秋海棠粗雑な日々

飼育している爬虫類を中心に紹介していきたいと思います。

順応と個体差

2024-12-19 13:09:00 | タキドロムス他
琉球諸島からトカラ列島にかけての生物分布は興味をそそられます。明らかに
内地と異なる種の分布はエキゾチックでもあります。

現在国内に分布する緑色のカナヘビのうち合法的に飼育できる種は画像のアオカナヘビのみと
なっています。私は過去に沖縄本島の個体しか飼育しておりませんでしたが今回訳あって別の
ロカリティを入手しました。最近は遺伝子レベルで分類が進んでおり例えばトカラ列島に分布する
トカラハブが奄美大島の個体群と遺伝子レベルでは近縁で沖縄のホンハブと奄美の同種とされる
ものでは遺伝子的に遠いとされています。アオカナヘビが同様であるかは知りませんが種という
のは時として見た目と中身が大きく異なるというのは事実です。
サキシマカナヘビは鱗の配列が他の種と大きく違うため一時は他のクサカナヘビ属から外れて
いましたが現在ではアオカナヘビに近縁であることが知られています。遺伝子レベルの分類で種と
して独立云々はさておいてホビイストとしては最低限ロカリティをしっかり分けて飼育繁殖すべき
でしょう。同じクサカナヘビ属では台湾に分布するザウターカナヘビがこの種の様な個体差があります。
またトカラ列島内でも産地によってその体色の幅に変化があります。
個人的に面白いと思う点はサキシマとミヤコカナヘビに大きな個体差が無いのに比べアオカナヘビは
個体差が激しい点です。これにはきっと理由があるはずです。

ラエビスその後。

2024-10-02 16:45:08 | タキドロムス他
プラケース越しの画像であることを了承下さい。

今年7月に私は運良く6個の卵を得ることが出来ました。そして先月、その全てが
孵化しました。誕生日が離れていないので取り敢えず6頭を同居させています。
この種は複数の個体が纏まって寝るので幼体のうちは問題が起きにくいと私は
考えています。勿論、雄らしき個体が出てくれば隔離しなければいけませんが
性成熟するまでどの位かかるのか今はわかりませんし海外のデータを調べるより
自身の手元にあるものを今は情報源にしようと思います。
ちょこまかと動く姿は見ていて飽きることがありません。一人前に親個体と同じ
ように体を広げバスキングする姿は可愛らしいものです。彼らを観察する穏やか
な時間は何にも変えがたい貴重なものです。

ラエビス孵化!

2024-09-18 17:05:18 | タキドロムス他
敬老の日を過ぎ9月も半ば。私は今か今かと孵化容器の卵をのぞき込んでいました。

レザー状の卵皮はアオカナヘビの卵のようにもっと膨張するものと勝手に考えて
いました。産卵から2ヶ月弱、卵を収納しているカップの隅から青いものが見え
ました。親をそのまま小さくしたような幼体は何ともおもちゃのようです。しかし
幼体から美しいですね。
運良くこの種の飼育繁殖歴入り口に私は立たせてもらう事が出来ました。
これからが本格的な小さな冒険の始まりとなることでしょう。
私は彼らから発せられるサインを何処まで読み取ることが出来るでしょうか。
人の感覚など鈍いものです。体中からアンテナを張り巡らせ臨みたいものです。

ラエビス産卵!

2024-07-23 07:36:15 | タキドロムス他
今年4月末に入手してから約3ヶ月が経過しました。

飼育当初は多頭飼いで問題はなさそうでした。しかし先月後半からやたらと威張る
雄個体が出てきました。輸入された個体は再生尾の個体も多く外敵に狙われる事も
多いのだろうと勝手に思っておりましたが雄の気の荒さは想像以上のもので弱い雄の
尾を噛み千切ることもありました。こういった場合は速やかに隔離しますがやはり
ペアもしくはトリオでの飼育が無難なようです。
今月に入り複数の雌が金網越しのスパイラルUV灯の間近で暖をとるようになりました。
もしやとは思いましたが今月21日メンテナンス中にアオカナヘビにも使用している
シェルター内で卵を発見しました。卵の大きさは約13✖6㎜で卵殻はレザー状です。
うっすらとピンク色でしたので産卵後数日経過していたのかもしれません。この手の
卵は時間の経過とともに大きくなります。この後卵は徐々に膨らんでいくのかそれとも
カビて萎んでしまうのか。私は静かに待つしかありません。いずれにしろ短い期間に
貴重な経験をしたことは確かなようです。

再会

2024-05-28 08:27:44 | タキドロムス他
10年一昔などと申しますがその一昔前から見られなくなった爬虫両生類は結構おります。
飼育技術が確立されていなかったり悲しいことですが消耗品的な扱いを受けたりで今に至る
わけですが・・・

この種もそうでしたね。ラエビスツリーラセルタ (Holaspis laevis)です。まだあの青いヤモリが
普通に輸入され消耗されていた頃にこの種はギュンターツリーラセルタ(Holaspis guentheri )として
輸入されていました。その美しい体色は当然私の琴線に触れるわけですがこやつの特徴である体を
極めて薄くするといった行為により複数回脱走されました。脱走した後は高いところに上ろうと
する性質がわかり御用となるのですが適したケージが用意出来ず最終的には購入したショップに
引き取ってもらいました。暫くしてタンザニアからの輸入が止まり大きな後悔をする事となりました。
今回輸入されたものを初めて見た方が多いようです。それは良いのか悪いのかわかりませんが時代が
ようやく追い付きつつあるのかもしれません。でも静かに飼育をしていたい身としてはブームという
言葉は好きにはなれませんね。これはこの期間に私が立派な老害に成長した証でしょう。
この種に関してはエンドレスゾーンさんの旧twitterで的確な説明がされていますのでそちらを
参照にしていただけたらと思います。