでした…
予想より下山が長く掛かったので15時で広河原に着いたら、ランチ用のご飯はもう売り切りれており、うどんが最後の1杯…山小屋のあんちゃんのご好意で食べれました。美味しかった☆
一杯を2人で分け合い食べたうどん。夫は下山後500mlのペットボトルをがぶ飲み…よほど喉が渇いていたらしい…
④ 出発時間(早立ち)
せっかくテント泊しているのに、小屋泊まりの人と行動時間が重なってしまったためツアー客とぶつかりました。これは私たちが小屋泊まりの感覚しか持たないでいたからです。実は4時に目覚めていたのに…まっくらだし、まだお日様出てないね、みたいな感覚的な理由で2度寝。おきたのは5時。お食事を済ませ6時出発。
これでは折角のテント泊山行を活かしきれていないのだと今回悟りました。
テント泊のメリットは小屋の都合に縛られる必要がないことによるのです!
なので3時におきて、4時に出発すべし!そうすれば、2時間歩いてちょうど稜線で日の出を迎えられます。 そんなこと、誰かがしているのを盗み見するまで思いもよりませんでした。
早立ちは単に遠くまで歩く人がやるものだと…そうじゃなかった。快適さを最大化したい人もやるべきですね。
明け方の小屋前。出発。
⑤ 寒さ対策
8月の山は秋でした。雨の予報だったので水に弱いダウンは・・・と今回はR2の
ベストだけしか持って行かなかったら…寝るとき寒かった。 マイナス17度の雪の中でも同じシュラフで寝て寒くなかったのに…。最初、レインウエアをシュラフの上にかけたのですが(どこかのサイトでゴアはシュラフの上が暖かいとあった)
ぜんぜん温もらず、足など靴下がしっとりとしているせいかまるで全身が湿気ているような感じでした…。結局、レインウエアを着込みシュラフに入り、足はザックに入れて寝ると、暖かくなりました。シュラフが化繊か、ダウンかの違いもあるのかも知れませんが・・・少なくとも化繊のときは寒ければゴアを中に着込むと暖かいです。結局空気の流通が少ないほうが暖かいようですね。
おきたら7月には無かった結露が水として流れるほどテント内にありました。寒暖差が大きいと言うことですね。雨の前の日だから湿度も高かったのかも知れません。
⑥ 山の感触
ここは実は冬に来たいと思って偵察もあったのですが…冬にも普通に歩けると核心が持てました。 冬は南御室小屋が正月にあけているだけですが。
薬師小屋がとても愛らしい小屋だったので小屋とまりで利用してみたくなりました☆
■ 今回つらかったところ
《地蔵岳分岐~高嶺~白鳳峠》
しかし、空中散策の稜線歩きも暑さには…ゲンナリ。地蔵岳を見終わったあと、
さあ後は帰るだけ!と思ったら…大間違いでした。高嶺山のピークと峠までの
下り、じりじり照りつける夏の日差しとブンブン飛び回る蝿。とても暑くてバテました。
やっと樹林帯に入ってホッとしたのもつかの間、長い下りがガレ場です…頭上に木陰を作ってくれる木はありません…暑い!そして、この道がすでにばてている身には最悪な感じでした。
《白鳳峠~広河原》
白鳳峠から広河原までの急な下りです。急なのは知っていたのですが…。どうも登山道が付け替えらたらしく、地図やガイドブック記載のコースより距離が長い?ただずいぶん前に付け替えられているようです。そして道は、ほとんど崩落痕という感じの、やーな感じの道でした。荒れていた。なのに急。それも梯子とか、鉄のならまだしも手作りの半分朽ちたようなのがたくさん。気を使う道です。
こうした道は基本尾根の縦走路のエスケープルートとして設定することが多いと思うのですが…どうなんでしょう? エスケープで使うような緊急事態には既に弱っているか、弱っている人を抱えていると思うのですが、そんな人を抱えた状態でとても使いやすいとはいえない、荒れた道でした。縦走路の快適さと対照的。
それに最後の2時間半、足の裏の豆のことが心配でした。靴はどんなに合っていても下りでは足が多少前のめりに動いて、靴底と擦れ、足の裏がかなり酷使されます。
去年5時間の下りを駆け下りたとき感じたことをそのとき改善しておかなかったので、今年は7時間以降の下りで、足裏の擦れがつらくなりました…あのときちゃんと中敷を工夫しておけばよかったのに… 豆がつぶれたら来週の山に支障があるのでつぶれないようめちゃくちゃ丁寧に歩いたので、歩行時間時速1.9km…
来週豆が固くなって頑丈化して歩きやすくなっていると良いのですが…(バレエではポアント用の足の豆は育てておきます…笑)
■ お食事
お食事をどうするか?ずっと悩んでいましたが解消しました。
結論:2泊以上の縦走型山行は、マウンテンサイドピクニック山行とはできない。
ずっと荷物を背負ったまま歩くつもりなら、食事は内容より重さ!何しろ重いだけでかなり疲れます。
夫10kg、妻7kgははっきり言ってテント泊では軽いほうだと思います。(ものずごいウルトラライトな人で4~5kgというのを山雑誌で見たけど、普通はそんなに軽量化にお金を掛けられないし、その人はソロだった)
でもテントをベースキャンプみたいにして山頂往復するなら別だけど、ヤドカリの殻を背負って移動なら…軽くしないと楽しくない。飽きなどの多少のことは目をつぶり軽量化至上命令って感じです。特に重荷を担げる体力が無い人は。
■ まとめ
そんなこんなで今回は、大変学びの多い山行でした。夫はバテて既に就寝中…zzz…
お山はすでに1%くらい秋の気配で、色づいているナナカマドの葉もあるくらい、そして、高山植物は紫色系の花ももう咲き始め、確実に秋を感じさせられました。
ここはこの山行のヤマレコ記録。
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薬師小屋、水500ml500円?! 南御室小屋で汲んでこい!ってわけですね~(笑)
町内会のお祭りも楽しそうですよ!今楽しめることを一杯楽しんでくださいね!北ア、人が多そうで今からオロオロしていますが・・・ほとんど北アを歩いていないのに、イキナリ秘境に突入・・・どうなることやら(笑)。
もっともコースは夜叉神峠IN、御座石温泉OUTだったのですが。
薬師小屋は泊まるなら平日にすべきです。
とても狭いので布団に2人で寝かされる可能性が高く、雨の日は食後にいる場所がありません。
でも小屋のスタッフはとても感じが良いので空いていればおすすめです(水は500ccで500円だけど)。
僕は地元の町内会でお祭りの手伝いをさせられてお盆休みは山に行けそうにありません。
Tanihachiさん北アルプスも楽しんで来てください。