秋海棠粗雑な日々

飼育している爬虫類を中心に紹介していきたいと思います。

六本線迷走

2025-01-23 12:45:13 | タキドロムス他
一見ニホンカナヘビに似ていますが頭胴長に比べ異様に長い尾を持ちます。
個人的に非常に魅力的な種です。

縦に走る線が6本あることからムスジカナヘビの和名を持ちます。ベトナム便で
入荷する個体は恐らくTakydromus sexlineatus ocellatus 亜種のようです。私が
参考にしている本は古いドイツ語(勿論読めません。)なので今は変遷があるかも
しれませんし分布が広いので隠蔽種が後に新種記載されているかもしれません。
ここでは入手した個体がオセラータス亜種ということで綴っていきたいと思い
ます。この亜種の特徴は体の側面にその亜種名の通り小さな目玉模様が入ります。
これはオスの特徴でメスにはありません。画像の上がオス下がメスです。
以前ボルネオから輸入された個体の画像を見ましたが雄雌どちらもクッキリと
ストライプが入っていてメリハリのある体色でした。こちらは恐らく基亜種と
される個体だと考えています。オセラータス亜種の分布は中国南部からベトナム、
ミャンマー北部マレーシア北部当たりとされています。比較的緯度的に北寄りなの
かもしれません。因みに香港島にもこの亜種が分布しています。
それはさておき長さこそそこそこありますがこういった協調性が良く小型の種は
植物を入れたケージに小さなバスキングスポットを設置し飼育します。バスキング
ライトの下で気持ちよさそうにしている姿を見たときに迎えて本当に良かったと
感じることでしょう。

腹黒だった仔その後

2025-01-15 07:52:46 | タキドロムス他
生後約4ヶ月のスベキノボリカナヘビです。黒かったお腹の色はクリーム色に
変わっていました。

因みに雌であればお腹の色はやや淡い黄色からクリーム色です。この種が一度
雌個体の色模様になった後に雄の色模様が出て来る個体がいるのかは解りません
が興味の湧くところです。画像の個体がこのまま成長すれば性別は雌でしょう。
雄個体は粗暴な性格が多いようです。今、ケージ内は平和に見えますがこの状況が
一日でも長く続いてほしいものです。

順応と個体差

2024-12-19 13:09:00 | タキドロムス他
琉球諸島からトカラ列島にかけての生物分布は興味をそそられます。明らかに
内地と異なる種の分布はエキゾチックでもあります。

現在国内に分布する緑色のカナヘビのうち合法的に飼育できる種は画像のアオカナヘビのみと
なっています。私は過去に沖縄本島の個体しか飼育しておりませんでしたが今回訳あって別の
ロカリティを入手しました。最近は遺伝子レベルで分類が進んでおり例えばトカラ列島に分布する
トカラハブが奄美大島の個体群と遺伝子レベルでは近縁で沖縄のホンハブと奄美の同種とされる
ものでは遺伝子的に遠いとされています。アオカナヘビが同様であるかは知りませんが種という
のは時として見た目と中身が大きく異なるというのは事実です。
サキシマカナヘビは鱗の配列が他の種と大きく違うため一時は他のクサカナヘビ属から外れて
いましたが現在ではアオカナヘビに近縁であることが知られています。遺伝子レベルの分類で種と
して独立云々はさておいてホビイストとしては最低限ロカリティをしっかり分けて飼育繁殖すべき
でしょう。同じクサカナヘビ属では台湾に分布するザウターカナヘビがこの種の様な個体差があります。
またトカラ列島内でも産地によってその体色の幅に変化があります。
個人的に面白いと思う点はサキシマとミヤコカナヘビに大きな個体差が無いのに比べアオカナヘビは
個体差が激しい点です。これにはきっと理由があるはずです。

ラエビスその後。

2024-10-02 16:45:08 | タキドロムス他
プラケース越しの画像であることを了承下さい。

今年7月に私は運良く6個の卵を得ることが出来ました。そして先月、その全てが
孵化しました。誕生日が離れていないので取り敢えず6頭を同居させています。
この種は複数の個体が纏まって寝るので幼体のうちは問題が起きにくいと私は
考えています。勿論、雄らしき個体が出てくれば隔離しなければいけませんが
性成熟するまでどの位かかるのか今はわかりませんし海外のデータを調べるより
自身の手元にあるものを今は情報源にしようと思います。
ちょこまかと動く姿は見ていて飽きることがありません。一人前に親個体と同じ
ように体を広げバスキングする姿は可愛らしいものです。彼らを観察する穏やか
な時間は何にも変えがたい貴重なものです。

ラエビス孵化!

2024-09-18 17:05:18 | タキドロムス他
敬老の日を過ぎ9月も半ば。私は今か今かと孵化容器の卵をのぞき込んでいました。

レザー状の卵皮はアオカナヘビの卵のようにもっと膨張するものと勝手に考えて
いました。産卵から2ヶ月弱、卵を収納しているカップの隅から青いものが見え
ました。親をそのまま小さくしたような幼体は何ともおもちゃのようです。しかし
幼体から美しいですね。
運良くこの種の飼育繁殖歴入り口に私は立たせてもらう事が出来ました。
これからが本格的な小さな冒険の始まりとなることでしょう。
私は彼らから発せられるサインを何処まで読み取ることが出来るでしょうか。
人の感覚など鈍いものです。体中からアンテナを張り巡らせ臨みたいものです。