大きいばあちゃまの教え

小さかったあたしに、もう命の火が消えかかっていただろうおばあちゃまからの
数々の言葉を、思い出しながらつらつらと並べてみた。
時々忘れるんで、たまには思い出しましょうという魂胆。
ま、個人の覚え書き、です。そのつもりで。


人間、まず「生きる」。これが最低限の基本だよ。
頂いて、生かされている自分、それを忘れないことだ。
どんな哀しいことがあったとしても、生かしてくださったどなたかのお許しもなく
勝手に死んじゃうなんてことは、絶対に許されないことを覚えておきなさい。
すっても這っても、「生きよう」と思う、諦めずに生きられる道を探す。
そうすると、道はおのずから開けるものだよ。

そして、自分をこの世に送り出してくれた、たっくさんのご先祖さまを尊ぶ。
尊ぶ、ったって、小さいおまえにゃ分かりづらいか、なむなむって、手を合わせる。
それでいいんだよ。
気持ちがどうにもやりきれなくなったとき。
なむなむ、って、どっちに向いてでもいい、手を合わせてごらん。
ここ（と、あたしの胸をとん、と押して）に、神様仏様ご先祖さまが、きっと来てくださる。

いつも、いつでも「生かされて、ここに在る」ことに感謝しなさい。
おまえが大きくなって、今よりももっとたくさんの人間と関わりができたとき。
その、たくさんの関わりにも、感謝の気持ちを忘れないこと、だよ。
人でも生き物でも、物事でも。
その全てが、おまえが自分自身を大事に思うように、それぞれに自分をいとおしんでいるのだ。

よく目を開き、心を澄ませ、耳を傾けて、物事の真実を知ろうとしなさい。
たぶん、そのおおかたは分からないだろう。
分からなくてもいいの。分かろうとする、そのことに意味があるのだから。

今に、誰かと結婚するだろう。
そうしたら、まず感謝しなさい。自分を選んでくれて、ありがとう、と。
そして、大事にしなさい。自分を思うように、相手を思いやりなさい。

喧嘩になりそうになったら、胸の中で想像しなさい、立場を取り替えて。
自分が、もし相手の立場で、今の自分を赤の他人として眺めたら、どう映るだろうか、と。
自分が何かをする時は、必ず理由（言い訳）が胸に在る。
だけど、他人から観たら「ものごとの流れ」しか見えないんだ、ってこと。

相手が怒るには、必ず怒るだけの理由がある、もんだ。
理由をとっぱらって、怒る種を無くして、それでも怒るんなら、そりゃ、しかたない。
赤ん坊と一緒さねぇ。よしよし、よしよし、って、なだめるしか無いよ。

誰かとの縁は、授かり物だし、合わせ物だし、淡いもの、なんだよ。
生きることと一緒で、心底大事にしなければ、消えてしまうんだよ。



長いので、手が疲れた。
また思い出したら、書くかも。書かないかも。
なんか、書こうとしてると、よけいなことばっか、思い出すんだよね。
古い押し入れの整理に似ている、いちいち何かを眺めたりして、進まない。どうすべ～。