夏の鳳凰三山+One 1泊2日テント泊縦走

2012-08-12 17:05:58 | 山、登ってきました☆
《Day1》 南御室小屋テント泊 (歩行時間:5時間) 通過:夜叉神小屋、杖立峠、苺平
《Day2》 鳳凰三山(歩行時間8時間)鳳凰三山(4時間)+高嶺縦走(1.5時間)+下山(2時間半)

ここはこの山行のヤマレコ記録

■ のんびりのDay1

甲府の我が家からなら、早起き不要の南アルプス!7時に登山口出発です。
 地図。

夜叉神峠登山口から夜叉神峠までは、もう既に通いなれつつある、つづれ折の登山道。カラマツの人工林で道幅も広く気持ちよいです。
登山口付近では意外に急と感じると思いますが、尾根にある登山道と言うのは尾根の下部の終点ほど急なのが相場。最初が多少急でも、登っていけば緩やかになってきます。
 予想より快適で、こんな道なら毎朝でも歩きたいな、と思う道…途中に5本松や炭焼き跡があります。

今日は5時間の歩き。でも初日ということで体力を温存するよう、のんびり歩きます。

小一時間で、目の前が開けてきたら、そこが夜叉神峠。小屋もあり、トイレは100円です。一息入れて、杖立峠を目差します。

杖立峠までは一旦下り、コルへ出てから、長い緩やかな稜線に乗ります。この稜線の先にある小ピークは大崖頭山と呼ばれているようです。この大崖頭山のピークを巻くトラバースまで来たらすぐに杖立峠です。歩いてみたら、この長い南稜は気持ちの良い樹林帯でした。視界はないが危険箇所も無い気楽で快適な道。
 西側をトラバース中。このトラバースは長い。
 少し先に行くと森の様子が親密感を増してくる。
 ピーク付近。


杖立峠には、西尾根に伸びた尾根もあり踏み跡があった。そま道なのだろうか?バリエーションに使えないのだろうか…。気になるけれど末端の状態がわからない尾根を下るスキルはまだ無いのだ!尾根の末端を確認して登るなら出来るけど。

峠で休憩してからさらに先を目差します。次は苺平まで。苺平から南御室小屋はすぐです。

苺平は先にある辻山ピークの東側にあるコルのことです。昔は苺が自生していたのかなぁ?

縦走路は辻山から派生している尾根を通ります。辻山へ続く、長い平坦な稜線に入ると、階段状に緩やかな登りと急な登りを2回繰り返すのですが、それぞれ急な登りの始まる地点はちょうど派生尾根が出ている頭のようで、その頭は緩やかになっているので、テント泊適地でした。
 幹から梢を出している立派な木。

 開けて北岳、間ノ岳、農鳥方面が見えるとうれしい。



 登山道で往生したらココにテントを張ろう!

 オダマキでしょうか。

 見えた苺平。

苺平に到着すると、千頭星山からの合流があります。千頭星山は甘利山につながっているそうですが、地図を見る限り長~い道。コレを歩く人こそ本物の山好きだろうと思います。人気がないから藪っぽいのかなぁ???森の中で冬は快適なのかなぁ???興味がありますが、夏に偵察にはちょっといけない。

さらに先を目差します。もう30分くらいで南御室小屋のはず。辻山ピークを左手に巻き、長いトラバースに入ります。

 コバイケイソウ(毒草)の群落とでっかいこぶのある木。

 小さな赤ちゃんの木が一杯のエリアです。

全体に苔むしたエリアです。山の東面は苔むすのかなぁ?西面の山肌より東面のほうが傾向として好みです。
 苔と小さくて愛らしいゴゼンタチバナ。

緩やかな下りが急になります…こんなガレ場。

するとすぐにコルに出ます。左手にある無名のピークをトラバースするとすぐ南御室小屋。小屋は2491のピークとその無名のピークとの間の広いコルにあります。
 12時小屋着。予定通り。予定通りでないのはバテ(笑)。

■ テント泊

 こんなエリアに張りました。

実は前日満員御礼状態のテントサイトのブログを見て、混雑を警戒し、人里離れていようというわけで出来るだけ個室状態になりそうな場所を選んだわけですが…
この日は空いていて、テントはたったの4張。な~んだ、杞憂でした。

森の近くは雨が降るなら雨を木立が防いでくれていいかな、と思ったのですが、
どうせなら日向のほうがあったかくてよかったかも。森のそばは虫が多い。

テントサイト選択のポイントは

・平坦
・乾いている
・人から離れている
・ベンチや岩などテーブルとして使えるものが近い

ですね♪

疲れたので早速昼寝。起きたら3時。ちょうど取材に来ていた雑誌の人が帰るところでした。小屋の人が快く送り出すのにビックリ。だって3時だと5時間掛かる道のりを行くには出発としては遅い。テントを持っていれば誰も遅い出発を咎め立てしないんですね~。私たちは小屋泊の習慣から頭が切り替わって折らず、途中登山道はテント泊禁止だし、3時だったら諦めて小屋で幕営料を払ってしまうでしょう…。 あの人たちはきっと今夜は路駐(笑)だな… 女性二人組みでたくましいと思いました。

我々は、晩御飯の準備。
 これはオニオンコンソメと奥が干し野菜たくさん入りタイ春雨スープ。タイスープは辛いけど美味しい。
ワインを持っていったのは正解でした。軽い頭痛ならワインで治る(笑)

この日、1年以上もったガスを使い切りました。ガス、結構持つ。というか今までお湯をたまに湧かすくらいしか使っていなかったからか。

※備忘録   
・テント泊によさそうな開けた草地が2箇所ほどある。一つ目は大崖頭山の北のコルから北上する縦走路に西からの派生尾根が最初にぶつかるところ。2つ目は2個目の派生尾根がぶつかるところ。
   
■ 大展望と花のDay2

朝は昼寝した上に、夕方7時くらいから寝ているので3時くらいには目覚めていたのですが…4時まで我慢。4時ごろ、トイレに我慢しきれず起きました。
すると真ん中に張ってたテントはもういない…。今日は早川尾根と言っていたっけ?でも早いなぁ…

こんな真っ暗な森に出かけて行くなんてちょっと怖い…。まだヘッドライトで歩いた経験がないので暗い森には少々怖気づきます…今年こそは、ムーンライトスノーシューしたいものです。    

結局5時近くに起きて、6時出発…運の悪いことにツアー客の後になりましたが
これは私たちが悪いですね。テント組はサッサと出発すべし!


小屋からは急登でスタートですが、それもほんの少し。すぐアップダウンの少ない縦走路に出ます。この急登のところは冬道と夏道があった。うーん、どっちも急だけど。夏道はトラバースなので雪崩を避けて直登?

すぐに薬師小屋にでました。愛らしい小屋。でも水500ml500円なんて!!
薬師岳まで樹林があるのですが、そこから先はすぐに森林限界を越え、ハイマツエリア。

 こんな岩があった。桃太郎岩?まっぷたつに割れている。

ど根性な木。一体どうして?という折れ具合。

■風化した花崗岩な縦走路

鳳凰三山付近はどこでも撮影適地でした。全体に花崗岩なので、砂地が多数あり、結果高山植物も多く、白根三山も眼前。晴れていれば富士山も見える。

花崗岩の山頂は岩が特徴的ですね♪ でも近くでは、1時間で登れる日向山で小規模ながら同じような光景が見れる。燕岳も山頂は似ている。ただ鳳凰三山は規模が大きいので景色を満腹できる。

この辺りは景色優先で。

 白根三山方面。雲が多いが…晴れてる。かさ雲?



高嶺ビランジ。





 こんな素晴らしい道。


 

白のタカネビランジ。
 コオニユリ。

ど根性だなぁ

 コレは何でしょう?がくが花のように見えているようでしたが…


 甲斐駒を背景に(見えていないけど)お地蔵様がズラリ。

 山頂。



※備忘録
・高嶺まで、ハイマツと花崗岩の岩稜帯が続くので日差しと風をさえぎるものがない。
・展望はとっても良い。
・稜線は夏の午後は2時から雷の危険がある。

■ プラスワンの高嶺のほうが難易度高め!

10時ごろに垢抜沢の頭の分岐に戻り、後は下山するのみ!と余裕のよっちゃんで下山を始めた私たちを待ち受けていたのは、高嶺でした…もう一度下って登るのは、めんどくさいなぁと思っていたら…縦走路の中ではココが一番難所でした。

 ながーい岩。

豆になりつつあるオヤマノエンドウ。

 
振り返ると地蔵が。結構大変な登りでした。登り1時間下り1時間って感じ。
 少し低いだけでハイマツの中を歩くことになります。
なかなか山頂に着かない・・・ランチは下山後は難しそうだと悟り、軽食を食べる。とすぐに山頂…。
 11時少し回ったところで高嶺山頂。
ガスは東面だけ。縦走路の上には来ない。

特に高嶺~白鳳峠間の下り。とっても急です。岩に対面するようにして3点確保で降りるところがある。午後になって気温も上がり、雨は一向に降る気配が無いし、無風で、暑くてバテました。

悪場での身のこなし方
振り返る。

オイスターシェルを思わせる岩のガレ場が出てくるとくだりは終点が近い。さらに小さな樹林帯に入ればすぐ白鳳峠で終了。
 

この峠の周辺は白いティッシュの花だらけです(汗)。

■ とっても急で荒れている急登:白鳳峠~広河原

この下山道はかなりの急です。それは知っていましたが、こんなに荒れているとは知りませんでした(汗)。

まずは、人の頭大のガレ場でスタート。やっと木陰に入れると思ったのに残念。


ガレ場が終わり、樹林帯に入ってすぐに大きな倒木が。 死してなお次世代を育てるの図。

最初はわりに普通。

中腹まできて道標がある。 ここで地図と実際の登山道が違うことに気がつく。

地図ではずっと尾根を行くのに、なぜか左にトラバースするのだ。沢の音がますます近くなり、おかしいなと思った。 トラバースは落ちたらちょっとのケガではすまなそうな感じだった。荒れているので複雑にケガしそうで。途中に巨岩のところもあり、周辺の根元がひっくり返っている木々を倒したのはこいつかも?と思いました。ともかく、観察より急いで下るべしなのでしたが…

 何これ?道?

と文句を言いつつ、仕方がないと降りる。縦走路よりよっぽど危ない。

梯子まで出てきた。





ここで元の登山道に合流。すぐ終わり。

2時間半のはずが、3時間掛かる。12時に白鳳峠を出発して、2:50分に林道着。

腹ペコでした…。下山に要する時間が5時間も掛かるとは見込み違いでした…
水も切れかけ、反省。

しかし、この道はエスケープだが、通常のルートより何倍も困難そうなエスケープルート…エスケープとして使いたくない道。登るのも下るのもちょっとね・・・

■ 岩

しかしこの道を使ってみて、今まで「岩は人柄が…」と思っていたことを反省しました。人柄が悪いのは岩ではない。小石や砂利だ、と。この道の樹林の部分は
小石が多いので、どこを踏んでも滑る可能性があり、斜度もきついので…気を使いました。神経張り詰め系。

一方、上のほうのガレ場は人の頭大から火鉢程度の大きさの石でしたが、長い下りの終わりには、まるでハリーポッターの動く階段のように、私を踏んでください、という天辺が水平になっている岩が見えるように・・・飛び石伝いで、トントンとリズム良く、階段のように下れるので、岩は人柄が良い(笑)

賽の河原とよく言われるようなガレは意外にも歩きやすい道かもしれません。コケさえしなければ。コケれば痛いのはどこでも一緒だし…。

急な道は登るより下りが体力的には楽だけど、神経を使うのは登りよりくだりで
お腹がすけば人間注意力散漫になるので…根気の勝負だった長い3時間の下りでした…疲れた(汗)

■まとめ

鳳凰三山は体力がいるので、片道3~4時間、往復7時間、休憩込みで一日の日帰り登山に慣れたらぜひチャレンジしたらいい山でした。 無理をすれば日帰りも出来る。(無理しなくてもいいと思うけど)

稜線歩きが素晴らしいので、稜線を楽しむべき。上は難しいところはなく、夜叉人峠からの往復なら、長いだけで難易度は高くない。

冬にまた再来したい場所でした。 2010年の冬は、雪の夜叉神峠から20分の高谷山で雪山を楽しみに出かけていたのに、今では夏山でも5時間も掛かる場所にこれるようになり、なんだか自分達の成長に感動です。




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