気に入らない（－＿－；）

真夜中、変な物音がした。
隣の台所に灯りがついている。
着替えて、こっそり隣に行ってみた。
後から妹もついてきた。

玄関から入って、すぐの部屋に目を向けて、仰天した。
ごちゃごちゃに床に積まれた毛布やシーツ、脱ぎ捨ててある、一面に血の付いた紙おしめ。
続いて台所に入ったら、開けっ放しの冷蔵庫のドア、野菜庫のドア。
流しには、柳刃包丁。

膝が震えた。

深呼吸を三回。
気を落ち着けて見回したら、床にはトマトが５～６個転がっている。
冷蔵庫に貼り付けてあったメモ用紙類が散らばってはいるが、物取りの風でもない。

二階に声をかけた。
パパさんが、寝ぼけ眼で降りてくる。
あたしだけビックリするのはいやなので、何も言わずに現場を見せた。
一瞬で目が覚めたらしい。

犯人は、おじいちゃんだった。
お腹がすいて、冷蔵庫漁りをしたそうで、真っ赤なおしめは、血ではなくて
トマトの上に座ってしまったので脱ぎ捨てたそうだった。
そういえば、日中、四時間ぶっ続けで「あれが食べたい、これが食べたい」って言ってたなぁ。
体育会系高校生男子と同じ量くらいは毎回食べているのに、お腹がすくなんて、元気なんだから、もう。
でも、マジな話血尿とか怪我の出血とかでなくて、本当に良かった（Ｔ▽Ｔ）

着替えさせて、寝具を整えて、おやすみいただいた。

その後。
台所で、家族で異様に気まずい沈黙。

パパさんが「熊が出たかと思った。」
うん、あたしも似たようなこと考えた。（;´▽｀lllA``）
今まで、台所にある食物はおじいちゃんに荒らされるので、最近は寝る前に箱に隠してあったのだが、
とうとう冷蔵庫にまで手を付けるようになってしまった。
包丁は何故出したのか見当がつかないが、危険なので台所にカギをつけようか、という相談などしながら。
妹に、「なんかさぁ、気に入らないよね～？」と問いかけられて、「気に入らない」と答えようとして
うっかり「気にならない」と返事してしもうた。（－＿－；）

単純な言い間違いだったのだよ、みなさん、そんなに白い目で見ないでくらはい。

次の瞬間、噴き出されてしもうたっす。
たった一文字間違えただけ、だったのだが、場の空気は和やかになった。

ただいま、午前三時を回ったところ。
ま、とりあえず、無事だったからいいか。

母が生きていたらなんと言っただろうか？
今日から、お彼岸。