女優さん

2011-12-22 17:20:35 | インポート
一度も実物を見ないままだったけれど、ドラマ「家政婦のミタ」が終わったらしい。最終回は相当の視聴率だったそうだ。テレビは持っていないから、見ようと思うとケータイのワンセグの電波を一番受信できる台所で最低1時間は立ちっぱなしで受信状態を維持しなければならない。そこまでして見たいと思えるのは「相棒10」と「サラリーマンneo」の年末特集版くらいなものだから、当然ミタは見なかった。

しかし、ミタの件からもうひとつの家政婦もの、市原悦子さんの「家政婦は見た」のほうを思い出した。こちらも実は一度も見たことがない。しかし、市原悦子さんという女優さんは非常にすばらしい方だと思う。もう何十年も昔、ラジオの放送劇で大岡信作の「あだしの」という作品を聞いて以来、すごい女優さんだと思っているのだ。もう故人になられた岸田今日子さんもそうだったが、ラジオドラマという、音と台詞だけの世界での演技表現で作品の世界を見事に表せる演技者はそれこそ本物だと思っているのだ。

「あだしの」の頃の市原さんがおいくつだったのか知らないけれど、あの少女の役は忘れられない。『いとしいひとに 別れもつげずに 旅だつの』というドラマの出だしと途中で歌われる死んだ少女の歌声、もちろんそれも市原さんで、もう今は亡き小池朝雄さんとともに出演者はたった二人だけだというのに、実に聞く側のイメージを膨らませてくれるものだった。

その市原さんの出演作品の、「見た」のほうを見てみたい。「ミタ」の方は果たして何十年も人の心に生き続ける力があるかなあ。