Burning Pavilion Part3

日常のもろもろ

嫌われ松子の一生

2006-06-06 21:25:53 | 
映画化するしなんか話題になってるみたいだし、ということで、嫌われ松子の一生を読んでみた。
上下巻に分かれてはいるが、台詞が多く、簡単な文章なのでスルスルと読めてしまい、あまり本を読まない俺でも3日で読み終えた。よく読書する人は1日で読み終えるだろう。

話は都合のいいくらいトントン拍子に不幸になっていく松子の一生、といえば簡単だが、メインはそれだけではない。

一生、というだけあって物語は松子の謎の死から始まる。
そして叔母・松子の存在さえ知らされていなかった甥が、出会う様々な人を通して松子の一生を知っていく。

世間的にどんな大きな罪を犯した人にも、どんな孤独な人にも、どんな不幸な死を遂げた人にも、それぞれに物語があり、それぞれ事情を持ち、精一杯生きたということ。これがテーマじゃないかな。

以下少々ネタバレ有り
不幸続きの人生の中、常に這い上がろうとしてきた(時に受け身ながらも)松子だが、晩年はその気力もなく引きこもってしまう。そのくだりはあまりに愚かな道を選択してきた松子に呆れながらも、切なくなってしまう。そして偶然の出会いからチャンスを得たもののそれを手にすることなく、ホームレスに間違われ暴行を受け、あっけなく死んでしまう。

あまりのあっけなさに涙が出てきた。
先に書いた、どんな大きな罪を犯した人にも、どんな孤独な人にも、どんな不幸な死を遂げた人にも、それぞれに物語があり、それぞれ事情を持ち、精一杯生きたということは確かだ、とはそこまで読んだ後に思ったことだ。

それにしても松子と関わった男達はどうしようもないやつばかりだよな~(^^;)。


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