乗鞍高原のあと、野麦峠に立ち寄りました。ここは2度目の訪問です。
飛騨の貧しい農家の14歳の少女が、この峠を越えて諏訪に繭の糸引き女工として出稼ぎに出ます。しかし22歳のとき体を壊し、会社は実家に引き取るように言ってきます。兄が迎えに来た時には立つこともできないため、写真のように背中にしょって峠のお助け小屋にたどり着きますが、出された食べ物にも手を付けず、「ああ、飛騨が見える」と言って息を引き取ったということです。この実話を元に「女工哀史」が書かれ、映画「ああ野麦峠」が作られます。
駐車場、公衆トイレ、資料館があります。
少し登った山の上に碑があります。墓ではありませんが、手を合わせる人が多いのでしょう。
傍には観音様が建てられています。この峠を通るすべての生命に幸あれと書かれています。
乗鞍岳は雲の中です。
明治の近代化は生糸の輸出でもたらされました。埼玉県西部では秩父事件が起きています。歴史には政治家や軍人の野望ばかりが残りますが、本末転倒というべきでしょう。
到着したときは峠も霧に覆われていたため、新緑と絡めた写真が撮れました。全てフィルムです。
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