もうすでに、大分前の話になりますが・・・またまた、宝塚のお話。
今のエンタメ堪能は、もっぱらテレビのライブ放送と、ネットのライブ配信。
配信は5度目になりました。
しかも、前回も宝塚月組東京千秋楽。
やはり、好きなんだね、わたし。
テレビで、しかも残念ながら、後半から見たのですが、ファンタジー感のある素敵な作品だな・・・と。
で、今回の舞台化。これは見なければ!
カメラワークが違うと言いますか。だから「ライブ感」が味わえるのかもしれませんね。
ご存知と思いますが、ストーリーはこちら↓
映画監督を目指し助監督として働く健司は、足繁く通っていた映画館・ロマンス劇場で、奇跡的な出会いを果たす。それは、映写室で見つけ繰り返し観ていた古いモノクロ映画のヒロイン・美雪──健司が密かに憧れ続けていた女性であった。突然モノクロの世界から飛び出してきた美雪に、戸惑いながらも色に溢れる現実世界を案内する健司。共に過ごすうちに強く惹かれ合っていく二人だったが、美雪はこの世界へ来る為の代償として、ある秘密を抱えていた……。(劇団HPより)
世の中も、気持ちがふさがるような出来事ばかりで辛い。この作品は、ちょっと切ないけれど、とにかく、心が癒されるような、温かなストーリーでした。
映画を見たときの感想、そのまま。
いや、「舞台」という少し現実味のない世界観が、更にファンタジー感を増したような。
それに、映画オリジナルなのに、下級生まで役や見せ場があり、まるで、昔懐かしい宝塚オリジナルみたい。原作ものを、宝塚らしく舞台化できる小柳先生、素敵です。
しかも、まだ映画全盛だった時代の撮影所の「活動屋」たちの様子が、「芝居の月組」ととてもマッチして。
モノクロの古い時代と、徐々にカラーの時代の交錯。
そして、エンディング。モノクロの世界から、二人の迎えた幸せなラストを表すようなカラーの世界へと一瞬で変わっていく魔法のような時間。
この場面は、映画よりも圧倒的迫力で、鳥肌が立ち、涙がこぼれました。
主人公の健司は、冴えない助監督。世間から忘れられた過去の映画が大好きで、閑古鳥が鳴くような上映館に入り浸る毎日。不器用で、繊細な、主人公としては難しい役。美しすぎる新トップ、月城さんなのに、どうしてこういう役が似合うのでしょう。冴えないけど、卑屈ではない。繊細だけど、頑固。「エリザベート」でルキーニを演じていた人と同一人物とは思えない(笑)
雪組出身とはいえ、やはり「芝居の人」なのですよ。月組に来てくれてありがとう。考えてみれば、最近あまりちゃんと宝塚観劇していなかったのに、彼女の作品
「銀二貫」
「THE LAST PARTY」
「エリザベート」
「桜嵐記」
・・彼女の代表作、ターニングポイントであろう作品を(テレビも含め)見てるんですよね。(他にも「Shall we ダンス?」新公とか)そして、彼女のお芝居が好き・・・
次は、あの「グレート・ギャツビー」。雪組初演・月組続演の名作。まさに彼女にピッタリ!その頃には観劇に行けるのかな??
映画の中のお姫様。口は悪いけど品があって、映画の外のカラフルな未知の世界にワクワクしている姿が、こちらまで楽しくなる。白黒の、クラシックな、彼女いわく窮屈な世界から、どんどん現代風に変わっていく姿も素敵でした。衣装もキュートで。まるで、「ローマの休日」のような。上から口調がなぜだか「虹のナターシャ」のナタ公を思い出してしまった😁
海乃さんも、月組らしい「娘役でなくすでに女優の域」感じ。
普段は可愛らしいのに、突如スイッチが入るがごとく、堂々たるお芝居。
映画会社のスター俳優、俊藤。
そうだな~嫌みのない「銀ちゃん」みたいな?いや失礼。
かつてのスターさんって、あんな感じだったのかな?若干面倒だけど(汗)出てくるだけで華やかになる、そんな存在を本当に嫌みなく演じたのは、鳳月さん。
本当に月組に帰ってきてくれてありがとう(何度言ってる?)脇役とはいえ、映画会社にとっては大スター。彼女の登場で、コメディ感が増して、切ないストーリーに終わらないのが良かった。
モノクロ映画の世界の王子役。
浮世離れ(実際離れてるし)した存在感が素敵でした。ダンサーで注目を浴び、早くから抜擢されてきた暁さん。芝居が本当に頼もしくなりました。歌声も素敵。星組でも頑張って!
健司の友人でライバル助監督、山中。
野心とやる気に満ち溢れながら、健司の親友のような存在。
健司との対比が良かった。これはやはり演じた風間さんの巧さか。
ちょっと力み過ぎ感も無きにしも非ずな気もしたけど、やはり頼りになる存在。これからますます期待してます!
キャストも、お芝居の内容も、まだまだ書き足りないですが、長くなるのでこの辺で(笑)
キャストの名前は名優たちから、場面にも、邦画・洋画の名作のオマージュが感じられたり。少し、朝ドラ「カムカムエヴリバディ」がオーバーラップしてきて、ものすごくお得感というか、二倍楽しめた気がします。
さて、ショーは三木章雄先生。
「FULL SWING!」
「ザ・宝塚」なショーで、畳み掛けるような構成。ジャズがベースだけど、どこか、併演の芝居のテーマ、映画をモチーフにした場面もあったりで、とても良い組み合わせの公演でした
色んな人に見せ場があって、昔はこうだったよね…と。
トップお披露目なので、れいこさんファンからすると物足りなかったかも?ですが、「新生月組」のお披露目でもあるので、なんか嬉しかったな
登場した時、ちょっとチャーリーに面差しが似てるなって。(私だけ?)
さっきまでの健司君はどこへ?
ショーではキラキラ輝いて
風間君はもう押し出しが強くて、本当に素敵。最近珍しいタイプ。小柄だけどパワフルで、パンチのある歌声は、もうベテランの域ですよ。
こちらはどことなくなつめさんに面差しが似てる気がするんだけど
写真ブレブレですけど。暁さんです。
華やかな方です。ショースターですね。本当に。月組で彼女のダンスが見られないのは寂しいけど、星組で暴れてきてください!楽しみにしてます!
そして、鳳月さんですよ。もう彼女の歌声、すらりと伸びた手足。
見てるだけで眼福です。普段はホンワカした方なのに、どこからあのパワフルさが出てくるのか。
月組って、舞台で弾ける系の人、多いなぁ~
中詰めあたり、名曲「マイウェイ」が流れましたが、おじさん達が歌う(失礼)あのお馴染みの歌詞ではなく、オリジナル歌詞だったのかな?
今の世の中、宝塚の現状、そして、組替えになる暁さんに向けての餞のように感じられ、ちょっとジーンときましたね。
また聞きたいのですけど、「著作権」問題になるのかな??
お芝居が少し地味だったので、ショーはとにかく「カラフル」。
ジャズのウキウキするようなリズムで盛り上がれましたよ!
本当に楽しかった!(そうだ、こちらも朝ドラと被ってるなぁ)
「魂のフルスゥイ~ング♪」
独特な振り付けと、忘れられないフレーズの曲、最高
追記:この記事を書いてる頃、「月雲の皇子」で鮮烈なデビューを果たし、「星逢一夜」「BADDY」「桜嵐記」など、近年の宝塚の「名作」と呼ばれるであろう作品を手掛けた、上田久美子先生が退団した、というニュースを聞きました。
今後を担うような存在だった先生の損失は、本当に大きい。留学が理由だと聞いてますが、過去にも留学して戻ってきた先生はいるので、理由はそれだけではないと思われますね。まぁ、転職が当たり前の昨今ですから、仕方ないのかもしれないけど。劇団に物申して・・・ということだったら、残念で仕方ないです。(想像でしかないけど)
もう数年前になるのか、独特な世界観で印象深く、生徒に新しい可能性を感じさせるショーを残してくれた、荻田先生も退団した。脂がのった頃の先生の退団も、ファンとしては寂しいというか、残念でなりません。
荻田先生は退団後、これまで一度も宝塚の演出を手掛けたことはない。生徒は仕方ないとして、先生は線引きは必要ないのではないかと思うのですが、上田先生もそうなるのかな?
演出助手の募集をよく拝見するけど、それよりも、劇団や生徒のことがよくわかっている経験者を使うことも選択肢の一つになっていかなければ、劇団の先行きに不安を感じるのは、私だけだろうか・・・